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主人公が鈍感(←理由あり)過ぎて、全然進展しないじゃないか!  作者: true177
第七章 修学旅行編(School Excursion)

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070 ホテルにて⑥

 「んーーー」


 まだ部屋が暗い中、亮平は目を覚ました。 


 亮平は眠い目を無理やりこじ開けて、時計を確認する。短針が4と5の間を指していた。


 (もうちょっと寝とこう)


 亮平は改めて寝ようとする。だが、部屋の一部が明るいことに気づいた。


 「・・・・・・霧嶋・・・・・・お前起きたのか」


 目をこすってはっきり見ると、湊だった。部屋の一部が明るかったのは、後ろのテレビがついていたからだろう。音量は出ていなかった。


 「湊、お前も早く起きてしまったタチか?」


 正直早く寝たいのだが、このまま寝させてくれそうにない。眠気がまだかなり残っているので、頭もぼんやりしている。湊の方はというと、いつもと変わらない顔をしている。眠気がある、というわけではなさそうだ。途中で起きてしまったタチなら、かなり早く起きたのだろう。


 テレビのまわりを見ると、横岳含む何人もの男子が重なるように寝ていた。テレビを寝ている途中に寝落ちした線が濃厚だろう。


 しかし、全員が重なって寝ている。仮に湊が途中で起きてテレビを見ていたとなると、テレビを消した人がいないことになる。そして、湊が今座っている位置にも倒れているように寝ている男子の足が乗っかっている。わざわざ湊からそんな面倒なことはしないだろうから、一つの可能性が濃厚になる。


 「・・・・・・十時から・・・・・・テレビ見てる・・・・・・だけ」


 (『だけ』で済む問題か?)


 寝不足どころか日中に倒れるかどうか心配になるレベルだ。もはや夜更かしではない、今の湊のようなことをしていることを徹夜という。寝るのを催促しようと思った亮平だが、あることを思い出す。それは、二年の学年末テスト当日のこと。


 あの日、湊がいきなり『一日中勉強してた』と発言したのだ。一日中は何かの冗談だと最初は思っていた亮平だが、後で確認して本当だと知ったときは、勉強の成果よりも湊の体調がかなり心配になった。しかし、当の本人はケロっと当日のテストをいつもと同じように受けていたのだ。さすがに、その日の夜は早く寝たらしいが。


 「それより・・・・・・今寝たら、寝坊するぞ」


 二度寝がどのくらい寝坊しやすいかは、亮平もその身をもってして実感している。だが、それと寝不足による弊害が釣り合うかどうかはまた別問題だ。


 確かに寝坊は部屋の人や班員全員に迷惑をかけるし、最悪起きないということもある。しかし、寝不足は日中の行動に支障が出てしまう。亮平の眠気が、現在進行形でだんだんと薄くなってきているのは事実だが。


 「でも、寝ないと寝不足になると思うから、やっぱり寝るわ」


 「・・・・・・寝る必要、ない。・・・・・・霧嶋、もう十分寝てる」


 確かに、湊のいう通り、亮平は長い時間寝ている。しかし、寝すぎて悪いことは一つもない。返答はせずに、亮平は再びまぶたを閉じ、敷かれてある布団の上へと体を移動させた。待ってました、とばかりに眠気が再び亮平を襲う。亮平も逆らうことなく、飲み込まれていく。


 「きりs・・・・・・。ま、いっか」


 湊の途中であきらめたかのような声が最後に耳に入った。


――――――――――


 「ザザザッ」


 何かがすれるような音で、亮平の目は覚めた。それと同時に、全身に痛みが走った。腕が引っ張られている。誰かが、亮平の体を引っ張っているらしい。


 「あ、・・・・・・起きた」


 (あ、起きたって・・・・・・)


 亮平は文句を言おうとした。しかし、湊はそれを予知していたかのように時計を指さす。表情がいつも変わらないので、感情が見えない。


 時計を指されるということは、だいたい寝坊しているということだろう。確認するまでもない。


 部屋の中には亮平と湊しかいない。湊はずっと起きていたはずだから、亮平が最後というわけだ。なぜ自分が寝ていた場所の布団まで片付けられているのかは謎だが。


 突っ立っていても仕方がないので、活動する服へと着替える。


 「湊ー、朝食の時間・・・・・・って」


 いつの間にか、湊はいなくなっていた。物音が一切聞こえなかったので、分からなかった。無音で出ていくのは、びっくりするのでやめてほしいところだが。


 朝食の時間が無くなっても困る。亮平は、急いで静かなホテルの廊下を走った。

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