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主人公が鈍感(←理由あり)過ぎて、全然進展しないじゃないか!  作者: true177
第一章 始業式編(A sudden meeting)
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006 再会は突然に⑥

 学校が終わった後の放課後の帰り道、亮平は必死に弁解をしていた。


 「あれは本当に悪かったと思ってる!心の中で叫んだつもりが、なぜか声に出てたんだよ!」

 「へー。心の中で叫んでたんだ。」


 (しまった!また口が滑って)


 未帆がまた殺気を一瞬出したが、すぐに消えた。多分、呆れられたと思う。


 「第一、ゴリラはもっと握力強いよ!亮平が叫んだせいで、その後変な目で見られたじゃない!もう!」

 「ごめん。・・・」


 ミスだったとはいえ、滑って「ゴリラ」などと言ってしまった自分も悪い。そこは反省している。


 「まあまあ、お二方。その話はそのくらいでいいじゃない。」


 友佳が雰囲気を変えに入って来てくれた。こういう時の友佳は、頼りになる。


 「まだ私は許してないからね。」

 「それは本当にごめん。それより、周りの視線が...」


 (話題を変えたかったのもあるが)亮平はむしろそっちの方が気になっていた。周りからしてみれば(横岳を除いて)、今日転入してきたかわいい(少なくとも亮平はそう思っているし、ほかの男子もそう思っているのではなかろうか)女子と初日にいきなり一緒に帰っているのだ。注目を集めないはずがない。


 「!?」

 「未帆、もしかして気づかなかった?」

 「う、うん。亮平に言いたいことが山ほどあって、興奮してたから...。」


 未帆が顔を赤らめている。本当に気付いていなかったらしい。そして、亮平がこの状態になることで心配していることがある。それは・・・。


 「ちょっと!亮平君の隣に立っているそこの子って、誰?」


 やっぱり、来ちゃった。


 「あ、澪。となりにいるのは未帆。今日の始業式で説明があったでしょ?」

 「あー、西森さんかあ。で、どんな関係?まさか...」

 「ちょっと待ってくれい!澪、何考えてるんだ?」


 いま亮平が言葉で止めた女子の名前は、酒井さかい みおだ。中学校から亮平達と一緒になった。澪の方は亮平のことが好きで、亮平の方も澪を好きである。


 「だって、亮平君が名前で呼ぶってことはそれ相応の関係が・・・」


 今は、澪の誤解を解く方が先決だ。


 「幼馴染なんだよ!小さいときに引っ越して、また戻ってきたの!」


 澪は少し黙っていた。そして、


 「ごめんなさい、西森さん。勝手に勘違いして。」


 というと、その場を去っていった。


 (おかしいなあ。澪は怪しいと思ったことはとことん問い詰めるはずなのに。)


 「りょ、亮平、友佳。早くいこう。」


 未帆に手を引っ張られてせかされる。

 

 (いででででで)


 力が強いと分かっているのなら、もう少し力を抜いてほしい。

 周りの野次馬もさきほどの出来事で状況は理解していると思うが、それでも今日転入した女子と一緒に帰っているのが気に食わないのだろう。大部分はすでに帰っていたが、一部の男子生徒がまだこの場に残っていた。


 「そうだな。そうしよう。」


 亮平としても、この場に留まり続けることにデメリットはあっても、メリットはない。

 亮平達三人は、急いでその場からそそくさと逃げ出した。


次話は未帆視点になります。(たぶん)

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