044 未帆編① 宿題
注 環境依存文字有
「え、酒井さんもういないの!?」
ゴールデンウィーク初日、未帆は驚いていた。
「澪から聞いてなかったの?澪なら昨日の夜のうちに帰省するって」
未帆が友佳から聞いたことは、初耳だった。昨日の帰り道の時の空気では、酒井さんはそのことを言い出せなかったのだろう。
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時はさかのぼること一時間前。未帆は十枚程度のプリントの前で悩んでいた。
「数学のプリント、多すぎる・・・・・・。まだ習ってない部分も少し出ているし、どうすればいいかな・・・・・・」
こんな時に亮平がいれば一発なのだが、あいにく亮平は今日から帰省する。
(こういう時に限っていないんだから、もう!)
ないものねだりをしても仕方がない。
(そうだ!友佳はクラスが違うから、もしかしたらもう習ってるかも)
未帆と友佳は別のクラス。授業の進展状況も若干違う。
(どうせなら、酒井さんも呼んで、三人でゴールデンウィークの宿題を終わらそう!)
急に思い浮かんだ案を実行に移すため、急いで外に出かける準備をする。友佳の家は場所が分かるからいい。酒井さんの家の場所は友佳が知っているだろうから、教えてもらう。だいたいの計画が決まった。
(でも、できるところはできるだけやっとこう)
結局、五十分近くプリントを進めるのに費やした。
(ここぐらいまでやっとけばいいか)
未帆は、今から友佳の家に行くことを決めた。
未帆が家を出て数分。
「ピンポーン」
未帆が友佳の家のインターホンを鳴らすと、数秒で友佳が玄関から出てきた。
「あ、未帆!どうしたの?」
未帆は、つい一時間前に思い浮かんだものを説明する。
「あー、確かに。クラスによっては習ってないかもしれないね。でも、大丈夫。3-Cは昨日習ったから」
未帆は、友佳のクラスはその部分を習っていたことを知り、ひとまず安心した。
「でも・・・・・・」
続いて友佳が切り出したのは、澪が既に帰省した後ということだった。
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「私は別にOKだよ。二人いた方が一人の時より早く終わるから」
友佳はOKしてくれたので、友佳の家で宿題をすることになった。
「まず、因数分解っていうのは、式をかっこに戻していくこと。展開は分かるよね」
「それぐらい!カッコを外してバラバラにするやつでしょ」
「因数分解はその逆。カッコにまとめていくこと。因数分解には公式が何個かあるから、それを覚えちゃえばだいたい解けるよ」
説明はおおざっぱだが、いちいち最初から最後まで説明しようとする亮平よりかは分かりやすい。
「じゃ、この『x²+4x+4』は?」
「それは、公式の『(x×a)²₌x²₊2ax₊a²』が使えて、(x₊2)²になるよ。だいたいの問題は公式のどれかに当てはまるから、落ち着いて探せば見つかるから、すぐ解けるよ」
その後も友佳に教わりながら、少しづつプリントは進んでいった。
「え、もうこんな時間!?」
プリントの問題を解くのに夢中で、全部終わった時にはもう十二時前になっていた。
「ごめん、友佳。私の宿題に付き合ってくれて」
「いいの、いいの。そのかわり、もし状況が逆になった時は、よろしくね」
すでにかなりおなかが減っていたので、未帆は家まで直行で帰った。
途中から中三の数学の解説になっちゃってますね・・・・・・。




