039.5 春の体育大会当日④(四章オマケ)
039の亮平視点です!最後の会話のコピペはお許しください。
ー亮平視点ー
「なんで、腹に何発もタックルしてくるかなあ」
亮平は一人保健室で、そう嘆いていた。
亮平が保健室にいる理由。それは、棒倒しの競技中に集中的にタックルを腹部に何発も受けたからだ。
腹を蹴られると下痢が出るという事は噂で知っていたので、ある程度覚悟はしていた。だが、一向に腹痛が来る気配がない。
とはいえ大変な事になっていては困るので、保健室に来たわけだ。
「どうする、霧嶋君?このまま保健室でしばらく休んでおくか、閉会式に行くか」
腹の調子は今のところ大丈夫だったので閉会式に出ようと一瞬思ったが、すぐに思い直す。
(たしか委員長会委員は片付けがあったよな?なら、少しぐらい休んでいてもバレないんじゃないのか?)
結局亮平は、保健室で休む事にした。とはいっても休む理由の大部分は、片付けをあまりやりたくないことなのだが。
「にしても、寝転んでるだけって暇だなあ。何もすることがないと、眠気が・・・・・・」
亮平の意識は、そこで途切れた。寝落ちしたのだ。
亮平が学校で孤立しているグループだったのならば、それでも良かったのだろう。しかし、亮平は忘れていた。亮平が戻ってこないことで、彼を心配する人の事を。
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「霧嶋君。もう保健室閉めるから、出てってね」
亮平は、保健の先生に起こされて、保健室を出た。時計を見ると、五時。片付けがちょうど終
わっている時間だった。
亮平は少しさぼろうとは思っていたが、さすがに全部すっぽぬかそうとは思っていなかった。
(でも、ポジティブに考えれば、片付けをしなくてよくなったと言うことに・・・・・・)
なんだかしてはいけない考えをしたいるような気がしたが、そこは無視した。
校舎から出た瞬間、声がかかった。
「亮平!ずいぶん長かったけど大丈夫?」
未帆だ。多分帰る途中だったのだろう。
「うんにゃ、大丈夫、大丈夫。問題なし。長かったのは、ただ片付けやりたくなかっただけ」
未帆が黙った。未帆の体が震えだした。
(俺、なんか変な事言ったっけ?)
サボッたのは確かに悪いのは事実だ。謝ろう。亮平がそのことを口に出そうとしたとき、
「りょーへー。それ、ふざけてる?本気で言ってる?」
追撃が飛んできた。言っているる事が事実なら、問題はないはずだ。さぼったことは悪いけれ
ど。
「うん、本気だけど。でも・・・・・・」
さぼったことは悪いと思ってる。そう言おうとした。が、その前に説教をされることとなった。
「問題大ありだよ!人が心配してるっていうのに、さぼっていました?人が心配してることも考えてよ!それから・・・・・・」
なにかと言われた後、未帆は校門を飛び出していった。
(俺を心配してくれてたのか・・・・・・。そりゃ、俺が未帆の立場だったら、そうするよなあ。)
亮平は、未帆がどれくらい自分の事を心配してくれているのか、気付くことになるのであった。
(未帆に悪いことしちゃったな。それでも、)
肩を叩くときは本当に力を緩めてほしい。亮平は肩を手で抑えながら、そう思った。
(本当に)四章完結です。




