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主人公が鈍感(←理由あり)過ぎて、全然進展しないじゃないか!  作者: true177
第四章 春の体育大会編(First---Spring Sports Day )

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039 春の体育大会当日③(四章終)

投稿が遅れた原因:もともと書いていた話がボツになったから

四章が短い理由:もう書きたい内容が無くなったから


 ー未帆視点ー


 「はぁー」


 棒倒しが終わった直後、未帆は大きな溜息をついていた。


 春の体育大会の結果は、白の大勝に終わった。


 敗因としてはまず、作戦がかなりお粗末だったこと。東成中で初めて入った競技だったらしく、攻め方や守り方を知っている教師のクラスとそうでないクラスで大きく差が開いた。


 未帆達女子や、男子の半分ぐらいが攻めていたのだが、途中でクラスの棒が倒されてしまったので離脱することになった。


 亮平からは、「いきなりタックルしてきて、それに対処している間に棒を倒された」らしい。ルールにはタックルは許可されていたので、単なる確認不足だった。


 その後も紅組は一クラスづつ順番に狙われて、倒されていった。


 「そんなに落ち込んでも仕方ないって。あと三回もあるんだから」


 そう声を掛けてくれたのは、三宅みやけさんだ。教室でも席が近かったので、仲良くなるのに時間はかからなかった。


 「そうじゃなくて、疲れただけ。大丈夫」


 疲れているのは、事実だ。決して嘘を着いたわけではない。だが、溜息の原因は他にもあった。


 亮平がタックルを腹に何回か受けたため、腹痛になって保健室に行っていることだ。 


 亮平は喧嘩には強い。それは八条学園の件や亮平が話してくれた過去の話で分かっている。 


 しかし、亮平も人間。体が鉄のように固いという訳ではないし、ダメージを受けないわけでもない。頭を殴られればたんこぶができるし、すねを蹴られればかなりの痛みが走る。


 (亮平、大丈夫かなあ)


 「閉会式を始めるので、生徒のみなさんは全員運動場に出てきてください」


 閉会式のアナウンスが流れるが、まだ亮平は来ない。


 「いまから体育大会第一部閉会式を始めます。まずは校長先生の話です」


 平常運転グダグダ。工夫をいい加減にしてほしい。


 時折校舎の方に目を向けるが、人が出てくる気配はない。


 「・・・・・・これで、閉会式を終わります。片付けの仕事がある人は片付けを、それ以外の人は解散してください」


 委員長会委員と体育委員は片付けが当たっているので、未帆は片付けに向かう。準備は男子がテントを張っていたが、片付けは教師全員でするので、仕事は主に椅子や机の片付けだ。


 (亮平、ほんとに大丈夫かな・・・・・・)


 いつまでたっても亮平は戻ってこない。片付け中、未帆はずっと亮平の事を考えてボーっとしていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「亮平!」


 片付けが終わり、未帆はすぐさま校舎の方へと向かった。と、その時、亮平がケロっとした顔で校舎から出てきた。


 「亮平!ずいぶん長かったけど大丈夫?」


 「うんにゃ、大丈夫、大丈夫。問題なし。長かったのは、ただ片付けやりたくなかっただけ」


 亮平が言い終わった瞬間、未帆の心の底から激しい怒りが膨れ上がってきた。


 (あんなに心配したのに、サボリ!?私は亮平の事をあんなに心配したっていうのに!)


 「りょーへー。それ、ふざけてる?本気で言ってる?」


 「うん、本気だけど。でも・・・・・・」


 だめだ、鈍感過ぎて分かってない。亮平は何か言おうとしているが、最初の「本気だけど」の部分を聞いた時点で、未帆は大爆発した。


 「問題大ありだよ!人が心配してるっていうのに、さぼっていました?人が心配してることも

考えてよ!それから・・・・・・」


 言いたいことをさんざん言ったあと、勢いで学校を飛び出した。


 (もう、知らない!)


 未帆の怒りは、やわらぐだけで一日、消えるまでには三日かかったのであった。

紅白の点数は後日更新します。

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