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主人公が鈍感(←理由あり)過ぎて、全然進展しないじゃないか!  作者: true177
第四章 春の体育大会編(First---Spring Sports Day )

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037 春の体育大会当日①

四章は早く終わりそうです。

「体痛っ!まったく、昨日の準備のせいで・・・・・・」


 クラスのテントの下で、亮平はそうつぶやいていた。


 昨日の準備というのは、テントを張ったことだ。結局亮平を含む男子四人で18張りのテントを張ったため、結構な体力を浪費した。


 「まもなく、生徒入場です」


 スピーカーから大音量で放送が流れる。放送するのは、委員長会委員が担当になっている。


 亮平達はテントを出て、入場門の外側に整列する。3-Aから入場するので、亮平達は一番前に並んだ。


 入場の合図が出たとともに、先頭が入場し始めた。亮平達もその人らに続く。


 放送で3-Aの詳細な説明がされている。何とかを頑張ってきましたとか、こうこうこうなクラスです、とか。一度体育の授業で聞いたので、あまり聞こうとはしなかった。


 中央に着き、足踏みが続く。全十二クラスが中央に揃うと、ようやく足踏みが止まった。


 「えー、ただいまより、第十五回東成中学校体育大会一部を開催いたします」


 教頭のいつもの定型文が放送され、春の体育大会が始まった。


 実を言うと、「春の体育大会」は正式名称ではない。亮平達生徒はそう呼んでいるが、正式な名前は「体育大会第一部」なのである。あくまで、体育大会は四部制だと言いたいのだ。


 年四回も体育大会があるため、観客はあまり多くない。一番観客が増えるのは、最後の冬の体育大会だ。


 基本的にラジオ体操等の本格的な事は冬の体育大会にしか行わないので、開会式が終わるとすぐに自分のクラスのテントへと戻る。


 だが、校長の話はいつもいつも平常運転グダグダするので、なかなかテントに帰れない。まだ四月の終わりなのであまり日差しは暑くはないが、できる事なら早く終わってほしい。


 「・・・・・・これで、話を終わります。礼が終わり次第。、すぐに、テントに戻るように」


 数分後、やっと校長の話が終わった。礼の後、全員各自のクラスのテントに戻っていく。最初の競技は、サッカーだ。


 「イデッ!な、なんだよ。未帆の席はそこじゃないだろ」


 思いっきり強い力で肩を叩かれた。叩かれた方を見ると、未帆が隣にいた。正直言って、未帆は力加減と言うものを分かっているのだろうか疑問に思う。


 「何言ってるの、亮平。まさか、忘れた訳じゃないよね」


 (な、何を?)


 亮平には別に未帆が隣に座るような出来事が起こるような心当たりはない。席順は、背の高い順で決まるからだ。


 「・・・・・・ほんっとに忘れてるんだ。放送の仕事って、サッカーの時は亮平じゃ無かった?」


 (あ。)


 忘れてましたとも、忘れてましたとも。亮平はそう心の中で言いながら、放送席に向かった。


 「プログラム一番は、サッカーです。まずは女子からです」


 放送時刻にギリギリ間に合ったのでほっとしていると、


 「こうら、霧嶋!放送が終わったら次は審判係だ!今日、体育委員が何人か休んでるんだ。代わりにやってくれ!」


 (それって、拒否権はないんですかあ?ないんでしょうね。というか、筋肉痛なのにやめてく

れないかなあ)


 不満に思いながらも、亮平は運動場のサッカーコートが引いてある、選手がすでに集まっている場所へと急いだのであった。

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