018 休戦協定締結(二章終)
前話にも書いてある通り500文字程度しかありません。
「で、亮平のいいところは見つけてこれたんでしょうね。」
澪が、未帆を問い詰めた。
今の時間は、五時間目と六時間目の間の休み時間。今日最後の校内パトロールの時間だ。
「うん。亮平のいいところのうちの一つだと思うけど、仲間を思う気持ちが強いこと。昼休みのことは酒井さんも聞いてるでしょ?亮平が、うちの生徒を守るために八条学園とやりあったこと。私が先生を呼びに行ったときは、どの先生も「絶対行きたくない」っていう顔してたのに。」
しばらく沈黙があり、酒井さんが口を開く。
「うん。そこも亮平君のいいところ。私もそう思うわ。」
(やった、これでひとまず酒井さんに負けずにすんだ。)
未帆はひとまずほっとした。
「・・・じゃ、ひとまず今回の亮平君の事については、一時休戦ってことでいい?」
「いいよ。でも、」
「言いたいことは分かるわ。「あくまで今回は、」でしょ?」
酒井さんに言いたかったことを言われてしまった。
これで酒井さんとは一時休戦。そう、次の時があるまで。
「私も、次回は・・・」
「キーンコーンカーンコーン」
予鈴が鳴った。
「ほんと、チャイムってタイミングの悪いときに鳴るよねぇー。」
そう酒井さんがつぶやいたことに、未帆も同じことを思った。
(チャイムって、ほんとタイミング最悪な時に鳴るなあ。)
これにて二章完結です。次の三章は「015 校内パトロール⑥」の続きで、亮平の過去編になる予定です。




