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主人公が鈍感(←理由あり)過ぎて、全然進展しないじゃないか!  作者: true177
第二章 第一次未帆ー澪戦争編(Miho-Mio War I)

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016 校内パトロール⑦

012 校内パトロール③の続きです。

 ーーー未帆視点ーーー

 昼休み。未帆は亮平とともに運動場の監視に行った。澪に頼んで澪には二階を見回らさせてもらっている。

 運動場はかなり混雑していた。遠くの方は人に隠れて見えない。

 亮平が見る範囲を半分で分けて別々に見ないか、と提案してきた。未帆もその方が効率がいいと思ったので、その提案に乗る。

 未帆は左半分を担当になった。運動場の左半分には、立ち入り禁止テープが張られている倒れそうな木がある。危険なところがあるとすれば、それだけだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 (やっぱり、人が多いなあ)


 昼休みの時間が進む。人は、少なくなるどころか多くなっていく。

 何人かの中学一年生の子達が、立ち入り禁止テープの付近で何やら話しているのに、未帆は気付いた。


 (こういう時に限って、嫌な予感がするわ・・・)

 その予感は当たる。その中学一年生の子達は、話がまとまったのかそのまま立ち入り禁止のテープの内側に入っていく。


 (止めなきゃ!)


 しかし、未帆の心の中に、どす黒い心も同時に生まれていた。


 (このまま放っておけば、亮平も気付いて止めにくるはず。酒井さんにはそれを「()()()()()()()()」とすればひとまず引き分けに近いところまでは持っていける)


 善の心と悪の心が同時に未帆にささやく。


 (たしかにそれなら引き分けに持っていける)


 と一瞬思って、すぐ我に返る。


 (今、私は何を考えた?何てこと考えたの?そんなことよりケガさせない方に決まってるでしょ!)


 しかし、未帆がしばらく躊躇したために、中学一年生の子達はさらに木に近づいていく。


 (間に合わない!)


 未帆は走り出したが、距離的に間に合いそうにない。

 と、未帆の視界が亮平が走って木の方に向かっているのをとらえた。


 (亮平!気付いてくれたんだ!)


 亮平が間に合った事を確認した後も、未帆はその場に向かって走った。

 だいたいの事が済んだあと、亮平になぜ遅れたのかを言われた。まさかあんな事を一瞬でも考えたことは未帆には言えなかった。なので、亮平には「違うところを見ていて、亮平が走っているのをみて気付いた」と説明した。


 「ごめん。」


 未帆は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。亮平が慰めてくれたが、それでも未帆の責任感が消える事はなかった。

 ガチャン!

 すごい物音がした。未帆と亮平がその音がした方を向くと、そこにはガラの悪そうな数人が校門の前に立っていた。


  「俺達は八条学園だ。平和な中学校生活送りたかったら、おとなしく従えや!」

次回で二章終了です。

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