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主人公が鈍感(←理由あり)過ぎて、全然進展しないじゃないか!  作者: true177
第二章 第一次未帆ー澪戦争編(Miho-Mio War I)

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011 校内パトロール②

ーーー未帆視点ーーー

 話は亮平と別行動をすることが決まった時までさかのぼる。

 

 「それより、手分けして校内パトロールしましょう。亮平君は一階、私と西森さんは二階。」


 澪がそう提案したとき、未帆は疑問に思った。


 (なぜ、亮平?)


 別に一階に行くのは未帆でも澪でもいいわけである。

 まず、澪が亮平と一緒にいたいという選択しは潰される。それなら、未帆を行かせればいい話だ。となると、選択肢は絞られてくる。

一つ目は、亮平を一人で行かせる事で、雰囲気を気まずくさせないという可能性。二つ目は、未帆を問いたしたいがために亮平を遠ざけた可能性。三つめは、単に誰でもよくて、たまたま亮平を選んだ可能性。

 亮平は提案を受け入れて、一階へと下っていく。


 (二つ目じゃありませんように。)


 だが、未帆の願いは次の澪の一言でぶち壊された。


 「ねえ、西森さん。亮平君が好きなんだって?友佳から聞いたよ。」


 亮平の耳に入らなくなったタイミングで、その言葉は飛んできた。


 (友佳、酒井さんにばらしたな)


 昨日の夜、MINE(↑少人数トークアプリ)で「勝負は実力がある方が勝つんだ!」という意味深なコメントを友佳がつぶやいていた理由が分かった。


 つまり、勝負というのはこのことで、実力というのはどれだけ亮平を好きかということからしい。


 「うん。それがどうしたの?」


 未帆は小さな声で、しかしはっきりと肯定した。酒井さんが亮平のことを好きなのは知っているが、未帆は、「ここで引いたら負けな気がする」と思った。


 「ふーん。なら、西森さんは亮平君のどんなところが好きなの?」


 未帆は答えに困る。分かってはいたが、この話題になると未帆は弱い。何を好きになったのかが未帆自身にも分からないからだ。


 (こうなったら、もう開き直るしかないか。)


 「好きに理由なんてないでしょ?」


 本当は理由があるはずなのだが、未帆には分からなかった。


 「それ、カッコつけてるようにしか見えないんだけど。」


 未帆もそれは認めざるをえない。未帆もさっきのようなセリフは言ってみたかった。


 (こんな場面じゃ、まったく意味がない気がするけど。)


 酒井さんは、さらに未帆に追い打ちを掛けてくる。


 「第一、西森さんに亮平君の何が分かってるっていうの?亮平君と八年間も離れてた西森さんと、二年間近くにいた私と、どっちが分かってるっていうの?」


 それも未帆は答えられない。まだ再会してから一日しか経っていない。亮平の短所みたいなと

ころは気が抜けているところだというのは分かった。だが、亮平のいいところが、分からない。


 「ほら、何も言えないじゃん。どうせ、外見だけで好きになったんじゃないの?」


 そうかもしれない、そうじゃないかもしれないので、これにも未帆は答えられない。このままだと、未帆の完全敗北。


 「だって、何を好きになったのかが私にも分からないんだからしょうがないでしょ!」


 未帆は賭けに出た。本音をさらけ出してみる。これで、酒井さんに未帆の気持ちが理解されな

かったら、終わり。


 「何を好きになったのかが分からない・・・?」


 酒井さんの動きがしばらく止まった。なにか思い当たる節があったのかもしれない。


 (でも、今のはあきらかに語尾が上がってたしなあ。)


 酒井さんが未帆の気持ちに分かるところがあればいいし、無ければそれまで。未帆は酒井さんの次の一言を待った。


 酒井さんは、若干言うのをためらった感じがした。


 「西森さん、何を好きになっているのか分からないのなら、今日中に一つぐらい見つけなさい!できなかったら、その時はその時はもう西森さんが亮平君を好きになる権利はないわ。亮平君は私がもらう。」


 

もう校内パトロールそっちのけで言い争いしてますね…。

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