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主人公が鈍感(←理由あり)過ぎて、全然進展しないじゃないか!  作者: true177
第二章 第一次未帆ー澪戦争編(Miho-Mio War I)

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010 校内パトロール①

 (これだから、委員長にはあんまりなりたくないんだよなあ。)


 一時間目が終わった直後、亮平は、心の中でつぶやいていた。


 「校内パトロール、頑張ろうね。」

 「頑張ろうって言われてもなあ」


 校内パトロール。委員長になって一番辛い仕事の一つだ。

 仕事内容は、その名前の通り。危険なことをしていたら止める、いじめ(ほとんどないが)を止める、etc.(エトセトラ)。これはまだいい。

 当番は基本三日に一回。それもまだいい。     

 問題は、校内パトロールを行う時間帯だ。授業と授業の間の休み時間、(1と2、2と3、3と4、5と6)と昼休みだ。この、学校の休み時間を全て奪われるのが、亮平にとっては辛い。読みたい本が読めないからだ。普通の人にとってはあんまり変わらないかも知れないが、亮平は読むスピードが早い。30分有れば一冊読めるので、まるまる一冊分の時間を奪われている計算になるのだ。

 おまけに、一学期中は一年生が参加しないため、頻度が二日に一回になる。 


 「で、これはどういうこと?澪、相方さんは?」


 亮平は委員長の人数について澪に尋ねた。クラスには委員長は二人いる。だが、いま3-bの委員長として居るのは澪しかいない。


 「ああ、それは、もう一人の子は、休んじゃったのよ。また登校できるまでに一週間ぐらいかかるって。」


 (なんだ、休みだったのか)


 「それより、手分けして校内パトロールしましょう。亮平君は一階、私と西森さんは二階。」


 たしかに、手分けした方が効率がいい。女子だけで大丈夫か、という不安は残るが。亮平はその提案に乗ることにした。

 「うん、そうするか。」

 分かれる時に、若干未帆が嫌そうな表情をしていたのは、気のせいなのだろうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 一階は教室がないので、基本的に運動場を見ることになる。運動場で危険な場所と言ったら、倒れそうな大木の周りぐらい。そしてそこも、立ち入り禁止テープが引かれてある。

 それ以前に、授業と授業の休み時間に運動場にでる生徒はほとんどいない。だいたいが昼休みだ。


 「キンコンカンコン♪」

 チャイムが鳴った。が、これは予鈴であって、本鈴ではない。東成中では、亮平のような校内パトロールをしている生徒や、まだ外にいる生徒などに「もうすぐ授業が始まる」と知らせるために、授業開始2分前に予鈴が鳴る。亮平は急いで教室に戻る。


 (こういう時、四階って本当にだるいよなあ。)


 途中で澪と未帆と合流したが、なぜか二人ともピリピリした感じになっていた。


 (何があったんだ?喧嘩でもしたのか?)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 亮平と未帆が教室に着くと、当たり前だが全員着席していた。急いで着席する。

 

 「キンコンカンコン」


 本鈴がなった。いつもなら、ここで「起立!」と、号令がかかるのだが・・・。


 (なんで号令がかからないんだ?)


 三十秒ぐらいたったが、号令がかからない。

 亮平は周りを見渡した。クラス全員の目線が亮平に刺さっている。


 (・・・!)


 亮平は思い出した。


 (号令をかけるのは「委員長」だ!)


 未帆は一応「副委員長」なので、号令をかける人は一人しかいない。


 (またやってしまった・・・)


 「起立!」


 あわてて号令をかけるが、すでにチャイムがなってから一分以上が経過している。間違いなく、横岳が言いふらすだろう。


 (初日といい、今日といい、なんでこんな事が重なるんだよ!)


 亮平は、心の中で嘆いていた。

 

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