009 クラスの係決め
二章スタートです。二章の題名がまだ決まっていません。
「うんにゃ、眠い」
亮平は、授業中にもかかわらずあくびをかいていた。亮平は昨日(実質今日)は深夜一時ぐらいに寝た。その時間帯が亮平のいつも寝ている時間帯である。
今日は始業式の翌日で、一年生の入学式。全校生徒が出席する。
今は正確には授業を受けているのではなく、クラスの係決めをしている最中なのだ。
「クラスの委員長、男子でやってみたい人はいないのかー?女子はすんなり決まったぞー?」
担任がクラス全員に(主に男子に)問いかける。だが、なかなか手をあげる者はいない。 亮平は、眠くてぼーっとしていた。女子は誰かがすぐ手をあげたらしいという情報は耳の中に入ってはいたが、誰がなったかは知らない。もし亮平のクラスの中に澪がいたのなら、澪なのだろうが、亮平のクラスの3-Aには澪はいない。
「誰もいないのか。なら、推薦で決めよう。誰か、推薦したい人がいる人は挙手するように。」
自主的にあげる男子がいないと踏んだのか、こんどは推薦方式になった。即座に、一人の男子が手をあげた。
「はい、横岳」
どうやら手をあげていたのは横岳だったようだ。
(横岳が推薦?まーた嫌な予感が・・・)
「はい。僕は、霧嶋君を推薦します。理由は、こう見えても霧嶋君は正義感が強くて、誠実な人だからです。」
(はあ。推薦がまた来たかあ。)
亮平がクラス委員長をやりたくない理由は、仕事内容が多く、時間が奪われるからである。それなのにもかかわらず、亮平は推薦が来た時に拒否しないため、だいたい亮平を推薦する人が多い。
(もう少し活動時間を短くしてくれたら、自分から立候補してもいいのに。)
「他に推薦はないか?」
担任が確認をとっている。
「じゃ、委員長は霧嶋と西森で決定だな。全員、拍手!」
(手をあげてたのって、未帆かよ。)
ボーっとしていたとはいえ、前の席の人が手をあげるのを見逃すとは。
「では、これからは司会は新委員長にやってもらう。霧嶋、西森、どっちが司会をするかは二人で決めろよ。もう一人は黒板に書く係だからな。」
そう言われるや否や、未帆が
「じゃ、亮平が司会ね。」
と言ってきた。
(さっきまでボーっとして頭が回らないから、変わってくれって言ったら、自業自得って返されるんだろうな。)
亮平は進んで面倒な事はしないが、人から言われたことはなんやかんやでする。
亮平はしぶしぶ司会をすることにした。が、ここであることに気づく。
(何の係があるのか聞いてなかった!)
ここ東成中学校では、クラスの係の名前と仕事内容と係数は毎年担任が決めている。途中ぼんやりと言われたような気がするが、当然「ぼんやり」なので覚えていない。
「どんな係があったっけ?」
とりあえず未帆に聞いてみる。
「みんなメモ取ってるはずだけど・・・。もしかして、聞いてなかった?」
「うん。」
「しょうがないなあ。はい、これ。」
未帆が未帆のプリントを渡してくれた。
亮平はそれを受け取って、教卓へと戻る。
「あー。委員長がメモ取ってなかったらしいです。」
横岳だ。
(横岳、すごい観察眼持ってるな。)
クラスが横岳の一言で一気に亮平をはやし立てる。
「委員長が早速やらかしたー」
そんなやじが教室中を飛び交う。
担任が止めてくれたものの、雰囲気がかなりおかしくなってしまった。
「じゃ、じゃあまず、図書係になりたい人は挙手して下さい。」
司会を進めながら、亮平は思う。
(なんでいっつも授業中ボーっとなるんだ?)
今回はだいぶグダりました。この「亮平と未帆が委員長になる」という話にいろいろ詰め込み過ぎました。次回からはまたマシになると思います。
亮平が授業中ボーっとする理由は…。なんで本人(亮平)は気づかないんだろう。




