「稚拙な作品」? いいですとも!
そこのあなた、自分の作品を紹介するときに、「稚拙な作品ですがよろしければお読みください」と、微妙に長い前置きを述べてませんか。
でもみなさん、「稚拙美」って言葉をご存知でしょうか? 大体の意味を言うと、「一見すると稚拙だけど、素朴で純粋なところのある美しさ」ってことなんです。
こどもの描いた絵や文章などがそれに当たるかもしれません。変にひねっていなくて、ストレートな文章を書いたりするのも、歳を重ねるごとに難しくなっていき、またそんな文章を「稚拙だ」と言う人もいます。
でも一説によると、ピカソは、「こどもの描いた絵を表現するのが難しい」というようなことを言っていたとあります。素晴らしい画が描けるのに、どうして彼は、「稚拙」なこどもの絵に惹かれたのでしょう?
私個人の解釈ですが、こどもの素朴で純粋な視点で物事を見るのが、大人になるに連れて難しくなってくるからだと思います。当時の歴史などと鑑みれば、もっと深く考えられそうですが、それだけの頭はないので、詳しい人は(なるべく短めに……)感想などで教えてください。
この理屈でいくと、大人は無駄な知識が多すぎて、物事の真理から遠ざかっている。そう思ってしまうのですよ。もちろん「知識」や「智慧」を否定しているわけではありません。それがなくては社会は回りませんもの。ですが、物事を素直に見れなくなってしまったら、大人はとたんに説教くさい作品などを書き始めるのです。
それは、時に感動を与え。時にこどもに現実を突きつけます。
しかしそれは、「大人」たちが作った現実世界でしょう!
あなたが「こども」のころにみた世界は、どんなだったか!
「稚拙」には「美」があります。ただ「へたくそな文章ですが……」というニュアンスで使ってはいけないと私は思います。その、「へたくそな文章」の中から、新たな表現方法が生まれることもあるかもしれません。
「稚拙な作品」? いいですとも!
書けるモンなら書いてみなさいな!