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ボクのだいじな

作者: 環

ボクはね、みーちゃんがだーい好き。



ボクとみーちゃんはずっと一緒にいるんだ。


なんでも一緒にしたし、


みーちゃんは何でもボクに話してくれたんだ。


初めて誰かを好きになった時も、お母さんに秘密の話しも。



ずっと、ずっと一緒だと思ってたのに…


みーちゃんの事はボクが一番知ってると思ってたのに…。






今はみーちゃんが何を考えてるのか、わからないよ。


何があったの?


何でそんなに泣いてるの?



抱きしめて、大丈夫だよって慰めてあげたい…のに出来ない。


そんな自分が腹立たしい。



みーちゃんがボクをギューっと抱きしめる。


なんだか久しぶりにみーちゃんがボクに触れてくれた気がする。



「ほーちゃん、私ね…」



ゆっくりでいいからね、何があったか教えて。


ボクには聞くことしか出来ないけど…。




「…好きだったのに…。私、男を見る目ないのかなぁ。」



「解ってるんだ。可愛げないもん…私。」



そんな事ないよ!


みーちゃんはスゴくかわいい!


その男がバカなんだよ!みーちゃんがいるのに他の女に手を出すなんて!




ボクは知ってるよ。


みーちゃんがいつも頑張ってる事。


強がりな所があるから、誰にも弱いトコロをみせたくないんだよね。


外では泣かない様に我慢して今日も一人で泣こうとして。


本当は傷つき易くて脆いんだ。




ボクが守ってあげたい。


いつだって傍にいるのに


なんで、



なんで、



伝わらないんだろう。





いつのまにか、みーちゃんは眠ってしまった。泣きつかれて。



ボクのこの手じゃ小さすぎて


ボクの言葉も届かなくて



みーちゃんを守れない。




だって………ボクは











白熊だから。


小さな小さなぬいぐるみ。


それが、ボク。



だから、みーちゃんを抱きしめる事も優しい言葉をかける事もできないんだ。



なんで?



どうして!



神様はこんな小さな体にボクという心を作ってしまったの?


気持ちを伝える事も出来ない、非力なボクを。




せめて、体が動かせたらなぁ


…声がだせたらなぁ



せめて、せめて


…みーちゃんとおんなじ“にんげん”だったらなぁ。




そうしたら、ボクはみーちゃんを守るよ!


いっぱい甘やかして…ボク無しではいられないくらいに。


みーちゃんが笑顔でいられる様に 





こころの瞳をそっと閉じた。


今はなんにも見たくはなかったんだ。














…なんだかからだがポカポカする



あれ?なんかみーちゃん小さくなった?







体が動く………?



自分の手を見つめた。いつもの小さなフサフサの手じゃない!



みーちゃんとおんなじ!


体をペタペタ触る。



“にんげん”?!



ボクは嬉しくて



嬉しくて



みーちゃんをギューっと抱きしめた!





「ボクのだいじな、


 だいじなみーちゃん。


 これでみーちゃんをまもれるね!」

みーちゃんにとっては、ホラー?

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