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第二話 無能の追放

「貴様ら、何のためにここに呼ばれたかわかってんのか?」


王様が怒鳴り散らす。全員知らねーよって答えたいとこだが、あの鎧の男の威圧で動く事もできない息をするのに精一杯だ。オレはなんとも無いがな。


「貴様ら、わたくし、ボッソン・オル・クズマイスターだ!」


ウッフ...


オレは、噴出しそうになったから自分で自分の口をふさいだ。

おっと、イケナイイケナイこんなとこで笑ったら即打ち首だろうな。でも、誰か噴出してもおかしくないだろうなこりゃ、クズだけに名前がクズマイスターだぞ!この王国も終わってんな!


「クズマイスター王国、国王だ!貴様らを召喚したのは、この世界を脅かす魔王倒してもらうためだ!魔王を倒した暁に一つだけ何でも願いをかなえよう。」


胡散臭いな、これは、魔王を倒したとき全員暗殺されて終わるオチだな絶対。


「もちろん貴様らが、魔王を倒すために力が必要だ!貴様らは、異世界から来た、異世界から来た者はこの世界よりすぐれた力を持っている。」


ほう、いわゆるチートってやつ何かファンタジーらしい展開だ。魔王って言葉が出てる時点でファンタジーだけどな。


「もちろん、今の貴様らはまだ戦う方法を知らない、だからこの国が貴様らが戦えるようになるまでこの王宮で育てよう、もちろん暮らしに不自由がないよある程度の設備は整えてある。部屋も食事もちゃんとしたものだから安心せよ。風呂もちゃんと毎日入れるぞ。」


クズでも、知恵はあるようだな、てっきり牢屋が部屋とか言われると思ったぜ。そしたらオレは、この国からすぐ出て行くな。他の奴らもそう思うだろうな。


「だが、貴様らは、人数が多すぎるな...」


何か嫌な予感がする。


「さっそくだが、貴様らの能力を確認しよう、ほとんどの貴様らは、良い結果が出るであろう。だが、無能も出てくる、そんな使えない奴らの面倒はみきれない。使えない奴らはこの王宮から追放する。国から追放されないだけありがたく思え。まぁ、無能はほとんど出ないと思うから、自分や自分の友だちが無能じゃない事を祈るんだな!」


さすがわ現実の異世界転移ラノベみたいに甘くは無いか。この世界の‘ことわり’がおかしすぎる。さっき内の生徒が斬られたばかりだっていうのに誰一人パニックしていない。しかも、その男の存在を忘れていた。

もしかして、ここは、死んだら人の記憶から消える感じ?いや、違うあいつの名前はさすがにわからないが違うクラスのやつだった。顔も憶えている。じゃ、なぜ誰一人もパニックしない?もしかしオレだけが憶えている?いや、少なくともそれはないだろう。

オレは、周りを見回す。


見つけた。


オレは、死体を見つけた。角の方にバサット置いてあるっていうのに誰一人も気づいていない。

オレはその理由がわかった。あの鎧の男だ、アイツの威圧でほとんどの人の意識がそっちの方に向いていた。アイツは威圧で死んだ人の存在を消したというのか...


なんて奴だ...


この世界はぶっ壊れてんな、さすが異世界。


「面白くなりそうだ...」


                    ☆☆☆☆☆


「良し、お前ら!順番に並べよ!」


オレ達全員自分の能力を確認されるために並んでいる。


「お願い!掃除でも何でもするから!王宮にいさせて!私一人じゃ外でやっていけないよ!」


さっそく無能が一人確認されたらしいな。


「うるせ!無能は大人しく追放されてろ!」


「きゃっ!」


あいつ!女の子を殴りやがった!本当にこの世界の常識がいかれてるぞ!今すぐにでもアイツを殺したい!

オレは、無能の女の子を殴った男を殺そうと近づこうとするが


「ジャックやめて!」


時雨がオレを止めた。面倒事に首を突っ込むなってことだろう。


「わかったよ、我慢しておく。で、時雨は能力の確認が終わったんだろう。どんな能力だったんだ?」


「魔法剣士と上位の回復魔法らしい後でステイタスカードも配れるからもっと詳しくわかるらしいよ。」


「そうか。」


いよいよオレの番がやってきた。さて、どんな能力が出るのか楽しみだな。オレは、能力を確認するテントの中に入る。


                    ☆☆☆☆☆


「次の人の中に入れ!」


「はい。」


オレは返事をしテントの中に入る。


「さて、君この水晶に手を当ててくれ。」


オレは、いわれたとおりに水晶に手を当てる。

すると、オレの能力を確認した女の人がしゃべり出した。


「残念だな、君は無能だ。」


「そうですか。」


そっか、オレは、無能か。それこそ面白みがある。


「君は、さっきの子達みたいに暴れださないんだな。」


「暴れだしても、無能だって事は変わらないんですから。今後どうやって生きて行くか考えたほうが、良いとオレは思いますね。」


「ほう、面白い子だ。」


オレは、無能でも、やって行ける自信があるからパニックせずにいられるんだろう、もしオレは、日本にいたころ人を殺していなかったら今頃パニックで気絶していたな。人を殺しまくった事でそいう心配する神経がイかれちまったのだろう。


「それでは、オレの能力は何なのか聞いても良いですか?」


「あ~、君の能力はね。物体操作、鑑定、音遮断、気配遮断、タイムスだ。初めのステイタスにしては、能力が多目だが、これは、鍛冶師ばっかの能力だ。能力は、スキルと呼ぶから憶えておいてね。物体操作と鑑定と遮断系の二つは、名前のとおりの能力だ。タイムスは聞いたことがないな。どうせ、使えないだろう。詳しくわ出てくさいに渡されるステイタスカードを確認しろ。」


女の人が雑に説明をする。まぁ、雑でもだいたいわかるからいいや。


「はい、ありがとうございます。」


オレは、部屋を出て行こうとすると。


「君、私の物にならないか?君良い顔してるから何かそばに置きたい。私はある程度の立場があるから私が言えば国王陛下も君がここにいることを許すだろう。」


女の人がオレに訊く。もちろんオレの答えは


「遠慮しておきます、オレは、誰のモンにもならないつもりですから。」


女一人に縛られるなんてゴメンだ!せっかくの異世界転移ここは、やっぱ夢のハーレムだろ!


「そうか、そりゃ残念だ。じゃ、君のためになる事を教えてあげるよ。耳をかしな。」


「はい。」


                    ☆☆☆☆☆


オレは、女の人の話を聞き終わり、テントの外に出る。


すると


「ジャック!どうだった?」


時雨が来た。ここは、すぐに言っておこう。


「オレは、無能だ。出て行かなきゃならない。」


「そうなのね、じゃ私を置いていくの?」


時雨は、オレに訊く。そして、オレは答える。


「いや、待たせるだけだ。」


「そうね、いつもジャックはそうなんだから!本当は今日私に告白するはずだったんでしょ?それが、先延ばしになるだけだもんね!」


気づいてたのか。


「うん...」


ここは、正直に答えておこう。

しばらくたつと能力確認を終えた翔が来た。オレは翔の耳元につぶやく。


「翔、時雨に誰か手を出そうとする奴は、わかってんな?」


「わかった。」


何の事を言ってるか翔はすぐに理解してくれた。オレが無能でこの王宮から追い出されることを。さすがオレの親友だ。

オレは、王宮の門を出ようとすると。


「ジャック!」


時雨がいきなりキスしてきた。


「なるべく早く、私を向かいに来てね。」


「わかった。」


これは、おっぱい揉ましてくれるんじゃね?オレは、時雨のおっぱいに手を伸ばすが、時雨に止められた。


「今は、お預けよ。」


「う、うん、わかった。」


チクショ!駄目だったか!まぁいい、ここを出よう。


「行ってくる、時雨。」


オレは、時雨にそう言い門を出る。最後の無能はオレらしく門が閉まり始める。門が完全に閉まる前に時雨は呟いた。


「行ってらっしゃい、愛しの切り裂きジャック」


「ッツ!?」


あれは、オレの名前を呼んだんじゃなく、オレのもう一つの名前“切り裂きジャック”とオレを呼んだのだ。間違えなく彼女はオレの正体を知っている。オレはなぜ知っているのか訊きたいが、門は閉まった。


「また今度、ゆっくり話しを聞こう。」

読んでいただきありがとうございます!また次回もよろしくお願いします。

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