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君と見る異世界物語  作者: 北岡卓斗
第三章 『聖騎士団』
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第93話 『六大国協定会談』


 卓斗の怒涛の休日は、既に日が暮れ夜を迎えていた。卓斗とユニは、ガガファスローレン国の国王女であるアスナ・グリュンデューテと、その側近にあたるサム、サウディグラ帝国の国王であるマハード・ゲルマンドと、その側近にあたるフィトス・クレヴァス、セシファ達と共に、六大国協定会談が行われるエルヴァスタ皇帝国へと向かう道中だった。

 大きな馬車に乗り、月明かりが照らす広大な大地を進んでいた。


「せんぱーい……私疲れましたぁ……」


「行きたいって言ったの、お前だろ。まぁでも、今日一日疲れたな」


 移動距離は、今日一日だけでも相当な距離となっていた。ましてや、話を聞いている時間も長く、特にユニは疲労が溜まっていた。


「ふん、卿等の夜はまだまだこれからだぞ。協定会談の内容によっては、長くなるかもしれんからな」


「確か、エルザヴェートさんからの緊急招集って言ってましたよね」


「皇帝陛下からの緊急招集は、これが初めてじゃな。休戦協定を結んで十六年、会談はあったものの緊急招集は初……嫌な予感がするの」


 アスナやマハードだけでなく、他の国の王達も不安な気持ちでエルヴァスタ皇帝国へと向かっていた。

 卓斗達は更に一時間程馬車に揺られると、漸くエルヴァスタ皇帝国へと到着する。

 王邸の入り口には、エルザヴェートの側近であり、大治癒術師の異名を持つクライス・エルヴァスタが出迎えていた。


「クライスさん!! お久し振りです!!」


「ん? 何故お前がここに居る?」


「余が連れて来た。問題は無いだろう?」


「アスナ様が? 成る程、不思議な組み合わせだが、いいだろう」


 そう言うと、クライスは卓斗達を王室へと案内する。部屋の中に入ると、既に他の国王達は到着しており、卓斗達が最後となっていた。



「――タクトさん!?」


 王室に入って来た卓斗の姿を見て、大きな声で驚いた人物が一人、――否、エシリアだ。


「あ、エシリア!! 何でお前がここに!?」


「私の台詞です……私は、王として勉強する為にここに……タクトさんは?」


「俺は国王達に聞きたい事があって、アスナさんに連れて来て貰ったんだ」



「――君がタクトくんか」


 エシリアと会話をしていた卓斗に、エシリアが立つ前の椅子に座る男性が話し掛けた。その男性とは、ヘルフェス王国の国王であるウォルグ・エイブリーだ。


「えーっと……エシリアの親父さん!!」


「ハハハ!! 親父さんか……!! これでも俺は国王だぞ? エシリアの言っていた通り、強そうな少年だな」


「いえいえ、まだまだ未熟です。それより、エシリアの親父さんに聞きたい事があったんです」


「俺にか? 何が聞きたい?」


 卓斗がウォルグに質問をしようとした瞬間、王室にエルザヴェートが入って来る。


「集まったかのぅ。ん? 何故、タクトがここに居るんじゃ?」


「エルザヴェートさん!! 久し振り!! 皆に聞きたい事があって、アスナさんに連れて来て貰った」


「ふむ、よもや普通の少年が、こうも国王供と知り合いとはのぅ。やはり、妾が見込んだ男よの。話を聞くのはいいが、先ずは妾の話を済ませてからじゃ」


 エルザヴェートが席に着くと、クライスもその後ろに立ち、円形の机を囲む様に国王達も座り始める。

 卓斗は取り敢えず、アスナの後ろに立っていると、隣の隣に立っていたヴァリが、小さく卓斗に手を振っていた。


「ヴァリも来てたのか……って事は、前に座ってる人がマッドフッド国の国王……」


 卓斗がエティアの横顔を見つめていると、視線に気付いたのかエティアが振り向く。


「――っ!?」


 卓斗と目が合った瞬間、エティアは顔を真っ赤に染めて目を背けた。


「うわ、何今の……すっげぇ可愛い……」


 エティアの表情や仕草に見惚れていると、卓斗の隣に立っていたユニが、冷たい視線を卓斗に向けていた。


「先輩」


「何だよ、何で睨んでんだよ」


「エレナ先輩という人が居るのに、他の女の人に浮ついてる場合ですか?」


「何でそこでエレナが出てくるんだよ」


 卓斗とユニが小さな声で言い合いをしていると、卓斗の視界にエシリアが人差し指を一本立てて口に当て、「静かに」というジェスチャーをしているのが見えた。すると、


「そろそろいいかのぅ」


 エルザヴェートが扇子を仰ぎながら、口を開いた。久々の再会や初めての出会いを楽しむ時間は無いまま、六大国協定会談は始まった。


「今回、緊急で招集して、よく集まってくれたの。本来呼んでおらん者も数名居るが、まぁよい」


 そう言うとエルザヴェートは、卓斗とユニに視線を向ける。そしてすぐさま、言葉を続けた。


「今回集まって貰ったのは他でも無い、世界の危機について話して置く事があるのじゃ」


「世界の危機?」


 エルザヴェートからの言葉に、全員は真剣な眼差しをエルザヴェートに向ける。


「『大罪騎士団』という組織が、世界を終焉へと導こうとしているのじゃ」


 その言葉に驚く者と、卓斗からその話を聞いて、既に知っている者も居た。


「『大罪騎士団』とは、聞いた事の無い組織。研究のやり甲斐があるな、それは」


 『大罪騎士団』という組織に興味を持った男性は、シルヴァルト帝国の国王であるムシルハ・ディバードだ。

 薄い水色の髪色で、襟足は短いが前髪は目に掛かるか掛からない程の長さで、エアリーな髪型。

 スタイルも細く、黒色のスーツの様な服を着ていて、その上に白衣を羽織っている。


「初めて聞く者も居るじゃろう。妾が説明する。『大罪騎士団』とは、世界を終焉へと導こうとしている組織じゃ。妾が調べた所、メンバーは全員で十人。全員がここに居る者と同格、またはそれ以上の実力者じゃ」


「此奴からも少し話を聞いたが、余が相手をすれば何も問題は無い」


「舐めてかかっては足元を掬われるぞ、アスナ。他の者もそうじゃ。詳しい能力などはまだ分かっておらんが、たったの十人で世界を相手にしようとしている連中じゃ、注意はして置いて損はないかのぅ」


 『大罪騎士団』について説明するエルザヴェートに、卓斗が徐に口を開いた。


「エルザヴェートさん、『大罪騎士団』について、俺は詳しく知ってる」


 この場に居る卓斗、ヴァリ、フィトスは『大罪騎士団』のメンバー全員と邂逅している。


「ふむ、タクトからも以前、『大罪騎士団』に付いて話をした事があったのぅ。詳しく聞かせてくれるかの?」


 すると、全員は卓斗の方に視線を向ける。殆どが知り合いで、緊張する事無く、卓斗は説明し始める。


「『大罪騎士団』のメンバーの能力は、本当に厄介なものばかりです。俺が対峙した事あるのは、『傲慢』を司る、ヴァルキリアと『憤怒』を司る、セルケト、この二人の詳しい能力は分かりませんが、『虚飾』を司る、イシュタムはテラで作った腕で攻撃してきます。人をも簡単に握り潰せる程の力です。そして、『強欲』を司る、ケプリは、五感を支配する能力を持ってます。そこに居るヴァリが一度被害に遭って、酷い目に遭ってます」


「えぇ!? ヴァリが!?」


 エティアが大きな声で驚いた。ヴァリの事を良く知るエティアだからこそ、余計に驚く事だった。


「ヴァリが酷い目に遭うなんて……」


「ヴァリもあんな経験は初めてっスよ。それから、『嫉妬』を司る、ルミナ・フォードラスは、相手を嫉妬心に駆らせ、強くさせたり弱くさせたりするっス。そして、相手を強くして自らに嫉妬心を駆らせ、自身を最大限までに強くする事が出来るっス。まぁ、ルミナって名前は偽名で、本名はエリナ・カジュスティンなんスけどね」


「エリナ・カジュスティン!?」


 その言葉に、一番驚いたのはウォルグだ。滅亡した筈のカジュスティン家がエレナ以外にも生き残りが居た事に、只々驚きが隠せない。


「エレナちゃんの、お姉さんが……」


 それは、エシリアにとっても驚く事だった。エレナの姉であるエリナやエイナの事は良く知っていて、だからこそ、『大罪騎士団』のメンバーの中に、エリナの名があった事にも驚いた。


「それから、俺の仲間から聞いただけで、詳細は分かって無いですけど、『暴食』を司る、イグニール・ランヴェルは、全くの別人に姿を変える事が出来、更には不死身だという情報を聞いてます」


「不死身とな……その様な能力が、この世にあるとは思えんが?」


 そう言葉にしたのは、マハードだ。マハードの言う通り、不死身という能力は余りにも厄介過ぎる。

 ましてや、敵の組織に不死身の能力を持つ者が居るとなると、状況はかなり不利になる。


「セラという者からの情報によれば、イグニールはストックがどうのこうの言っていたそうで……」


「ストック? それが、其奴の能力の鍵となりそうじゃのぅ。して、『大罪騎士団』の情報はまだあるかの?」


「後の、『怠惰』『色欲』『憂鬱』の能力は分かってません。リーダーであるハルという者は、恐らく黒のテラだと思います」


 卓斗の説明が終えると、全員はエルザヴェートに視線を向ける。エルザヴェートは、扇子で顔を仰ぎながら、


「ふむ、『大罪騎士団』のメンバーの詳細は、更に追求する必要があるの」


「それで、『大罪騎士団』の目的である、世界を終焉へと導くという話だが、具体的にはどういう事だ?」


 腕を組んで、ジッとエルザヴェートを見つめるアスナが質問した。


「奴らは、黒のテラとフィオラの秘宝を狙っておる。黒のテラの力は、世界を終焉へと導く事など容易く出来るからのぅ。現に、妾も千三百年前は黒のテラを使って、世界を終焉の寸前まで追いやった事がある」


 過去の昔話を笑って話すエルザヴェートに、他の者は一切笑えなかった。エルザヴェートは今でこそ、こうして六大国の休戦協定を束ねているトップだが、昔は世界を終焉へと導こうとしていた。


「まぁ、フィオラにそれを止められたがのぅ。そして、奴らがフィオラの秘宝も狙っている理由は、それが関係している。フィオラが解放されてしまえば、奴らの目的は果たせなくなるからのぅ」


「フィオラとやらは、それ程に強いのか?」


「マハードよりは、遥かに強いぞ? なにせ、この妾を倒した程じゃからな。体内テラの量も、魔法の規模も、ここに居る全員を足しても足りん」


 エルザヴェートの説明に、全員は息を呑んだ。フィオラと会った事のある卓斗も、フィオラの見た目からは想像も出来なかった。


「では、『大罪騎士団』よりも早く、こちら側がフィオラさんを解放すればいいって事か」


 ムシルハの言葉に、エルザヴェートは首を横に振って、言葉を続ける。


「じゃが、その肝心な解放の条件が分からんのじゃ」


「エルザヴェートさん、解放の条件を俺は知ってる。この間、俺は自分の精神世界でフィオラに会ったんだ。その時に聞いたんだけど、黒のテラを完全に使いこなせる様になれば、黒のテラは白のテラへと変化を遂げる」


「白のテラ……」


「白のテラは黒のテラの力を抑える事が出来る。つまり、白のテラは『世界を終焉から救う力』って事になる。でも、その黒のテラを完全に使いこなせるって所が分からないんだ……どうすれば、白のテラへと行き着けるのか……エルザヴェートさん、何か知ってるか?」


「正直言うと、白のテラについては妾にも分からん。妾は『世界を終焉へと導く力』を手にしてしまったからのぅ。じゃが、一つの可能性としては、『世界を終焉へと導く力』に行こうとする自分に、抗え切れるかどうかじゃ。自分に抗え切れず、力に呑まれてしまえば、黒のテラは『世界を終焉へと導く力』に行き着く。じゃが、抗え切れば、どこかのタイミングで白のテラへと変わるじゃろ」


 卓斗とエルザヴェートの会話を聞いていたアスナが、徐に口を開いた。


「話を聞いていると、白のテラへと行き着くのに失敗すれば、卿がこの世界を終焉へと導く、という事にもなるという事だな?」


「そういう事です。黒のテラを所有している者は、『世界を終焉へと導く力』に行き着く可能性があるという事です。全員が全員、白のテラへと行き着く訳でも無いみたいですが」


「仮に、卿がその力を得て、世界を終焉へと導こうとした場合、余は容赦無く卿を切るぞ。ここに居る皆も、その覚悟はあるな?」


 アスナからの問い掛けに、素直に頷けるものでも無く、沈黙が流れた。

 ユニもその話を理解し、ソッと卓斗の服の裾を掴んだ。


「俺としては、その方が有難いです。自分の手で、仲間を傷付けたくありませんから」


「別に、タクトだけという話じゃ無いよね? 僕だって黒のテラの所有者だから、僕がそうなる可能性もある」


 フィトスの言うように、この場に居る黒のテラの所有者は卓斗だけでは無い。フィトス、エルザヴェートが黒のテラの所有者だ。


「そうっスね。ヴァリもタク兄と同じ意見っス。同情や優しさは要らないっス。そうなった時は、容赦無く殺してあげた方が優しさっスよ」


「ヴァリ……」


 ヴァリの言葉に、悲しみの表情を見せるエティア。極力、人を殺める事はしたくないエティアにとって、ヴァリの言葉は悲しかったのだ。

 そんな事を考えていたエティアに、追い打ちを掛ける様に、アスナが言葉を続けた。


「本人達の意思を尊重し、本人達のプライドの為に切るのだ。躊躇っていては、本人達が可哀想だぞ、エティア」


「分かってる……分かってるけど……アスナさんは家族や大切な人を切れって言われたら、切れる? 私なら絶対に出来ない。もし、ヴァリにそう言われても、私は切らない」


「卿はそれでも、一国のトップに立つ人間か? 自分の都合で、世界を終焉に晒し、国の者共を皆殺しにでもするつもりか? 余は、父親でも母親でも恋人でも、躊躇いなく切るぞ」


 アスナの言い分も、エティアの言い分も分からない訳では無い。国の王に立つ者なら、国民の命を預かっている様なもので、私情を挟む訳にはいかない。だが、大切な人を自らの手で殺める事も、簡単な事では無い。


「エティア、ヴァリはアスナ国王女の意見に賛成っスよ」


「ヴァリ……」


「一番は誰も『世界を終焉へと導く力』に行き着かない事なんだけどな」


 すると、卓斗の服の裾を掴んで、心配そうな表情をしていたユニが徐に口を開いた。


「あのー……私もよく理解はしてないんですけど、黒のテラの中に、『封印』ってのがありますよね? それを使って、他の黒のテラを封印するのは駄目なんですか?」


「妾の黒のテラの半分が封印された様にかの? 確かに、それも一つの手じゃな」


「名前は分からないけど、いい事を言うね!! それなら、無駄な死を生む事は無くなる!!」


 ユニの意見に、エティアは喜びの表情を見せた。すると卓斗は、


「もしその作戦をするなら、俺のだけは封印せずに残す。白のテラに行き着かないと、『大罪騎士団』が終焉へと導くのを止める事が出来ねぇからな」


「じゃが、『封印』の黒のテラを所有している者は分かっておるのか?」


「あぁ、ついさっき分かったんだ。『賢者様』と呼ばれる、ウィル・ヘスパーって人だ」


「ほう、あの者がか」


 この場での『賢者様』の知名度は高く、エルザヴェートやエティア、ムシルハにウォルグも、ウィルには会った事があった。


「それでフィトス、もしこの作戦をするとなったら、お前は黒のテラの所有者じゃ無くなるけど、いいか?」


「僕は構わないよ。例え、黒のテラの力が無くなったとしても、僕にはセシファが居るからね」


「龍精霊か……」


 セシファに視線を向けた卓斗の脳裏に、シャルという言葉が浮かんだ。

 シャルとは、セシファやティアラと同じ龍精霊で、エルザヴェートやフィトスの旧友だ。

 かつて、神王獣としてセラや三葉を瀕死までに追いやった悪辣な龍が、龍精霊シャルの龍としての姿だった。

 龍精霊シャルと契約をすれば、シャルもセシファやティアラの様に、元の人間の姿へと変わる。


「セシファが居れば、僕は問題ない。躊躇なく、僕の黒のテラを封印してくれ」


「となると、他の者にも頼まないといけねぇな。エルザヴェートさんは、既にフィオラの秘宝の中に力が封印されてるから問題無いとして、後はヒナか」


 ヒナはシドラス帝国の王妃で、現在はマッドフッド国に移住している。今は亡き母親の『消化』の黒のテラを受け継ぎ、所有者となっていた。


「エルザヴェートさん、ウィルさんには俺から頼んでおくから、この作戦は採用って事でいいよな?」


「あぁ、別に構わん。じゃが、残りの『黒煙』と『創造』の所有者は分かっておるのか?」


「それがまだ……でも、どっちかの一つは『大罪騎士団』のリーダーが所有してると俺は考えている。だから、残り一つの所有者を早く見つけねぇと」




 ――エルヴァスタ皇帝国で六大国協定会談が行われている最中、サウディグラ帝国を後にして、旅を続けているウィル。

 今夜も寝泊まりをする宿を探すべく、街へと向かっていた。



「――それで、後を付けているつもりですかな?」


 突然、ウィルがそう言葉を零した。独り言では無く、完全に誰かへと向けた言葉だった。

 すると、茂みの中から二人の人影がウィルの前に現れた。


「あちゃぁ……バレちゃったね」


「はぁ……何で……私が……鬱陶……しい……」


 一人は綺麗な水色の髪色にお団子ヘアの少女。もう一人は、真っ白なロングヘアで腰辺りまでの長さ、片方の横髪を三つ編みにしていて、アンニュイな目つきをしている女性。


「どちら様ですかな?」


「私は、『傲慢』を司る、ヴァルキリア・シンフェルド」


「私は……『憂鬱』を司る、ウルテシア・ヴァルディ……」


「その名は、『大罪騎士団』の者……」


 ヴァルキリアは、真っ白な大きな鎌を持ち、綺麗な桃色の瞳でウィルを見つめていた。

 ウルテシアは、度々溜め息を吐いては、アンニュイな目つきでウィルを見つめる。そして何故か、ウルテシアの周りには透明な結界が囲んでいた。すると、ヴァルキリアが、


「お爺さん……いや、『賢者様』は黒のテラの所有者だよね? 悪いけど、黒のテラを集めてるんだよね、私達。って事だから、死んで貰うね?」


 突然として、ウィルの前に現れた『大罪騎士団』のメンバーである、ヴァルキリアとウルテシアは、ウィルの命を狙っていた。








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