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君と見る異世界物語  作者: 北岡卓斗
第三章 『聖騎士団』
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第87話 『魔法大国サウディグラ帝国』


 ガガファスローレン国を出発し、十一人が余裕で乗れる程の大型の馬車に乗って、一行は魔法大国サウディグラ帝国へと向かっていた。

 ユニ、モニカはガガファスローレン国の異質な空気感から解放され、疲れたのか寝ていた。


「二人共、気持ち良さそうに寝てるね」


「まぁ、常に気を張ってなくちゃいけねぇ国なんかに居たからな。俺もなんか、一気に疲れてきたよ……」


 卓斗もグッタリとして、窓から景色を眺める。広大な草原にある、長い一本の道を走る馬車。

 その景色は絶景で、周囲に建物や森など一切無く、地平線が三百六十度見えていた。

 そして、流れる様な草原は、まるで海の様にも見えた。こうして、絶景を見ていると、気が安らぐ。


「余の前で、国の悪口とは聞き捨てならんな」


「いやいや、あんな皆が皆、殺気立ってたら疲れますよ……」


「余程、卿等の国は平和なのだな。まぁ、彼奴が王なら、自然とそうなるのは必然か」


 そう言うと、アスナも窓から景色を眺める。卓斗の休日の半日で、一気に沢山の人との邂逅で、既に濃過ぎる休日となっていた。

 ジャパシスタ騎士団の悠利、若菜、沙羽との再会や、ガガファスローレン国の国王女である、アスナ・グリュンデューテとサムとの出会い。

 そして、これからサウディグラ帝国で『賢者様』と呼ばれる人物とも出会う。


「そういや、アスナさんのお爺さんって、どんな人なんですか?」


「一言で言うなら、堅物ジジイだな。祖父は人との触れ合いを好まん。家族ですら、ろくに話した事が無い。孫である余にも、愛情を見せた事は一度も無い。故に、祖父は余が一国の王になった事が気に食わなかったんだろうな」


 卓斗はアスナの話を聞いて、不思議に思っていた。フューズの話を聞いている限り、フューズの頼みを聞いて友理奈の元に駆け付けてくれた優しい人だという認識だった。

 だが、アスナから聞く限り、『賢者様』とは、孤独で孤立し、心を持たない非道な人、という認識を与えられていた。


「そんな人が、人助けを……」


「して、卿等は祖父を探して、何が知りたいんだ?」


 アスナの質問に、卓斗の隣に座っていた悠利が答えた。


「俺達は日本への帰り方を調べているんです」


「それは、此奴から聞いた。だが、祖父はこの世界の人間、幾ら『賢者様』と言われようが、帰り方を知っているとは思えんが?」


 すると、今度は卓斗が徐に話だした。


「実は俺、日本への帰り方に繋がってるかも知れない事を、聞きたくて探してたんです」


 卓斗のその言葉に、悠利、三葉、若菜、沙羽は驚いた顔をしていた。


「繋がるかも知れない? それはどういう……」


「悠利、お前は俺が黒のテラを宿している事を知ってるよな?」


 悠利は静かに頷いた。そして、卓斗の口から黒のテラという言葉が出て、アスナも興味を示した。


「俺は、その黒のテラが日本への帰り方に関係してると考えてる」


「は!?」


「この間、俺の中に居るフィオラと話したんだけど、その会話でなんとなく分かった事がある。それは、黒のテラを宿す者の中で、フィオラが俺を選んだ事だ。この世界に、黒のテラを宿した人物は七人居る。その中で、わざわざ日本から飛ばされた俺を選んだって事は、それなりの理由がある筈だ。前に聞いた時は、飛ばされた事は知らないって言ってたけど、絶対に繋がってる筈だ。俺はそれを確かめたくて、『賢者様』に会いたいんだ」


「成る程、卿は黒のテラを宿し、更にはフィオラの秘宝も宿しているのか。まさか、フィオラの秘宝が卿の体の中にあるとは、思ってもいなかったな」


 アスナは卓斗に不敵な笑みを浮かべながら見つめた。その瞳に見つめられると、卓斗は少し背筋が凍る様に感じた。

 蛇に睨まれた蛙の様に、息をするのも忘れてしまう程、動く事が出来なかった。


「余は黒のテラに興味があってな。調べた所、フィオラの秘宝が関係していると分かった。そこで、フィオラの秘宝を探していたんだがな。して、フィオラと話したと言ったな? フィオラとは人なのか?」


「ちゃんとした人間でしたよ。千三百歳ですけど」


「聊か不思議な話だな。人間の寿命を遥かに超える年齢とは」


 この世界では、日本より平均寿命は下がる。無論、騎士や魔法使いとして、命を賭けて戦っていれば妥当な話だ。

 その上で、千三百歳となると、常軌を逸しているとしか思えない話だ。

 フィオラやエルザヴェート達の場合は、歳を取らない禁忌の魔法が掛かっているから、寿命などは関係の無い話だが。


「なんか、歳を取らない魔法を掛けられたみたいで、見た目は十歳の幼女でしたよ」


「成る程、一度会ってみたいな。フィオラは卿にしか会えないのか?」


「はい、今は俺しか見る事も話す事も出来ません。俺が黒のテラを白のテラに変える事が出来たら、フィオラを解放する事が出来るんですけどね」


 白のテラという言葉に、全員が首を傾げた。白のテラは、フィオラの秘宝を宿し、フィオラと会話を繰り返した者にしか知る事の出来ない言葉だった。


「白のテラ?」


「黒のテラは、『世界を終焉へと導く力』か『世界を終焉から救う力』に行き着く事が出来る。救う方の力に行き着いた場合、黒のテラは白のテラへと変化を遂げるみたいなんだ」


「つまり、フィオラが卓斗に宿ったってのも、お前が白のテラに行き着けるってフィオラが思ったからか?」


「悠利の言葉を、そのままフィオラに聞いたんだ。何で俺が白のテラに行き着くと思ってるのかって。まぁ、答えは聞けなかったんだけど。そういや、シャルに聞けって言ってたな」


 卓斗が白のテラへと行き着くと豪語するフィオラ。その理由が分かれば、日本への帰り方も分かると、卓斗は思っていた。

 フィオラは龍精霊シャルに聞けば分かると言っていたが、卓斗はどうも、その意見には乗り気じゃなかった。

 三葉とセラを瀕死の状態まで追い込み、エレナを負傷させ、助けに駆け付けた卓斗までも、殺されかけた事があった。

 そんな神王獣と呼ばれる伝説の悪辣な龍と、会って契約をするという危険を犯したくなかったのだ。


「ほう、白のテラか。初めて聞く言葉だな。今の時代や世界を創った先人がそう言うのだからな。卿は、何やら逃れる事の出来ない宿命を背負っているのだな」


「逃げるつもりは無いですよ。俺は白のテラに行き着いて、フィオラを解放します。それで、この世界も終焉から救ってみせますよ」


「卿のその、強い眼差しを余は賞賛する。気に入った、余も卿の為に力を貸そう」


 アスナは優しく微笑む。先程の笑顔よりも暖かく、卓斗も強張る事なく、笑顔を返した。


「ガガファスローレン国の国王女が力を貸してくれるのは、かなり有難い事です。フィオラの秘宝や黒のテラを狙った組織が、動き出してますから」


「狙った組織?」


「『大罪騎士団』って組織です。厄介な能力ばかりを持った集団です。そいつらを相手にするのに、アスナさんが力を貸してくれれば、百人力です」


「『大罪騎士団』……聞いた事の無い組織だな」


「俺らも、『大罪騎士団』について、色々と調べてるんだけど、なかなか素性が分からなくてな……」


 悠利も『大罪騎士団』について調べてはいるが、情報は何も掴めていない。

 恐らく、一番『大罪騎士団』と交流があるのは卓斗だろう。


「あいつらは、神出鬼没だからな。だが、黒のテラも狙ってるって分かった以上、黒のテラに関係する場所に現れる筈だ」


「成る程、余を楽しませてくれそうな組織だな」



 ――そう話しながら、ニ時間近く馬車で走っていると、遂に目的地であるサウディグラ帝国へと到着した。


「んー……!! あー、着いた」


 卓斗は馬車を降りると、全身を伸ばし、建ち並ぶ建物を眺める。まるで、ミャンマーやタイなどにある、寺院の様な建物が建ち並び、黒の魔法帽を被り、黒のローブを来た人々が街を行き交っていた。

 人の背丈程の長さの杖に跨り、空を飛び交っていたりと、魔法大国なだけに、ファンタジーな世界観だった。


「すげぇ……」


 卓斗達はその光景に、思わず目を奪われていた。王都とはまた違った、異世界感に感激していた。


「本当に魔法使いしか居ねぇじゃんかよ……」


「そっか、悠利くん達は初めてなんだ、サウディグラ帝国」


「沙羽さんは来た事あんのか?」


「私と団長は何回か来た事があるよ。それでも、不思議な国だよね」


 沙羽と若菜は、ジャパシスタ騎士団の仕事で何回か赴いた事があった。だが、その光景には何回来ても驚かされている。


「一度来てみたかったのよね、魔法大国」


「エレナちゃんも初めてなんだ」


「まぁね。私は基本、王都からあまり出た事が無かったから」


 ユニ、モニカ、ジュリアも、飛び交う魔法使いの人達を見て興奮していた。


「凄い……鳥みたいに飛んでる……」


「師匠、私もこの魔法を教えて欲しい。杖で飛んで移動出来るのは、歩くのが辛い私にとっては、革命的」


「わお!! 凄いデス!! 映画で見た事があるやつデスね!!」


 この異世界に飛ばされて良かったと思える事も沢山ある。こうして、ファンタジーな光景を目で見て肌で感じれる事や、日本には無い景色を見れる。

 時折、夢でも見ているのでは無いかと錯覚するくらいに、この世界の景色は美しい。

 その分、この世界を終焉へと導かせる訳にはいかないと、卓斗の気持ちは強まっていく。


 すると、聞き覚えのある声で、卓斗の名を呼ぶ声が聞こえた。それは、サウディグラ帝国へと向かう事が決まった時から、会えると思っていた人物だ。――否、


「おや? 誰かと思えば、こんな所で何をしているんだい? タクト」


「フィトス!!」


 銀色の髪を片方に束ねて下ろし、黒のローブを着て魔法帽を被った、中性的な顔立ちの男性、フィトス・クレヴァスだ。

 杖に腰掛ける様にして座り、ふわふわと宙に浮きながら、悪戯な笑顔を見せていた。

 その隣には、青い髪色でフィトスと似た様な髪型にして、魔法帽を被り、黒のローブを着たセシファが立っており、無表情なジト目で卓斗達を見つめて、静かに会釈をする。


「だ、だだ誰ですか、この綺麗な人は!?」


 ユニはフィトスを見て興奮していた。美しい人が好きなユニの好みに、フィトスの顔立ちは値する様だ。


「ユニ、一応言っとくけど、こいつ男だから」


「男!?」


「可愛らしいお嬢さん達を連れて、何しに来たんだい? よく見れば、四都祭で戦った人達も居る様だけど」


 そう言うと、フィトスは悠利に視線を向ける。悠利は、フィトスに対して、強張った表情を見せていた。

 それもその筈、悠利は四都祭の予選でフィトスと戦い、完全敗北している。

 『重力』の黒のテラを扱うフィトスの能力を前に、悠利はなす術が無かったのだ。


「あまり、あんたには会いたく無かったんだけどな」


「連れない事を言うね、ユウリ。四都祭はもう終わったんだ。今は敵同士じゃ無い。仲良く行こうよ」


「セシファも久し振りだな」


 卓斗がセシファに話し掛けると、セシファは全く表情を変える事なく、口を開く。


「はい、お久し振りです」


「そうだ、セシファ。俺、フィオラに会ったんだ」


「そうですか。フィオラは元気にしていましたか?」


「あぁ、極力早く解放して、セシファにも会わせてやるから」


 セシファの無表情でも、感情が読み取れるフィトスは、優しく微笑んでいた。

 セシファはフィオラが元気そうだと聞けて、感情を表にこそ出さないが、嬉しかった様だ。


「それで、タクト。僕の質問に答えてくれるかい? わざわざこの国に、来た理由を」


「あぁ、『賢者様』って人が、この国に居るみたいなんだけど、分かるか?」


「『賢者様』? 悪いけど、聞いた事無いね」


 フィトスの返事に肩を落とす卓斗。だが、確かにサムの感知では、サウディグラ帝国に反応していた。


「サムさん、感知した人を間違えた可能性は?」


「ちょっと、失礼よboy。これでもmeは、あの戦女神と呼ばれるアスの側近なのよ? そんなヘマしないわよ」


「戦女神?」


「余の肩書きの事だ。これでも余は、一対一の闘いでは負けた事が無い。この世界の『最強』の肩書きを持つ、聖騎士団のグレコにも勝てると自負している」


 卓斗はアスナの言葉に只々驚いた。華奢な見た目で、負けた事が無い事も驚きだが、何より驚いたのは、グレコに対して勝てると言っている事だ。

 アスナのその真紅の瞳からは、嘘や強がりが全く見えなかった。確かな根拠と絶対の自信が見え、卓斗もふと、『最強』の肩書きを持つグレコに、勝てるのでは無いかと思ってしまった。

 そもそも、グレコがどれ程の実力で『最強』の肩書きを持っているかは知らないが。



「――へぇ、君があの『戦女神』なんだね。お会いできて光栄だよ」


 フィトスがアスナに興味を持ったのか、悪戯な笑顔を浮かべて話し掛けた。


「余にタメ口とは……卿には、礼儀というのが無いのか? これでも余は、一国の王だぞ」


「僕は自分の認めた人物にしか敬意を払わない。僕に礼儀正しくしろと言うのなら、僕を負かしてからにしてくれるかな?」


 フィトスの強気な態度に、アスナは強く睨んだ。フィトスは、それを笑顔で見つめ返している。


「大口を叩く小僧が、余に喧嘩を売るのか?」


「君に小僧と言われたく無いな。君もあまり、年齢は変わらないだろう?」


 殺気を放ち合う二人。その異様な殺気に、ユニ達は怖がってしまう。三人はまだ、殺し合いという闘いを経験した事が無い。

 故に、本気の殺気に耐えられないのだ。卓斗達も、この世界に飛ばされたばかりの頃は、ユニ達と同じだった。

 だが、半年もこの世界で過ごし、幾度の闘いを経験すれば慣れたものだ。


「ちょっと、アスナさん。ユニ達が怖がってるから、落ち着いて下さい。フィトスも、他国の王に喧嘩なんか売ってんじゃねぇよ」


「せ、せせ先輩は何でそんなに余裕なんですか……!?」


「まぁ、経験と慣れだな」


 卓斗の背中に隠れる様にしがみつくユニが、肩を震わせていた。モニカも三葉と手を繋ぎ、恐怖心を緩和させていて、ジュリアは大人しくなっていた。


「タクトがそう言うなら、今は辞めておこうか。でも、いつでも君の喧嘩は買うつもりでいるからね」



 ――その瞬間、卓斗達の居る場に先程の殺気とは比にならない程の大きな殺気が放たれていた。

 そして、卓斗の視界には背中に携える太刀を抜いて、フィトスに向けて突き刺そうとするアスナの姿が映った。

 その動きには一切の無駄が無く、スピードも申し分無く速い。恐らくこれを防げるのはグレコだけであろうタイミングと速さだった。



「――アスナさん!!」


 卓斗が叫んだ瞬間、突然として見ていた光景に異変を感じる。それは、太刀を突き刺そうとしていた筈のアスナが、普通に立っていたのだ。

 背中には、太刀が鞘に収められていて、卓斗達が見た光景は最初から無かったかの様になっていた。


「――は……?」


 この場に居るアスナとフィトス、セシファ以外は全員が、理解出来ないでいた。

 唯一、理解出来ていたのは悠利だけだ。悠利は黙ったまま、セシファの方に視線を向けていた。


「何が起きた……?」


「聊か不思議だな。つい先程まで卿を殺すつもりでいたのだがな。すっぱりと無くなった。余に何をした?」


「さぁね。それは自分で答えを見つけ出してくれるかな」


 この理解不能な事象の根源は龍精霊セシファだ。能力の詳細は未だ分かってはいないが、この能力を受けた事のある悠利だけが理解出来ている。


「やっぱり、フィトスよりも恐ろしいのはセシファちゃんか……」


 悠利がそう言葉を零すと、卓斗は首を傾げながらセシファに視線を向ける。

 相変わらずセシファは無表情を貫いていた。


「それで話を戻すけど、タクト達が探している『賢者様』とは僕には分からない。役に立てなくて悪いね」


「あー、いや、大丈夫。俺らで何とか探してみるから」


 すると、無表情を貫いていたセシファが、徐に口を開いた。



「――その『賢者様』とは、老師の客人の事ではありませんか? その名に相応しい風貌のご老人がお見えになっていたので」


「老師?」


「この国の国王です。フィトス様がそう呼ばれているので、私もそう呼ばさせて頂いてます」


 セシファからの情報は、この国の王が『賢者様』らしき人物と会っているとの事だった。


「そういえば、老師の所にご老人が来ていたね。名前は確か……セシファ、覚えているかい?」


「はい、覚えています。名前は、――ウィル・ヘスパー様です」



「――っ!?」


 セシファの口から出た名前を聞いて、目を丸くして驚いたのは、卓斗とエレナと悠利と三葉だった。


「確かに、その名は余の祖父の名だ」


「じゃあ……ウィルさんが『賢者様』!?」


 かつて、エレナがお世話になっていた騎士団のメンバーで、その間エレナの執事を務めていたウィル・ヘスパーが、『賢者様』だと発覚した。




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