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君と見る異世界物語  作者: 北岡卓斗
第ニ章 『副都』
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第64話 『聖騎士団の参戦』


「は……? 聖騎士団……?」


 未だに青白い発光が王都を照らし、雷鳴が轟く王都の中、卓斗の目の前には、二人の聖騎士団が現れていた。


「よく頑張ったね、とは言ったけど、まさか副都の子達がシルヴァさんの計画を知ってるとは思わなかったよ」


「ホント、ホント!! どうして知ってたの?」


「どうしてって……逆に、何で聖騎士団が?」


 ディオスはオルヴァから視線を外す事なく、常に意識を向けている。ミラが卓斗の目を見て、


「君、あまり聖騎士団を舐めちゃいけないんだからね? 全部お見通しって事だよ。シルヴァさんの計画、王都へのクーデターをオルダン騎士団と暗躍してるって事は、把握済みだから」


「オルダン騎士団の事もか!? じゃあ、向こうにも誰か向かってくれてんのか!?」


「そりゃあね。あんだけの爆発と雷鳴だからね。計画を知らなかったとしても、気付くよね」


 ミラのその言葉に、卓斗は安堵した。物事をあまり大きくしない為に、聖騎士団の協力は避けていたが、不安要素があった分、聖騎士団の乱入は一安心だ。


「そうか……良かった……」


「安心するのはまだ早いよ。俺達以外にも聖騎士団の者が向かったとは言え、間に合ったかどうかまでは分からない」


 ディオスの言葉に、卓斗は言葉を失った。聖騎士団が来てくれたからといって、一安心するのはまだ早かった。

 あれだけの大爆発に雷鳴、普通に考えれば無事では済まされない。



「――俺様を置いて、のうのうと話すとは虫酸が走るな」


 オルヴァが苛立ちを募らせて、ディオスとミラに睨みを利かせる。


「そうだね、君ともちゃんと話をしなくちゃならない」


 負け時とディオスもオルヴァを睨み返す。その後ろでは、ミラも同様に睨み返していた。


「見た所、そいつが聖騎士団に応援を頼んでいた様には見えんが、貴様ら聖騎士団が何故ここに居る?」


「君達には誤算が三つある。まず一つ目は、聖騎士団を甘く見過ぎている事。総隊長が不在の時を狙ったのは想定済みって事だよ。俺達は、総隊長に頼らなくてもいい様に訓練されている。あの人を極力戦わさせない為にね。それから二つ目、オルダン騎士団と暗躍した事。国といざこざがあって抜けた上に、騎士団の名を掲げている組織を聖騎士団が黙って見過ごす訳がないだろう? そういった組織の動向は常に把握出来る様にしてある。悪い組織じゃ無くてもね。そして最後に三つ目……」


 指を三本立て、ディオスは間を空けて、



「――彼達……副都の子達の実力を見誤っている事」


 その言葉に、オルヴァの苛立ちは更に募る。卓斗もディオスの背中をジッと見つめている。


「副都の子達を直ぐに排除出来ない君達が、聖騎士団に勝てるとは思えない。それに、彼達の実力は十分にある。そこを分かっていなかったのが、君達の誤算だよ」


「この俺様と父上が誤算していただと? フン、笑わせる。貴様らこそ、俺様達を見誤っている」


「はいはい、強がりはいいから。負け犬の遠吠えにしか聞こえないよ? オルダン騎士団の方にも聖騎士団が向かったから、後は貴方とシルヴァさんだけになっちゃうね。それでも、見誤っているってほざくの? 笑っちゃうね。君も笑ってあげな?」


 ミラは肩を竦めて、オルヴァを遇らう様に話す。そして、卓斗を覗き込む様にして見つめる。

 至近距離にミラの顔があり、卓斗は思わず顔を赤らめてしまう。


「えっと……」


「まぁでも、間に合ってたらいいんだけどね」




 ――青白い爆炎が徐々に消え去り、ズシリと重い雷鳴も消え、立ち込めた煙が薄れていくと、二人の人影が見えてくる。


「ハァ……ハァ……ぐっ……」


 一人はセラだ。騎士服は酷く破れ、お腹や肩が露出している。スカートも破れ、太ももが露わになっていた。

 結んでいた髪も解け、虚ろな目をしている。立っているのもやっとの状況だった。


 そしてもう一人、セラの最上ランクの魔法を受けた人物、イグニールだ。だが、


「貴方……は、――誰?」


 セラは虚ろな目で見つめる相手にそう言葉を零した。しかしそれは、可笑しな話だ。

 セラはイグニールと戦闘を行なっていた。その筈なのに、セラは目の前の人物に、「誰?」と聞いている。

 セラの言葉は、辻褄が合っていない。だが、セラがその言葉を零すのも仕方がなかった。

 目の前に居る人物、それはイグニールでは無く、全くの別人だった。


 イグニールの見た目とは対照的に、黒髪で長くも短くもない長さの爽やかな青年だった。


「驚いているか?」


 声までもイグニールとは全然違う。完全なる別人だった。それに、セラには理解出来ない事がもう一つあった。それは、あれだけの魔法を受けた筈なのに、無傷だという事だ。


「どういう……事……?」


「驚くのも無理ないか。見た目も声も、身長も体重も、話し方もまるで別人だからね。でも、これだけは言っておくよ。――僕は、イグニールだ」


 セラの脳内は疑問符でいっぱいだった。この者の言ってる事が、どんどん理解出来なくなる。

 変化やコピーなどと呼べる様なものではなかった。その者から感じる殺気やテラは、イグニールとは完全に違う。


 だが、悩んでも悩んでも答えは出ない。ましてや、立ってるだけでもギリギリのセラにとって、考えるという動作もしている暇はない。

 ただ目の前の謎に圧倒されるだけだ。そして、イグニールと名乗った謎の青年は不敵な笑みを浮かべて、


「君は既に体内テラの限界を迎え様としている。もう、防御魔法すら出す事も出来ない。あれ程の魔法を使って、立っていられる事だけでも褒めるとしよう」


 謎の青年は、地面に落ちていたイグニールの剣を拾うと、剣先をセラに向ける。

 今のセラは完全に無防備な状態。体内テラと自然テラを合わせて作る、神器シューラ・ヴァラは今のセラには作る事も出来ない。

 もう体を動かすのも限界なのだ。避ける事も、防ぐ事も何も出来ない。


「僕は最初に言った筈だよ。今の僕は、君が想像を絶する力を手にしたってね。さぁ、終わりにしようか」


 そう言うと、謎の青年は走り出す。セラは何も出来ないまま、こちらに向かって来る青年を見つめている。


「貴方が言ってた、ストックが仕掛け……でも、私には分からない……確かに、想像を……絶する……」


 謎の青年はセラに向けて剣を振りかざした――。




 ――セラの最上ランクの魔法の爆発が消えた頃、他の戦場では、


「爆風が収まった……続き、始める?」


 ようやく爆風に堪えるのから解放された繭歌が、シナハに声を掛けた。


「お前の仲間、いい魔法を使う。お前も使う?」


「僕? 僕にあれだけの魔法が使えるかは期待しないでくれるかな。とてもじゃないけど出来ないからさ。それより、早く君とも決着を付けたいんだけど、どうかな?」


「決着付けたい? じゃあ、好きな時に始めて」


 シナハはジト目で繭歌を見つめる。先程まで鳴り響いていた雷鳴は静まり、静寂が流れる。


「じゃあ、始めようか」


 繭歌は走り出し、シナハに斬りかかる。シナハに刃が触れる瞬間、桃色の氷がバリアの様に防ぐ。


「素振りを見せないで氷を出せるんだ。器用だね」


「早く本気出して」


「言われなくても!!」


 シナハを纏う桃色の氷を覆い尽くす様に、繭歌の剣から氷が噴き出す様に現れ、シナハを氷漬けにしようとし始める。だが、


「――っ!!」


 突如、繭歌の氷が一瞬で溶けて足元に大きな水溜りが出来る。そして、繭歌は一瞬で悟りシナハとの距離を取る。


「どうして離れるの?」


「僕の氷を溶かしたって事はさ、再び凍らせれる事も出来るのかなって思ってさ」


「勘がいい、お前。でも、まだ甘い」


 すると、繭歌の足元が突然として氷漬けになる。その氷を見て繭歌はある事に気付いた。


「この氷……僕の氷?」


 その氷は桃色では無く、透明な氷。それは正しく繭歌の氷だった。そして、足元には桃色の水溜りも出来ていた。


「まさか……!! これは最初の攻撃の時の氷……さっきの爆風で溶けたのを凍らした……? て事は、この場所に僕が行くのを想定していた……?」


 繭歌はその瞬間、背筋を凍らした。もし、シナハがその場所へと行くのを想定していたとすれば、もしくは誘導していたとすれば、そう考えると一気に寒気がした。


「そういう事。お前の攻撃の角度、離れる時の歩数、一歩の距離、全てを計算すればその場所に誘導出来る。驚いた?」


 もはやそれは、驚く事以外に何も無い。繭歌の動作全てがシナハの計算の内の一つだったのだ。


「やっぱり、セラの言った通りだったね……僕の想像を遥かに超える、怜悧で聡慧な人だったよ、君は」


「お前は、大した事無かった。じゃあね……」


 シナハが手を翳すと、足元にあった水溜りがふわふわと浮き始め、徐々に何本もの氷柱へと凍っていく。


「どうやら、僕は君と相性が悪かったみたいだね。調子に乗っていたよ……」


 そしてシナハは、その氷柱を繭歌に向けて放った――。




 ――同刻、三葉はゲオと睨み合っていた。レディカは爆風により、集中が途切れ再び目を瞑って集中し始める。


「爆風が収まったか……にしても、さっきの魔法には驚いたな」


「これ程の威力……セラちゃん……」


 すると突然、三葉の腹部で防御魔法がゲオの矢を弾く。それに驚いた三葉は、意識をゲオに集中する。

 三葉の頭にはセラの事しか無かった。やはり信じているとは言えど、あれ程の魔法を目にすれば、心配するのは当たり前だ。


「仲間の心配事で上の空だったが、防御魔法は怠らなかったか。やはり、お前は優秀な奴だな」


「やっぱり、貴方に優秀って褒めて貰っても、全然嬉しく無いです。私は皆の役に立って、卓斗くんに頑張ったなって褒めて貰いたい……いつもいつも卓斗くんに任せてばっかだから、私も、役に立ちたい!! だから、貴方を倒します!!」


「恋というやつか。ならお前が死ねば、そのタクトとやらは悲しむ事になるな」


「私は、皆で日本に帰りたいんです。だから絶対に死んだり出来ません!!」


「なら、これならどうだ?」


 ゲオはそう言うと、不可視の矢を何本も何本も三葉に向けて放つ。三葉は防御魔法を張り、それを防ぐがゲオはそれでも矢を放ち続ける。


「その防御魔法がいつまで続くかな?」


「負け……ない……!!」


 まるで雨の様に矢を放ち、三葉の防御魔法にはだんだんとヒビが入っていく。

 三葉は、両手でバリアを押し出す様に手を伸ばすと、バリアがゲオの元へと迫っていき、ゲオを弾き飛ばす。


「ぐっ……!! 成る程、防御だけでなく武器にもなると言うのか。だが、一つ忘れていないか?」


 ゲオの言葉に、三葉は悟ったが焦る事でも無い。なぜなら、


「レディカちゃんの事ですか?」


「何かを企んでいる様だが、俺がそれを見逃すと思うか?」


 目を瞑りテラを集中させて、レディカは自身の最大の魔法の準備をしている。

 そんなレディカの元に、ゲオの不可視の矢が迫っていた。だが三葉は何の焦る素振りも見せない。

 理由は簡単だ。不可視の矢がレディカに当たる直前、バリアが矢を弾いた。


「そうか、やはり防御魔法は怠らない。だが、守ってばかりでは勝てないぞ」


「それでも私は守り通します」


「なら次はどうだ?」


 ゲオは再びテラで矢を作る。徐々に透明になり、不可視の矢へと変わっていく。だが、先程までと違うのは不可視の矢に、目視出来る程の風が矢に纏っていた。


「俺の矢に風のテラを加えた。威力はこれまでの何倍にもなっている。お前の防御魔法など簡単に貫通出来る。人の体もな。さて、これでどう守ると言うんだ?」


 そしてゲオは矢を放つ。確かに矢は不可視だが、纏っている風でどこに軌道を描いているのかは分かる。


「くっ……!!」


 三葉は手を叩き合わせると、五枚のバリアを重ねて張る。五重のバリアで防ごうと考えたのだ。

 矢は一枚目のバリアに触れると、まるで紙に針を刺した様に、いとも簡単に貫通していく。

 それは、二枚目、三枚目と次々に貫通していく。そして、五枚目のバリアを貫通して、三葉の右腕に矢が突き刺さる。


「ぐっ……」


「ほう、人の体は貫通しない程度には威力を抑えたか。なら、二本目はどうする?」


 ゲオは再び、風を纏わせた不可視の矢を放つ。三葉は、矢の刺さっていない左腕だけを翳して、一枚のバリアを張る。

 両手でなく片手だけとなると、一枚のバリアを張るのが限界だった。そして、矢は一枚のバリアを貫通し、三葉の頭に迫る――。




 ――同刻、悠利とシェイドは爆風が収まり睨み合っていた。だが、悠利の手には剣が無かった。

 突然の爆風に思わず手から離してしまい、悠利の剣は爆風によって遠くに飛ばされている。


「何だよ、さっきの爆風……イグニールの仕業か? 剣もどっかに行ったし、ピンチだよな……これ」


「イグニールにしろ、セラにしろ、あれ程の魔法を受けて生きている訳が無いか。なら、こちらも決着を付けるとしようか」


 剣も何も無い、無防備な悠利の元にシェイドは走り出す。シェイドの剣は特殊で、避けても爆発してダメージを受けてしまう。

 故に、今の悠利では接近戦は不利過ぎる。シェイドを近づけさせない様に、手を翳して雷を放つが、シェイドは簡単に避けながらこちらへと突っ込んでくる。


「あんな魔法見たばっかだから、俺の魔法が弱く見える……まぁ、弱いんだけどさ」


「ならば、下手に抗うのはやめた方がいい。苦しんで死ぬ事になる」


「悪りぃけど、死にたくはねぇかな」


 シェイドの振りかざした剣を避ける悠利。だが、予想通りに剣は白く光り出し爆発を起こす。

 悠利は吹き飛び、地面を転がる。何度もダメージを受けていると、だんだんと体が重くなってくる。


「ぐっ……ハァ……ハァ……普通なら一発で死んでるよな……これ……これも、この世界に来て体に変化があったって事か……にしても、きついな……このままじゃ」


 その時、突然として悠利の耳に女性の声が聞こえた。



 ――そこまでです。



 悠利の目の前には、一人の女性が駆けつけていた。毛先にいくにつれて緑色になっている金色の髪を靡かせた女性。


「あんたは……?」


「申し遅れました、私は聖騎士団第二部隊副隊長のイルビナ・イリアーナと申します。私達が駆けつけたからには安心して下さい!!」


「いや……駆けつけてくれるのは有難いんだけど、もうちょっとだけ早く来て欲しかったかな……俺、ダメージ受けちゃってるし……そこは、格好良くさっきの攻撃を防いでからの登場の方が良かったんだけど?」


「はひぃ!? す、すみません!! 間に合いませんでした!!」


 イリアナは頭を抱えて、半泣きで悠利に対して土下座をする。おでこを何回も地面に叩き、謝り続ける。


「本当にすみません!! どうかお許しを!!」


「ちょいちょい!! そんなに頭ぶつけなくていいから!! おでこから血が出ちゃってるから!!」


 悠利が必死にイルビナの土下座を止めると、目に涙を溜めて上目遣いで、


「すみません……」


 イルビナは涙を拭って立ち上がり、シェイドの方へと視線を移す。突然駆けつけて、土下座を見せたイルビナに、シェイドも悠利も呆気に取られていた。


「貴方がオルダン騎士団の人ですね? 悪人は私が成敗します!!」




 ――ゲオの風を纏った不可視の矢が三葉のバリアを貫通し、三葉の頭に迫る。その瞬間――、


「どうやら、間に合った様だな」


 突然駆けつけた男性がゲオの矢を弾いていた。その男性は、背丈は177センチ程、赤い髪色でソフトモヒカンの髪型。

 体型は細身で少し濃いめのハンサムな顔立ち。ねずみ色の瞳をしていて、聖騎士団の騎士服を着ている。マントの裏地は赤色で、表地には聖騎士団の文字が刺繍されている。


「君は、治癒魔法が使えるな? 今すぐ矢を抜いて治療するんだ。こいつの相手は俺が承る」


「あの、貴方は……?」


「俺は、聖騎士団第一部隊副隊長のローグ・ディエスタだ。他の所にも我ら聖騎士団が駆けつけているから、安心するんだ」




 ――繭歌に降り注ぐ無数の氷柱。だが、その氷柱を土の壁が防いでいた。

 そして、繭歌とシナハの間には一人の男性が立っていた。シナハはその男性を無表情で見つめ、


「お前、誰?」


「ふぅ、間に合って良かったぜ。嬢ちゃん、無事か!! この俺、聖騎士団第二部隊隊長のジョン・マルクスが来たからには、もう安心だ!!」


「聖騎士団……?」


 繭歌は突然の聖騎士団の乱入に驚いた表情を見せる。そしてジョンはシナハに剣先を向けると、


「お前がオルダン騎士団のシナハ・サクラスか。お前程の実力者なら聖騎士団でも隊長を務められるレベルなのに、勿体無い事をしたな」


「聖騎士団は皆殺し。覚悟はいい?」




 ――イグニールと名乗る謎の青年は、先程の最上クラスの魔法を放った反動で動けないセラに斬りかかる。

 だが、その謎の青年はその場に駆けつけた一人の女性に蹴り飛ばされる。


「何者だ?」


「酷い怪我ですね、セラさん。取り敢えず、治癒魔法を掛けて置きますね」


「アカサキ……さん」


 セラの元に駆けつけたのは、聖騎士団第一部隊隊長のアカサキだった。そして、治癒魔法を掛けられたセラの傷は徐々に治癒していく。


「テラ回復もして置きましたので、そのままジッとしてて下さいね?」


「アカサキさん……私は……」


「大丈夫です。よく頑張りましたね。ここからは、聖騎士団に任せて下さい」


 アカサキはセラに優しく微笑み、そう言葉にした。セラにとっての憧れの存在。

 そのアカサキが助けに来てくれた事が、目の前に居て微笑んでくれる事が、何より嬉しかった。

 包容力のある笑顔を見せた後、アカサキは真剣な眼差しを青年に向けると、



「――これより任務を遂行します」







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