第122話 『恐獣』
「――私はアマル。ここから先には行かせられないから、覚悟してね?」
そう言葉にしたのは獣人種族のアマルだ。橙色の長い髪を二本に束ねたお下げ髪の少女。赤色の瞳でキリッとした顔立ちに、胸だけの部分を覆ったミリタリー柄の服を着ていて、灰色のマントコートを羽織り、黒色のホットパンツを履いている。スタイルが抜群で、スラッと伸びる長く細い脚に、美しいくびれをしている。
そんなアマルの見つめる先に居るのは、聖騎士団第四部隊隊員であり、王族カジュスティン家の第三王妃である、エレナ・カジュスティンだ。真っ赤な髪色で普段はツインテールだが、この日はお団子ヘア。両サイドに残っている髪は緩くウェーブしている。紫色の瞳で顔立ちは全てが百点と言っていい程に美少女だ。スタイルも良く、聖騎士団の騎士服のスカートから伸びる脚は白くて細く、華奢な体つきをしていて、白色のマントコートを羽織っている。
そしてこの場にはもう一人居る。エレナと同じく聖騎士団第四部隊隊員の守屋七星だ。黒髪で前髪を左に流し、束間のあるウルフカットでミディアムヘア。瞳の色は黒く、顔立ちも男前だ。聖騎士団の騎士服を着ていてマントコートを羽織っている。
「あんた達、ユニを連れ去って何が目的なの?」
「目的も何も、ユニ王妃はヴァルディアに居なきゃいけない存在なの。こっちからしてみれば、ユニ王妃を奪ったんじゃなくて、取り返したって事なんだけどね」
「ユニ王妃? ユニは生まれも育ちも王都の筈だけど」
エレナは王妃という言葉に引っかかった。ユニがヴァルディアの王妃だという事は、獣人種族の他に知る者は居ない。当然、エレナもそんな事は知る筈もなかった。
「君達はユニ王妃の事を何にも知らないんだね。それでよく助けるだなんて言えたよ。大した関係でも無いのに、偽善者ぶって助けるだなんて虫酸が走るね」
「あんたにどう言われようともユニは私達の仲間だから。仲間を助けるのは当たり前でしょ? ヴァルディアの王妃だか知らないけど、ユニは私の可愛い後輩なの。私を尊敬して慕ってくる大事な後輩なの。だから王都に連れて帰る」
すると、エレナとアマルの会話を聞いていた七星が徐に口を開いた。
「――俺はあんたの言い分が正しいと思う」
そう言って七星はアマルを見つめる。その言葉にエレナは苛立ちを募らせ、横目で七星を睨んだ。
「俺も昔から偽善者が大嫌いでな。都合のいい時だけいい奴を振る舞い、都合が悪い時は関わろうともしない。そんな奴らを見てると反吐が出そうになる」
エレナの苛立ちは更に高まり沸点を超え、七星に向かって激昂する。
「ちょっとあんた――」
「話は最後まで聞け。これだから、気の強い女は嫌いなんだよ」
エレナの激昂を遮るかの様に七星がそう言葉にした。エレナは言葉が詰まり、不思議そうに七星を見つめる。
「あいつの言い分が正しいと思うのもそうだが、お前の言い分も分からなくも無い。偽善者にならない様にしてしまえば、自ずとそれは不義者になってしまう。相手に悪い事をしていなくても、関わらなかったり、見て見ぬ振りをしたり、それは不義者でしか無い。俺は、偽善者ぶって周囲に媚を売る奴より、何もしないで物事に関わらない不義者の方が嫌いだ。なら俺は、そんな不義者になるより偽善者になる方を選ぶ」
「どの口が言ってんのよ。あんたの私達への行動と、今言ってる事が正反対だけど?」
「お前らに偽善ぶる必要は無いだろ。あの卓斗って奴が突っかかってくる限り、俺はお前らに干渉はしない」
「言ってる事が滅茶苦茶ね。でもまぁ、少なくともあんたにもそういう心があるって分かっただけでもいいわね。完全な孤独人間だと思ってたけど」
エレナがその印象を持ってしまうのも当然ではあった。七星が聖騎士団に来てからは、誰とも関わろうとしない態度で敵を作っていた。だが、こうして話をしていると七星の本来の姿が微かにだが見えてくる。心の底から悪い人では無い事が分かって、エレナも安心していた。
「俺の事を何も知らないお前らが、勝手にギャーギャー騒いでただけだろ。俺にも信頼してくれて、信頼している奴らも居る。だから別に、お前らと仲良くしたいとかは思わない。特に、あの卓斗って奴とはな」
「さっきも言ったけど、私達と仲良くなる必要は無いのよ。ただ、聖騎士団っていう組織の中では、ちゃんとしてって事」
「――さっきから夫婦の痴話喧嘩が多いけどさ、私を放って置くぐらいラブラブされても困るんだよね」
エレナと七星の会話に痺れを切らしたアマルが、リア充爆発しろと言わんばかりに蔑んだ目で二人を見つめていた。そもそも、二人はリア充では無いのだが。
「だから……誰がこいつと夫婦なのよ……!! 笑えないって言ってんの」
「笑えないのはこっちだけど。まぁ、時間稼ぎにはなってるからいいんだけどね」
「そうね、ここであんたと話してる暇も無いし、お望み通りに戦ってあげるわ!!」
エレナはそう言葉にすると、地面を勢い良く蹴って走り出す。アマルは手に赤色のテラで作った大きな大剣を持ち、走って近寄って来るエレナに向かって不敵な笑みを浮かべた。
「大剣……」
エレナも剣を抜き、走った勢いのまま一気にアマルに向かって剣を突き刺す。
「甘いね」
アマルは大剣を器用に回してエレナの剣を弾くと、その回した勢いのまま地面に刺し、大剣を軸にしてエレナを廻し蹴りで蹴り飛ばす。
「ぐっ……!! 大きいわりに素早いのね」
エレナは直ぐに体勢を整え手をかざす。すると、アマルの足元から炎の柱が噴き出す。
「――っ!! 火のテラなんだ。熱いのは苦手なんだよ……ね!!」
アマルは炎の柱を避けてエレナの元へと走り出す。そして大剣を軽々と何度もエレナに向かって振るう。
エレナも避けたり弾いたりするが、想像以上の攻撃速度に押されていた。右から左、時には縦や突きで大剣を振り回し、エレナを追い詰める。それでも、流石は王族カジュスティン家の王妃なだけあって、エレナの剣技も見事なものだ。アマルの振り回す大剣を全て剣で防いでいく。
「しつこい……のよ!!」
剣に炎を纏わせてその場で横に回転し、アマルはそれを大剣で防ぐがそのまま弾き飛ばされる。
「華奢なのにやるね」
「あんたも、その細腕でよく大剣なんか振り回せるわね」
「一本で驚いて貰っちゃ困るよ」
そう言うと大剣を片手で持ち、もう片方の手にもう一本目の赤色のテラの大剣を作り、手に持つ。
「大双剣……これでも、さっきみたいに全部防げるかな?」
アマルは一気に走り出し、二本の大剣を軽々と振り回す。エレナも負け時と剣で対抗する。だが、
「ほらほらほら!! このままだと、その美しい肌に傷が付いちゃうかもよ?」
「……っ!! うるさいわね……!!」
アマルは左手に持つ大剣でエレナの剣を上に弾くと、すぐさま右手に持つ大剣をエレナの横腹に目掛けて振りかぶる。エレナも咄嗟に弾かれた剣を下に振り戻しアマルの大剣を防ぐが、力に負けて弾き飛ばされる。
地面を勢い良く転がり体勢を整えるが、アマルはすぐさまエレナを追い掛けていて、二本の大剣で横に振りかぶる。
「くっ……!!」
エレナは頭を下げ、アマルの大剣は空を切る。だが、アマルもすぐさま二本の大剣を上から下に叩きつける様に振りかざす。エレナも剣で防ぐが、白刃取りの様な体勢でエレナとアマルの力の押し合いとなっていた。
「なかなかに粘るね」
「あんたなんかに、負けてられない……のよ!!」
「ていうか、そこの男は見てるだけなの?」
アマルはそう言うと、チラッと七星の方を見やる。エレナと押し合っている時に、この余裕な態度を見せられ、エレナには怒りが募っていく。
「別に、俺が手を出しても構わないが、そこの女がうるさいからな」
「フン……!! 分かってる、じゃない……!!」
「意味のない事を……君達さ、二人で居る意味分かってるの? 折角さ、風に飛ばされても一人にならなかったんだからさ、共闘した方が有利だよね? わざわざ、一人で戦って負けてたら、それこそ意味がないよね」
アマルの言葉は正論でしかなかった。わざわざ一人で戦わずとも、二人で戦った方が勝率も上がる。それでも、エレナがそれを許さなかった。
もし、二人のうちのもう一人が、七星でなく別の誰かなら、エレナは共闘を望んでしていたであろう。だが、やはりエレナはまだ、七星を信頼しきってはいない。むしろ、警戒しているくらいだ。
それに、仮に七星に助けられるような事でもあれば、それはエレナのプライドがズタズタになるだけだ。それが、七星との共闘が許せない理由の一つだ。
「分からない……? 有利とかの、問題じゃなくて……!! あんたは、私一人で十分……って、事よ!!」
エレナは受け止めていた剣で大剣を横に払うと、すぐさま立ち上がって、アマルの顔目掛けて剣を突き刺す。剣先が刺さったかと思われたが、刃はアマルの頬を撫でるようにズレていき、掠めながら空を切った。
「なっ……!?」
そして、その頬には、一切の傷が付いていなかった。刺さらないのはもちろん、擦り傷さえ付いていなかったのだ。
「ニヒヒヒヒ、驚いた? 獣人化って疲れるから面倒なんだよね。だから、君の実力を認めた上で、最初から全力でいかせて貰ったよ。――獣人化第二段階。私の皮膚は鉄よりも硬い。君のその剣じゃ、傷を付ける事は不可能だよ?」
「そう、それが獣人化なのね。けど、もっと魔獣っぽい見た目になると思ってたけど?」
「話、聞いてた? 獣人化第二段階、その名の通り、獣人化の二段階目だよ。二段階目は人の形をした魔獣って事。ほら、これを見れば実感するでしょ」
すると、アマルの腰から太くて長い尻尾が、まるで独立して生きているかのように、ゆらゆらと動いていた。
「尻尾……?」
「これが、獣人化。力も、テラ量も、速さも、防御力も、倍増してるから、気を付けてね?」
アマルの悪戯な笑みを見た瞬間、エレナの視界に何かが横から迫っていた。その速さに、首を動かしている暇はなく、視線だけで横を見やると、アマルの尻尾が目の前に迫っていた。
「――っ!?」
その動きはあまりにも速かった。アマルがその場で一回転していたなど、まるで分からなかった。気付いた時には、既に一回転していて、尻尾が迫っていたのだ。
当然、その速さにエレナが対応出来る訳もなく、剣で防ごうとするも間に合わず、右腕に当たり、吹き飛ばされる。
「ぐっ……!!」
地面を勢い良く転がったエレナは、激痛で立ち上がる事が出来ずに、その場で倒れ込んでいた。
右の手の平を開いたり握り締めたりする事が出来ないほどの痛みで、折れているのか分からないが、体が小刻みに震える程の痛みが全身に伝わっていた。
「ハァ……ハァ……痛っ……!! たったの一撃で……力が、かなり上がってる……」
「降参する?」
「誰が……降参なんか……舐めないで、よね……!!」
「ふーん」
すると、またしてもアマルは一瞬にしてエレナの目の前へと移動し、二本の大剣を上に掲げて振りかざす。その勢いのまま、大剣を振り下ろす。
「っ!!」
エレナはとっさに横に転がるようにして避けるが、風圧で吹き飛ばされ、またも地面を勢い良く転がっていく。
アマルは追い討ちを掛けまいと、すぐさま転がるエレナを追い掛ける。
「右腕が使えないんだったら、そっちの方向から斬りつければいいだけ。残念だったね、綺麗なお姉さん?」
アマルは物凄いスピードでエレナの右側へと移動し、大剣を振りかぶる。この速さではエレナに防ぐ方法はない。仮にもし、剣で防げたとしても、今の右腕では到底防ぐ事は出来ない。むしろ、剣すら持てない状況だからだ。
アマルはそれを狙って、エレナの右側から大剣を振りかざしたのだ。左手に持つ剣で防ぐ事も可能だが、右手で防ぐよりも、少し遅れてしまう。七星も流石にマズイと動き出そうとした瞬間、
「っ!?」
アマルの大剣は、エレナから漂い始めている赤色のテラにより防がれていた。炎のように揺らめているテラは、まるで鉄のように硬く、エレナの身を守った。
「防御魔法……では、なさそうだね」
「あんまり、使いたくはなかったけど……早く、皆と合流してユニを助けないと……だから、あんたは私の全力で倒す!!」
エレナが気合いを入れた瞬間、漂っていた赤色のテラは膨張するように膨らんでいき、シューっと音を立てながら、エレナの全身に纏っていく。
「フン……お前、『覚醒』出来たのかよ」
「最近使える様になったばっかだから、上手くは使いこなせないけど、十分戦える!!」
「へぇ、それが『覚醒』なんだね。初めて見たけど、かなりのテラ量だね。これはちょっと、楽しめそうかな……!!」
アマルはそのまま二本の大剣を上に掲げ、エレナに向けて一気に振り下ろす。だが、エレナは左手に持っていた剣に炎を纏わせると、アマルの大剣を防ぎ、器用に横にすり抜ける。
「さっきまで力が重く感じてたけど、今のあんたの力は軽い。やっぱり、『覚醒』の力は凄い……」
「たった一回の攻撃を受け止めたくらいで、調子に乗らないでくれるかな!!」
アマルは、横に移動したエレナに向けて横向きに大剣を振りかざす。だが、エレナは激痛で使えなかった筈の右手で、軽々と平然に素手で大剣を受け止めた。アマルにとっては、理解のし難い状況だった。
「なっ!?」
「あんたの力じゃ、私を纏ってるテラの強度を越す事は出来ない。つまり、私を傷付ける事は不可能って事よ……!!」
エレナは炎の纏った剣を横向きで振りかざす。アマルは半歩後ろに下がって避けるが、エレナの振りかざした剣の威力は凄まじく、避けたのにもかかわらず、風圧で吹き飛ばされてしまう。
「ぐっ……!! 剣を振った風圧如きに……!! あったまに来た……!!」
体勢を整えたアマルは、苛立ちを募らせて強くエレナを睨み付ける。そして、何故か笑みが零れてくる。
「アッハハハ……たかが真性種如きに、この混合種である私が劣る? アッハハハ!!!! あり得ない!! そんなの、絶対にあり得ない!! 混合種こそが最強!! 獣人種族こそが最強!! あんな小娘に負ける筈が無い!! 潰してやる!! 殺してやる!! 私の実力を分からせてやる!!」
頭が壊れたかの様に激昂するアマルを、エレナは冷静に見つめていた。そして、神経を研ぎ澄ませて、アマルの行動に備える。
すると、アマルは大剣を勢い良くその場で、十字に振るう。アマルの目の前には、十字の赤色の斬撃が現れ、その場に留まっていた。
「そんなもので、私を超えれると思ったの? だったら、がっかりね」
「アッハハハ……なら、そのままがっかりしててね。自分じゃ抗えない事に慄きながらね……」
アマルが二本の大剣を消すと、十字の斬撃に向かって手を翳す。すると、斬撃はみるみるうちに大きくなり、やがてその大きさは半径数十メートルにも及んだ。
「…………っ!?」
エレナも思わず、その規格外な大きさの斬撃に息を呑んでいた。自分が『覚醒』の状態とはいえ、あれ程の大きさとテラ量の斬撃を防げるかどうか、分からなかった。むしろ、冷や汗が出る程に恐怖すら感じていた。
「どうする? 俺の助けが要るか?」
そんなエレナを他所に、七星は冷静な態度でエレナに話し掛けた。
「助け? いいわよ、私一人でなんとかしてみせるから」
「フン、そうかよ」
「強がっちゃって、惨めだね。なら、なんとかしてみせてよ!!」
アマルが叫んだ瞬間、斬撃は物凄い地響きと共に、エレナの元に向かって放たれた。
大地が激しく揺れ、砂漠の地を抉りながら真っ直ぐに向かってくる。エレナの視界の全てを覆い尽くす程の大きさで、『覚醒』の状態のエレナでさえ、死が過った。だが、負ける訳にはいかなかった。ユニを助ける為、エレナに負ける事は許されなかった。
「上等よ……!! カジュスティン家、第三王妃エレナ・カジュスティンを、舐めないで!!」
エレナが炎の纏った剣をその場で振りかざすと、炎の斬撃を放つ。それでも、大きさはアマルの斬撃の十分の一にも満たさない。だが、エレナの斬撃はどんどんと膨張し、形を変えていく。
炎の斬撃は、アマルの斬撃と同じ程の大きさの鳥へと姿を変えていた。
「ほう、あれ程の火の魔法を見たのは、あいつ以来だな……あの女、気が強いだけじゃねぇのか」
七星も感心する程、エレナの魔法も規格外だった。そして、アマルの斬撃と、エレナの放った火の鳥は激突すると押し合う。
「アッハハハ!! いつまで保つかな!!」
「負けない……!!」
地形が段々と変わっていく程の衝撃で、大地も激しく揺れている。すると、エレナの火の鳥は徐々に、アマルの斬撃に押されていく。
「くっ……!! まだまだ……!!」
「諦めろ!!」
その瞬間、エレナの火の鳥はアマルの斬撃に負け、掻き消されてしまう。そして、斬撃はエレナの目の前に迫る。
「そんな……」
だが、アマルの斬撃とエレナの間に、突然として七星が割って入り込んで来る。そして、その手には、黒色の細長い太刀を手に持っていた。
「悪りぃな、邪魔する。流石に、これ程の魔法を喰らったら、死ぬだろ、お前。別に、助ける訳じゃねぇから、勘違いすんじゃねぇぞ」
七星はエレナに背を向けたまま、そう言葉にする。そして、迫り来る斬撃に向かって、黒色の太刀を振りかざす。その瞬間、
「――っ!?」
数十メートルにも及ぶ十字の斬撃は、一瞬にして弾ける様に消えていく。その事に、驚きが隠せないエレナは、目を見開いて七星の背中を見つめていた。それは、アマルも同様だった。
「あ、あんた……何を……」
「どんな仕業なの、君……!!」
七星は太刀を肩に預ける様にして持つと、アマルに向かって不敵な笑みを浮かべる。
「俺のテラは、『全能』の黒のテラ。獣人種族? 俺にはそんなの通用しねぇ」
七星の能力とは、本来なら存在する筈の無い、八人目となる黒のテラの所有者で、『全能』という能力だった。