表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と見る異世界物語  作者: 北岡卓斗
第三章 『聖騎士団』
107/145

第103話 『マッドフッド国攻防戦4』


 マッドフッド国での『大罪騎士団』との激戦が繰り広げられる中、サウディグラ帝国の龍精霊魔導師フィトス・クレヴァスと龍精霊セシファは、『大罪騎士団』のメンバーの一人、『色欲』を司る、コペルニクス・ファイルドと睨み合っていた。


「僕達もそろそろ始めるかい?」


 黒色の魔法坊に黒色のローブを着ているフィトスは、悪戯な笑みを浮かべながら、コペルニクスを見つめる。

 そんなコペルニクスも、優しさと温かさのある目でフィトスを見つめ返していた。


「貴方の若さは、私の性を満たすのに最適ですね。乱暴な事はあまりしたくありませんので、大人しくしていて貰えますか?」


「性を満たす? 戦いの中で性を求めているのは、気持ちが悪いね。悪いけど、僕は君に性を満たさせるつもりは無いよ」


「そうですか……貴方は黒のテラを宿していますので、生け捕りにさせて貰いますね」


 すると、コペルニクスの背中から四本の黒色の腕が生える。異様なその姿に、フィトスは恐怖というよりも不思議そうな目で見つめていた。

 そんなフィトスを他所に、セシファはコペルニクスに対して無表情で見つめている。だが、そのセシファを見たフィトスは、彼にだけ通じるセシファの感情を読み取った。


「どうかしたのかい? セシファ。君がここまで動揺するのは珍しいね。確かに、彼女の異様な存在感は悍ましいものだけど、そこまで動揺する必要は無いと思うけど」


「すみません、フィトス様。私の勘違いだと嬉しいのですが……」


 そう言葉にして、セシファは更に動揺する。はたから見れば、無表情を貫いている様にしか見えないが、フィトスにだけセシファの感情は読み取れる。

 龍精霊であるセシファと契約を結んで以来、ここまで動揺したセシファを見るのは初めてだった。


「勘違い?」


「最初に見た時は気付きませんでしたが、この方……名前をコペルニクス・ファイルド、かつて第一次世界聖杯戦争で私達が倒した筈の『災厄の魔女』です」


 『災厄の魔女』、その言葉が出た瞬間にフィトスの表情も強張る。それは、魔法大国サウディグラ帝国に住む者なら皆が知っている肩書きだからだ。

 世界の災厄とも言える存在だった魔女が、サウディグラ帝国にある歴史書に記されているのをフィトスは見た事があった。

 だが、その記されている内容というのも全てが真実な訳では無い。伝説や神話、そういった類の話も多く含まれている。

 『災厄の魔女』もその一つだと、フィトスは理解していた。存在する者では無く、誰かが考えた伝説なのだと。


 だが、フィトスのその理解はセシファの言葉により、覆される事になる。

 今目の前に居る女性がセシファ曰く、『災厄の魔女』コペルニクス・ファイルドなのだと。


「『災厄の魔女』……セシファ、それは本当なのかい? 幾つか、辻褄が合わない点があるよ。一つは、『災厄の魔女』は神話や伝説の世界の話に出てくる事。もう一つは、第一次世界聖杯戦争は今より百九年前の話という事。どう見ても彼女はまだ二十代前半と言った所……登場世代と年齢が合わない。仮に、彼女もセシファと同じ不老の禁忌魔法を掛けられているのなら、理解は出来るけどね。だが、まずそれは有り得ない。不老の禁忌魔法はエルザヴェートが開発しエルザヴェートだけの魔法……そして、旧友であるセシファ達だけが掛けられている筈。これらが、辻褄の合わない点だよ。それとも、彼女も旧友だと言うのかい?」


 フィトスの言い分は正しかった。『災厄の魔女』と呼ばれる人物の存在は伝説でしか無い。だが、仮に本当に存在し、セシファが過去に会っているのであれば、それなりの矛盾が生まれてくる。

 エルザヴェートが開発した不老の禁忌魔法である、不老年珠を掛けられているのはエルザヴェート本人と、龍精霊であるセシファ、ティアラ、シャルの三人とフィオラだけの筈だ。

 もう一人の旧友であるイオが掛けられているかは現段階では不明だが、セシファやティアラ曰く、イオは既にこの世に居ないと言っている。

 そうなると、コペルニクスが今現在こうして生きて居られる理由は、セシファ達と同様に不老年珠を掛けられているという事以外に考えられなかった。


「はい。フィトス様の仰っている事は正しいです。彼女が今目の前に存在している事は矛盾でしかありません。不老年珠を掛けられているのは私達以外に居ないですし、エルザヴェートが他の誰かに掛けたというのも聞いた事がありません。ですから、私は驚いているんです。何より驚いているのは、年齢もそうですが、私が第一次世界聖杯戦争で対峙した時よりも、若返っている事です。ですから、最初に見た時に気付く事が出来ませんでした。彼女の背中から生える黒色の腕を見て確信しました。勘違いだと願いたいんですが、恐らく……いえ、彼女は『災厄の魔女』に間違いありません」


 コペルニクス・ファイルドの背中から生える黒色の腕が、不気味にゆらゆらと揺れ、常に微笑んでいる表情でフィトスとセシファを静かに見つめている。

 『災厄の魔女』と呼ばれるその人物に、気圧されながらもフィトスは強気な態度を辞めない。


「成る程、まさか『災厄の魔女』が本当に存在し、しかも僕の目の前に居る……光栄とでも思っておこうか」


「ウフフ、私の事を覚えていてくれたんですね、セシファさん。百九年振りですか……時間の流れというのは、長くも短いですね。貴方達との戦いは、まるで昨日の様に覚えていますよ?」


「やはり、貴方は当時の『災厄の魔女』なんですね。では、どうやって今まで生きて来たんですか? 不老の禁忌魔法を掛けられていない貴方は、既に寿命は過ぎてる筈です」


 『災厄の魔女』コペルニクス・ファイルドの最大の謎はそこである。

 この世界でも、卓斗達の元居た世界と同様に寿命があり、百歳を超える年齢はこの異世界でも珍しいものだった。

 ましてや、セシファが過去に会った時よりも若返っているというのが、更に謎を深めていた。


「セシファさんの問いの答えたはただ一つ……この世界が私の性を満たしてくれるからです」


「言っている意味が分からないね。性を満たされるのと、歳を取らないとがどう関係すると言うんだい?」


「簡単な事ですよ。この世界に存在するありとあらゆるエネルギーが、私の寿命を延ばし、若返らせる……そして、そのエネルギーを蓄える事こそが、何よりの私の性への満たしとなる……貴方が思っている様なやましい意味ではありません。エネルギーを蓄えた時の、寿命が延びる感覚、老化が浄化されていく感覚……それが、私の性への欲求を満たしてくれる……こう見えても私は、処女ですからね?」


 コペルニクスの理解し難い説明に、フィトスは吐き気がしていた。

 ここまでくると、性癖がおかしいというレベルでは無くなってくる。それは最早、異常者とでも呼ぶべきなのか。


「反吐が出るね。君の性癖は非常に気持ちが悪いよ。『災厄の魔女』の伝説はここで終わらせる」


「では、貴方達のエネルギーで性を満たさせて貰いますね」


 コペルニクスがそう言葉にした瞬間、背中から生える四本の黒色の腕がフィトスとセシファの方へと伸びていく。

 だが、その腕がフィトスに近付いた瞬間、地面にへばりつく様に落下する。――否、フィトスの『重力』の黒のテラの能力により、コペルニクスの黒色の腕は地面へと落ちたのだ。


「『重力』……ハルさんがそれを欲しがっていますからね。では、『重力』の黒のテラ、頂きますね」


 すると、コペルニクスの右腕に赤色のテラが纏わり始める。そして、その腕をその場で振りかざした瞬間、コペルニクスの前方向の地面が一瞬にして破壊され、溶岩が噴き出しながらフィトス達の方へと段々と範囲を広げながら抉れていく。


「これだけの威力……防御魔法も効かないね。セシファ!!」


「はい」


 すると、破壊されて地面が抉れていた筈が何もなかったかの様に、元の光景へと変わっていた。

 コペルニクスの腕に纏う赤色のテラも消えている。すると、コペルニクスはセシファに向かって優しく微笑むと、


「懐かしいですね、この感覚。セシファさん、貴方の『時戻りの力』」


「そうか、セシファは第一次世界聖杯戦争で彼女と戦っているんだよね。なら、『時戻りの力』の仕組みを知っているという事だね」


 『時戻りの力』それが、セシファの特異な能力。言葉の通り、時を戻す力の事だ。

 まるで無かったかの様に、起こらなかった様になるのは、それを成す前へと時が戻っているからだ。

 かつて、四都祭で悠利達と戦った時や、ハルの攻撃を無かった事にしたのも、セシファの能力の仕業だ。


「はい、そうです。ですから、インターバルの事も……」


 セシファがそう言葉にした瞬間、コペルニクスは再び腕に赤色のテラを纏わせて腕を振るう。

 すると、先程と同じ様に地面が破壊され、溶岩が噴き出しながら地面を抉っていく。


「そういう事になるよね……!!」




 ――一方、『大罪騎士団』のリーダーである、ハルと睨み合っているのは、卓斗とエルザヴェートとヒナだ。


「其方が黒のテラを集め、世界を終焉へと導こうとしておるのは知っている。じゃが、何故黒のテラを狙う?」


「簡単な事だ。その導きを邪魔されない様にだ。邪魔者がいなくなれば、簡単に終焉へと導ける」


「終焉なんかに導かせるかよ!! お前らになんかに、この世界は終わらさせねぇ」


 睨み合う卓斗とハル。『大罪騎士団』のリーダーであるハルが、かつての若菜の恋人であり、卓斗と同じく日本人である事が何より卓斗は許せなかった。

 本来ならば、この世界に存在する筈のない日本人が、この世界の終わりを導こうとしている。

 かつての恋人である若菜を裏切り、今こうして日本人同士が対峙している事が、悲しくもあった。


「この世界の人間でない貴様が、この世界を救う事など出来ん」


「だったら、お前もそうだろうが。この世界の人間じゃねぇお前が、この世界を終焉へと導く事なんか出来ねぇんだよ。こんなの……若菜さんが知ったら……悲しむぞ……」


 かつての恋人であり、この世界に飛ばされて苦楽を共にした若菜の名前が再び卓斗の口から出て来た事に、ハルは目を細めて静かに怒りを露わにした。


「もし、若菜さんが目の前に居て、俺と同じ事をお前に言っても、お前は世界を終焉へと導くってほざくのか?」


「あぁ、容赦無く殺すな」


「――っ!?」


 ハルの言葉は予想出来ていた。だが、その言葉が出て来ない事を願っていた卓斗にとって、胸を刺す言葉となった。

 その瞬間、冷静を保たせる為に心の奥底に閉じ込めていた筈の怒りの感情が一気に爆発する。


「ふざけんじゃねぇよ……!!」


 怒りに震える卓斗の全身に、黒色のテラが段々と渦巻く様に溢れ出て来る。

 そして、エルザヴェートは当然この状態の事に気付く。それは、黒のテラの暴走だと。


「タクト!! 落ち着くのじゃ!! 奴を前に暴走しても……?」


 エルザヴェートは黒色のテラが渦巻く卓斗を見やり、目を丸めて驚いた。それは、卓斗は全く暴走していなかったからだ。

 本来ならば、黒色のテラが溢れ出すと暴走を始め、瞳の色が赤色に光り出す。だが、この時の卓斗の瞳は元の色のままだった。


「エルザヴェートさん、取り敢えずは離れててくれ。危ねぇから――」


 そう言葉にした瞬間、エルザヴェートの目の前から卓斗の姿が消える。すると、ハルの居た方向から衝撃音が聞こえてくる。


「――っ!? タクト!!」


 卓斗は一瞬にしてハルの目の前へと移動すると、黒刀を振りかざしていた。だが、ハルもすかさず剣でそれを防ぐ。

 その威力は絶大で、二人の剣が交わった瞬間、地面が大きくひび割れる。


「それは覚醒リスベーリオ……まさか、貴様が使いこなせるとは思ってもいなかったな」


「お前だけは絶対に許さねぇ。罪を償う資格もねぇよ……ここで俺がぶっ殺してやる!!」


 卓斗が黒刀に力を入れて、そのままハルを斬ろうとする。だが、ハルは上手く力を抜くと、前屈みに倒れる卓斗の足を蹴り払い、地面に転かし、仰向けに倒れ込む卓斗の顔に向かって剣先を向ける。


「貴様如きに殺される程、俺は甘くない。一つ言っておいてやる。貴様じゃ、俺どころか『大罪騎士団』のメンバー誰一人勝てる事は出来ない。もちろん、貴様だけでなくこの場に居る全員がな」


「決めつけんじゃねぇ。俺が白のテラに行き着いたら、お前らは負ける」


「白のテラ……か。その事も知っているのか、貴様わ。なら、貴様を生かしておく事も出来んな。貴様の黒のテラは、殺して別の誰かに宿ってから、そいつから奪い取る事にするか」


 剣先が目の前に迫り、卓斗は次の一手を考えていた。だが、その一手の行動を起こす前に、ハルの背後から突然と叫び声が聞こえる。


「――貰ったぁぁぁ!!!!」


 ハルはすかさず後ろに振り向くと、エルザヴェートの弟子であるラディス・ラ・エヴァが拳を振りかざしていた。

 だが、ハルはその拳をいとも簡単に掴み、剣をラディスの顔目掛けて突き刺す。


「させない!!」


 その瞬間、頭に金色の捻れた角を一本生やしたユニが、真っ白なランスの様な武器で横からハルの剣を弾く。


「っ!! 貴様……!!」


 ハルは弾かれた剣を、すぐさまユニに向けて突き刺す。だが、その隙を突いた卓斗が、『斥力』の力でハルを吹き飛ばす。


「お前ら、何で出て来たんだよ!!」


 卓斗は立ち上がると、ラディスとユニに対して、そう怒りを露わにした。

 マッドフッド国へと向かう祭、どうしても付いてくると言い張ったユニを見守らせる為に、エルザヴェートがラディスを連れて来ていた。

 ユニを守りながら敵との戦闘は難しいと考えたエルザヴェートの配慮の一つだった。その相手が『大罪騎士団』なら尚更だ。

 しかし、その二人がこうして卓斗の元に駆け付けてしまっている。エルザヴェートの配慮は無駄となってしまった。


「俺だって兄貴の役に立ちたいんだよ!! こいつの子守りも重要な任務かも知れねぇけど、何もせずに見てるだけって俺には耐えらんねぇよ!!」


「ちょっと、子守りって言い方やめてくれる? 同い年の貴方に子守りされる筋合いは無いから。でも、私も気持ちは同じ。先輩が危ない目に遭ってるのに、見てるだけなんて出来ないです」


 二人の勝手な行動に呆れ返る卓斗だったが、ユニの不思議な姿に思わず目を奪われていた。


「そんな事より、ユニ……お前、その姿……」


「へ? あー、これですか? そんなに驚く事じゃ無いですよ」


 まるで輝いているかの様な、綺麗な金色をした角に、卓斗はただただ見惚れていた。

 すると、ユニはそんな卓斗に対して、悪戯な笑みを浮かべながら、


「もしかして先輩、私に見惚れてます?」


 人差し指を顎に当てて、悪戯な笑みを浮かべるユニに対して、思わず可愛いと思ってしまう。

 だが、今はそんな事をやり合ってる場合では無い。卓斗がユニにツッコミを入れようとした時、吹き飛ばされて体勢を整えたハルが口を開いた。


「貴様、ナデュウの仲間か? 獣人がこんな所で何をしてる?」


「獣人……?」


 ハルの口から出た、初めて聞く言葉に卓斗は首を傾げた。すると、後ろから歩み寄ってくるエルザヴェートが、その答えを教えてくれる。


「魔獣の中の一つ、獣人種族と呼ばれる一族の事じゃ。名の通り、獣と人間のハーフという事じゃ」


「獣と人間のハーフ……ユニが?」


 卓斗が驚いた表情でユニを見やると、ニコッと笑顔を見せる。甘えん坊で我が儘で、どこにでも居る様な可愛げのあるユニが、そんな特殊な存在などと、卓斗は信じれなかった。


「その存在は、伝説に等しい。実際、ユニが獣人とは気付かなかったが、本来ならば既に滅亡している一族じゃ。リーダー的存在でもあったナデュウという奴が、獣人としての最初の人間。じゃが、何故其方がナデュウを知っておる?」


 エルザヴェートの疑問はそこにあった。ナデュウと呼ばれる人物の存在を、何故ハルが知っているのか。


「ナデュウは妾と同じ時代に生まれた人間じゃ。獣人という事もあって、不老の力を持っておるがの。妾の不老の禁忌魔法は、ナデュウの血液を使って開発した。当時、人間界最強はフィオラ、魔獣界最強はナデュウとまで呼ばれていた人物じゃ。第二次世界聖杯戦争で死んだ筈じゃがのぅ」


「今より五十年前の第二次世界聖杯戦争か。魔獣と人間の最大の戦争……俺がナデュウの存在を知っている理由を話すつもりは無い。貴様らには関係の無い話だ。それより、ユニと言ったか? 貴様がナデュウの末裔ならば生かしておく訳にはいかない」


「悪いけど、私は魔獣種族かも知れないけど、生まれた時から王都に居るし、ナデュウって人も知らない。私が何でこの力を使えるのかも良く分かってないから」


「そうか。なら、話はここまでだ。貴様ら全員は生かしておくに値しないと分かった。あの世で世界が終焉へと堕ちるのを見ていろ」


 ハルがそう言葉にした瞬間、全身から黒色の煙が溢れ出す。すると、エルザヴェートが珍しく動揺した姿を見せた。


「まずいのぅ。あれは『黒煙』の黒のテラ……」


「『黒煙』の黒のテラ……じゃあ、やっぱあいつは芹沢春で間違いねぇのかよ……」


「せ、先輩……何ですかこの煙……嫌な感じが凄くするんですけど……」


 黒煙を見た全員が、不気味さに息を呑んでいた。かつて、カジュスティン家を一瞬にして滅亡させた事もある黒煙に、絶望を突き付けられる。


「存在する全ての物を、存在しない物とする事が出来る……並大抵の防御魔法でも防ぐ事は出来んぞ」


 黒煙を全身から放出するハルは、不敵な笑みを浮かべ、卓斗達を見つめる。


「煙と共に消えろ」


「――っ!!」


 そして、津波の様に黒煙が辺り一帯に広がり、卓斗達の意識は暗闇へと堕ちていく。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ