表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/23

3話.ダチができた

 視界が初めの画面に戻りヘッドギアを外し、フゥーと一息ついた。


 始めたのが2時くらいだったしゲームをやっていたのが4時間くらいだったそろそろメシの時間かなと時計を見るとまだ4時だった。

  狐につままれた感じでいると、医師先生が様子を見に行ってくれた。

 時間の話をしてみると、どうやらゲーム中は体感時間が2倍になるらしい。どういう理論でなっているかを長々と一生懸命教えてくれたが、少しもわからなかった。わかったことはゲーム中で2時間過ごすと現実で1時間経っていること、あのゲームは[GCS]と略して呼ばれていることだけだった。

 すまねぇ、医師先生


 あと武器屋や雑貨屋のことを聞くと、NPC(ノンプレイキャラ)は高性能AIで友好度というのがありPC(プレイヤー)によって対応が違いもあるし、NPCに危害を加えたり嫌われる事をすると物を売ってもらえなくなったりと大変らしい。

 何もしてないけど追い出されたり、警備隊まで呼ばれそうになったと話したら居た堪れない表情で「がんばってください」と慰められた。

 その後もいろんな事を事細かに教えてくれて、メシの時間がきたので去っていった。


 ホンマにいい奴だな、医師大先生。



 次の日、昨日と同じ時間にログインすると夜だった。大先生が1日はゲーム中時間で14時間で昼8時間の夜6時間と言っていたのを思い出した。周りを見るとNPCらしき人はいなく、PCはちらほらいた。

 ログイン前にメシを食ったのに腹が減った感じしたが構わず動きだした。

 店も当然やってなく街をフラフラ歩いていると、PCの露店があり覗いてみることにした。

「ちょっと見せてもらっていいか?」

 と店の人に聞くと

「ヒィっ・・・」

 と固まってしました。

 固まった店の人を横目に商品を見るが短剣、長剣、大剣、斧が売っていて値段もかなり高く買えそうもなかった。

「邪魔したな。」

 と露店を後にした。

 他にも露店をやっていたので覗くと、驚いたり、目を背けたり、固まったりしてホンマにコイツら売る気あるのか心配になった。

 中には「・・・しょ、ショバ代払えばいいですか」と言ってくるヤツもいた。

 どこのヤ◯ザやねん


 せっかく大先生に教えてもらった剥ぎ取りナイフとか買おうと思ってたがないので仕方ないので狩りをすることにした。


 街を出ると草原には人けがなく道沿いに敵を探した。しかしなにか気分が悪く調子がでず、気がつくと後ろから犬?が飛びかかってきた。迎撃しようと振り返ろうとした瞬間、足に力が入らなくなり倒れた。

 犬?は余裕な感じで俺を殺してくれた。



「・・・また、知らない天井だ」

 たぶん教会の祭壇に寝ていた。

 何が何なのかわからないので、大先生に話を聞こうとログアウトした。


 ログアウトしたもののよくよく考えてみたらまだベッドから動けないし、大先生にご足労かけるのもイヤなのでネットで調べることにした。公式サイトやwikiを見ると空腹度があり何も食べないと気分が悪くなったり、動けなくなるらしい。


「始めてから何も食ってないからな」

 初の死亡は仕方ないと割り切り、再びログインしようとすると30分のインターバルがあり少し待ってログインした。


 まだ教会の祭壇に寝ていて死んだせいか空腹感は薄れており、動けるので食いもんを探しに教会を出た。

 とは言うものの夜なので店はやってなく、ウロウロしてると路地裏の方からいい匂いがした。匂いを頼りに歩いていくと屋台があり暖簾をくぐると

 バケモノがいた


「アラ、いらっしゃい〜」

 筋肉隆々のゴリ、イヤ厚化粧した長い金髪の妖怪?がいた。

「なんにします〜。肉の串焼は10G、パンは20Gよ〜」

「ゴ、ゴリラがしゃべった」

「なんだとワレ〜、だれがゴリラじぁ〜‼︎」

「どうみてもゴリラじゃろ、やんのかコラ〜‼︎」

「ブッ殺すぞ、このくそヤ◯ザ〜‼︎」

 殴り合いの喧嘩になった。

 やはりゴリラ、タフで力もありこちらも負けじと応戦した。

 優劣が付かず互いにボロボロになった頃、周りを武装した人達に囲まれその内の一人が偉そうに「我々は警備隊の者だ。双方とも止めたまえ」と言っていたが、頭に血が上っており

「うるせ〜んじゃボケ〜」

 と偉そうな奴に殴りかかって行った。すると身体にビリッと電気が何度も何度も流れ急に意識が遠のいていった。

 ーー雷耐性を覚えましたーー


 気がつくと牢屋に入れらていた。周りを見ると隣の牢屋にゴリラがおり俺が気がつくと

「アンタ、大丈夫かい」

「ああ、大丈夫だ。・・・ここは何処だ。」

「ここは警備隊の詰所の牢屋だよ」

 俺が気を失っている間に運ばれたらしい。

 話を聴くと、悪さをしたり騒ぎをおこすとこうやって捕まえられて処罰されるらしい。

 今回のことぐらいなら1時間牢屋に入れられてお終いらしい。殺しや盗みをやるとかなり長い時間拘留されるなどいろいろ教えてくれた。

「アンタ、なんでイチャモンをつけに来たんだい」

 と聞かれたので、

「別にイチャモンつける気はなく、腹が減っててつい喧嘩腰になっちまった。悪かったな。」

 と謝り、これまでの買い物ができなかった事や腹が減って死んだ事を話すと大爆笑され、多少イラッときたが出たらメシを奢ってくれると言うので我慢した。


「よし、出ろ。」

 牢屋を出ると「今後は、このような事の無い様に。」と釘をさされてまたイラッときたが「お上に逆らっちぁいけないよ」とゴリラに言われ、頭をさげ詰所を後にした。

 ゴリラと一緒に屋台に戻りパンと肉の串焼を食わしてもらった。食い終わると

「アンタ、剥ぎ取りナイフもないんだろ〜アタシの売ってあげるよ」

「いいのか。ありがたい。」

 店売りと変わらない200Gで売ってくれた。

 なんかコイツ見た目はバケモノなんだが、なかなかいいヤツだ


 夜も明けてきたので、狩りに行くと言うと

「アタシはもうログアウトするよ。よかったらフレンド登録しない」

「あぁ、でもやり方がわからん」

「うん、教えてあ・げ・る」

 かなりキモかったが我慢した。

「アタシの名前はリラ。リラちゃんって呼んでね」

「俺はカメ、好きな様に呼んでくれ」

「カメさんね、じゃあね Bey-bey」

 とログアウトしていった。


 リラ、やっぱゴリラじゃねぇか。


 初めのフレンドができました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ