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2話.始めた

【グリード・コンチネント・ストーリー】

 貪欲の大陸の物語という名のVRMMORPGは、仮想空間にて五感すべて視覚、聴覚はもちろん触覚、嗅覚、味覚までも再現されており、冒険、戦闘、生産などさまざまな事が実体験できるのだ。ゲームシステムはスキルレベル制と玄人好みであるが、今までない現実と見紛うような世界となんでもできる自由性を売り物にネットや雑誌等で騒がれていた。



 よし、このゲームだな。画面上のGCSと書かれている所をタッチしてみると

 ーーグリード・コンチネント・ストーリーにようこそーー

 ーーキャラクターメイキングを始めますーー

 っとどこからとも無く機械的な声が聞こえ

 ーー種族を選んで下さいーー

 また声が聞こえウインド画面が表れた。

 種族は人族、妖精族(森・大地)、獣人族(犬・猫・兎・狐・熊)、鬼人族、龍人族とあり、能力的に全く変わらず、耳が長くなったり毛深くなったり獣耳がついたりするだけらしい。

「人でいいかの」

 ーー顔、体型を変更できますーー

 ウインド画面に事故前の俺が写っていた。いろいろ変更できるらしいが

「めんどいの、そのままするか」

 ーー名前を入力して下さいーー

 本名はマズイな。

 [カメ]

 ーー以上で、キャラクターメイキングを終了しますーー

 Yes/Noと表示されたのでYesとタッチした。

 ーーゲームを開始しますかーー

 Yes

 ーーログインしますーー



 一瞬暗くなり次の瞬間、見慣れぬ景色が飛び込んできた。中世のヨーロッパのような街並みが広がり、街の入口だろう門の側に立っていた。


「スゲ〜の、これがゲームの中か」

 肌に感じる風や日差しの感覚、地面を踏みしめる感触、どこからともなく香る草木の匂い、全くといって現実と遜色のない世界があった。

 あまりの凄さに感動立ちすくんでいたが、ふっとした瞬間プレイヤーらしき人と目があった。

「ヒッ」

 とプレイヤーらしき人は急に目を背け去っていってしまった。

 俺もぼーとしてるのもなんだから、とりあえず脇道に入りウインド画面を開いてみた。

 まずステータスをみてみると

 名前:カメ

 状態:good

 STR:5

 VIT:5

 INT:5

 MID:5

 DEX:5

 AGI:5

 LUK:5

 CHA:▲5


 しかしCHAってのはなんじゃ。数字の前に三角か矢印かわからんのがついておるし。

 まぁ、考えてもわからんしこんなもんかの。


 次に持ち物なんだが画面上では何も持ってないの。肩に掛けていたショルダーバッグの中にはカードが一枚入っているだけだった。

 ヘルプで調べてみると、このカードが財布の代わりで1,000Gと書かれてあった。

 とりあえず買い物をしようと街を歩いていると、なぜか人が俺から遠ざかる。なぜだ

 やっと武器屋らしき店を見つけ入ってみると店主に

「悪いが、店仕舞いだ。」

 と追い出されてしまった。

 仕方ないので隣の防具屋に入ろうとするがさっきまで掛かって無かったクローズの看板が掛かっていた。

 ちょこっと歩くと雑貨屋みたいな店あり、入ってみると

「帰っておくれ!警備隊を呼ぶよ」

 と婆さんに言われ、しぶしぶ外に出た。

 どうなってんだ

 グダグダ考えるのは性に合わない、仕方ないので気分転換に街の外に行くことにした。


 門から出るとたぶん南の方へまっすぐ一本道が続いており、両脇には草原が広がっていた。周りを見るとちょこちょこプレイヤーが狩りをしていた。

 邪魔しちゃいけねぇと脇の方で入り、狩りをすることにした。少し行くと中型犬みたいなのがいて、こっちを威嚇してきた。

「よし、まずコイツが相手だな」

 慎重に近くと、急に犬?が首元を狙って飛びかかってきた。

 とっさに右腕で首元をガードし、犬?が噛みついた瞬間、右腕を振り下ろし犬?を地面へと叩きつけた。怯んでいるので腹に蹴りをくらわせると

 ーー蹴撃を覚えましたーー

 なんか聞こえたがそれどころじゃねぇので蹴り飛ばされた犬?に走って近づき頭を踏み潰した。

「フゥ、なんとか殺れたな。」


 息を整えながら犬?の死体を見ていると背筋にイヤなものを感じ、振り向いて辺りを見渡した。

 ーー察知を覚えましたーー

 今度は2頭の犬?がこちらを窺いながら近づいてきた。2頭の犬?は俺の周りを警戒しながら回り、左右両側から一斉に襲いかかってきた。

 ヤバいと思い、足元にあった死体を左側のに蹴り投げ、右側のは殴りつけると鼻面に上手い事当てることができた。

 ーー殴撃を覚えましたーー

 怯んでいる右側のにダッシュして蹴り飛ばし飛びかかってきた左側のは先ほどと同じように地面に叩きつけ、頭を踏み潰した。こうなればあと1頭なので簡単に仕留めた。


「しんどいな。」

 噛まれた所の痛みは徐々になくなったが、かなり疲れた。

 そう言えば戦闘中に何か聞こえた事を思い出し、ウインド画面を開いてステータスを見た。

 名前:カメ

 状態:hungrl

 STR:5

 VIT:5

 INT:5

 MID:5

 DEX:5

 AGI:5

 LUK:5

 CHA:▲5


  Skill:蹴撃 LV.1、察知LV.1、殴撃LV.1


 とスキルを覚えていた。

 スキルの内容を確認しようとしたが、???としか書いてなかった。

 次に何か手に入ってないかアイテム欄を調べたが何もなかった。

 もしかして某狩ゲームみたいに剥ぎ取りするのかと思い、亡犬?の見ると最初の1匹は跡形もなく消えていた。後から倒した2匹の死体はあったがどうすればいいかと思案していると、光の粒子に変わり消えていった。


 これ以上は肉体的にも精神的にもしんどいので、街に帰りログアウトした。


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