13話.ヒロイン?
なんでだろう。なぜ捕まってんだ。
しばらくすると警備隊員にすまなかったと謝られ牢屋から出してくれた。詰所を出るとあの子がいた。
「す、すみましぇんでした。あの、あの…」
とたぶんこの子が警備隊に話して釈放してくれたのだろう。オドオドしてたので、安心するように笑顔を見せると泣き出された。
今度はこっちがオロオロしていると警備隊員が、お前の笑顔は怖いんだよと言い、女の子をなぐさめてくれた。
…そんなに怖いか俺の顔?
女の子は泣き止むと
「助けてくれて、ありがとうございました。」
「ああ、別に助けたわけじゃなく彼奴らが気に入らなかっただけだ。気にすんな」
「う〜んでも…」
「ホント気にせんでいいぞ。捕まったのは日頃の行いだし、それこそ気にすんな」
気恥ずかしいこともあり、逃げようと歩き出すとついて来た。歩くたびに転んでいて、見るに見かねて声をかけた。
「大丈夫か」
「う、うん、大丈夫」
「余計なことかもしれんが身体合わんのなら作り直したほうがええんとちゃうか」
「?わたしあまり歩かないの…」
アカンいらんこと言った。
「わるかったな」
と謝るとキョトンとしていた。しかしこのままだと狩りするのも一苦労だよな。そうや、こいつをやろう。
「詫びというか、これをやるよ」
レモンウッドの杖をあげた。こうやってつきながら歩けば転ばないだろと言うと
「いいの、もらっちゃって。ありがとう」
杖を女の子に渡すが長いし太い。うれしそうに両手で持っているがそんな風について歩くとヨボヨボの爺婆だ。うれしそうにしているが後で長さと太さを調節してやろう。
「あのね、わたし乙姫。」
「ああ、名前か。俺はカメ、よろしくな」
「うん、……あのねカメさん、ゲームのこと教えてくだしゃい。」
恥ずかしそうにためらいながら言った。不安と期待が交じった表情で俺を見ている。
「ああ、いいぞ。」
と言うと満面の笑みを浮かべ身体全体で喜びを表したところで転んだ。
えへへっと笑いながら立ち上がったのでどんなことが知りたいか聞くと、まずなにしたらいいの、どんなことができるの、カメさんどうして怖い顔なの、ごはんって食べれるの、モンスターとカメさんどっちが怖いの、魔法使いたいのなどひっきりなしに質問してきた。途中なにか失礼なことも言われた気がするが気にしない。まだ始めてさほど経ってない俺が答えられることだけ教えることにした。
まずは雑貨屋に行き、剥ぎ取りナイフと図鑑を買うがなぜだろう俺と対応が違いすぎる。
「これとこれをください。」
「いらっしゃい、可愛いお嬢さん。2つで200Gだよ。それとこれおまけじゃ」
ちょっと待てや、婆さん。金額間違っているしおまけの魔導書ってなんだ。ついにボケたか。じゃあ俺もと傷薬(250G)2つと地図(500G)を買うと
「全部で1,200Gだよ。」
おかしいだろが、合計で1,000Gだろ。やはりボケたか婆さん
「誰がボケ老人だじゃ、男が細かいことグダグダ言うんじゃないよ。悪人ヅラのアンタとこんな可愛い子と違うに決まってるだろ。」
腑に落ちないが買って店を出た。そんなに悪人ヅラか
武器屋、防具屋、服屋を回ったが買うわけじゃなく見るだけだったので、工房に行き彼女の杖を直してやることにした。俺が切ったり削ったりしているさまを目を輝かせて興味津々に見ていた。
「よし、これくらいかの。持ってみろ」
と彼女に手直しした杖を渡すとうれしそうに持って歩いてみせた。
杖:長さ100cmのレモンウッドの杖。柔軟性がある。重量0.3kgステータス補正STR+1
「よし、他に行きたい場所あるか、それともなにかやりたいことがあるか?」
「う〜んとね、狩りに行きたい」
と言うので狩りをしに草原に向かった。
草原でいざ狩りをと思ったが以前大先生との狩りの時、パーティを組んだことを思い出し乙姫にパーティ申請を送った。
「えっなに?」
いきなり送ったので驚かせたが説明してパーティを組むことにした。
ちょうど犬がいて薙ぎ払うと一発で倒してしまった。乙姫はすご〜いと驚いていたがこれじゃアカン。
次に猪豚がいたので俺が壁になり乙姫が横から叩いて倒すという作戦を立てた。実際やってみると俺が防いでいる横から一生懸命ぺちぺちと叩いているがなかなか倒れず十数発叩いたところでやっと倒れた。乙姫は肩で息しながらも喜んでいた。これじゃアカン。もっと殺傷能力のある武器にしないとだめだな。
「乙姫、その武器じゃダメだな。短剣やサーベルの軽いヤツにした方がいいぞ」
「やだ!これがいい」
というのでそのままで狩りを続けた。何匹か倒していると赤いのが現れた。
乙姫はほかのとは違うデカい猪豚にアタフタしており、まずいなサッサと倒そうと攻撃するが隙をつかれ跳ね飛ばされてしまった。
受け身はとれたものの足がダメージで痺れていてすぐには立てずにいるところをヤツが突っ込んできた。ヤバいと思ったが横から火の玉が飛んできてヤツに当たり倒れた。
火の玉が飛んできた方を見ると、杖と本を抱えポカンと立っている乙姫がいた。
俺に気がついたのかこっちに走ってくるが転けた。こちらにたどり着くと
「大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。しかしあの火の玉お前か?」
「うん、お婆さんにもらった本に書いてある通りにねんじたらできたの。」
「まあいいか、助かったぞ、ありがとな」
頭をなでると気持ちよさそうに笑った。
マジで可愛いな。うん俺はロリコンじゃないロリコンじゃねぇ大事なことだから二度言った。
そろそろ辺りが暗くなっきたので街に戻ることにした。
乙姫がもうログアウトするというので、せっかくの縁だとフレンド登録することにして二人ともログアウトした。




