表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/95

夜の戦闘

間違って未完成のまま投稿してしまいました。

読んでしまった方には申し訳ございません。

改めて、修正と加筆を行ったものを投稿しました。

楽しんでいただけたら嬉しいです。

二人の影は、素早い動きで竜達を通り過ぎようとした。

「っ」

二人の内の片方に竜が立ち塞がった。

竜を障害と見なしたのか襲撃者の行動は早かった。

早い右手の一撃を竜に放つ。

それを竜は左手の甲を当てる感じで逸らす。

しかし、竜は、手の甲に痛みが走るのを感じた。

「!?」

咄嗟に相手の腹に右蹴りを入れる。

腹に当たった感触はあったが手応えは余り感じなかった。

相手は、竜の攻撃を予感してか、当たると同時に後ろに跳んで威力を軽減したのだ。

『油断するな竜』

「すいません。油断しました」

始まりからいきなりの負傷。竜は、自身の油断を恥じた。

それと同時に思った。


襲撃者にしては手の込んだ戦い方。まるで暗殺者だ。


左手の甲に受けた一撃。見ると壁に甲を当てて擦ったような傷だ。いや、正確には、無数の小さい刃に切られたような傷だ。


『暗器じゃ』

「はい。おそらくメリケンサックの様な」

あるいは、それに近い武器。

距離が離れ、膠着状態が続く。

しかし、竜にとって不利な状況だった。

竜は、近接格闘の心得はある。だが、基本は刀を使った剣術がメイン。さらに、徒手空拳相手との戦闘経験は少なすぎる。そして、刀は抜けない状況だ。抜けば、大きな隙を相手に与えることになるからだ。

それに相手は暗闇に紛れるためなのか黒いフードを羽織っている、さらには口元も布で覆っているために顔が伺えない。そしてフードの中には何を隠しているかもわからない。


仁美サイド

「水よ。礫となりて!」

仁美は、もう一人いた相手をしていた。

水の弾による攻撃をマシンガンの如く放つ。

しかし、それらは相手の振るう鞭によって防がれていく。

鞭は意思を持っているかのように動いて彼の目の前渦を巻い水の弾を防いでいく。


「弾け!」

仁美はそれに動揺することなく次の一手を投じる。

防がれて相手の周囲に散る水滴に意識を集中。

水はより小さくなって相手の視界を塞いだ。


「!?」

これには相手も驚いた。

仁美は空かさず水によって形成した弓と矢を用いて、相手へと放った。

仁美の弓から放たれた水の矢は相手の顔に迫る。


「っ」

その一撃を顔を右に傾けて回避した。

しかし、ザシュッという音が鳴り仁美の矢が相手のこめかみ辺りを掠めていった。

それによって顔を覆っていたフードと布が剥がれて相手の顔が露わになる。


相手は男だった。顔は強面で紫色の髪がスポーツ刈りで左眼の辺りには傷痕が特徴的である。

次の瞬間、男の動きが変わった。

「我が身に力を」

男は小さく呟いた。

その瞬間。男の体に魔力が満ちた。

そして一瞬で仁美の懐に入り強烈な打撃を打ち込んだ。


「キャァ!?」

地面に倒れた彼女にとどめを刺そうと男が動く。

男の手には腕に装着するかぎ爪があった。

その刃が仁美に迫る。

「そうはいかないよ!」

2人を分断するかのように炎が出現。

炎からアーシャが飛び出して抜刀。

男はバックステップで回避。


「ヒトミさん!」

レティシアも駆けつけて仁美の治療をする。


男と少女達との距離が空いた。

アーシャはいつでも反撃できるように得物を構える。

レティシアもいつでも動けるように臨戦態勢にいる。


男は状況を冷静に分析をする。

共にきた相棒も少年に苦戦していた。自分自身も少女三人に相手して勝てないわけではない。だが、自分達の目標はあくまで襲撃。抹殺ではない。そして。真の目的は・・・・。


男はアーシャ達に向かって駆け出した。そしてぎりぎりの辺りでジャンプ。

アーシャ達の頭上を越えて野営テントにむかって進む。


「しまった!?」

アーシャ達は男の意図を読み取ったのか動こうとするが間に合わない。

男がテントに近づく途中で横から黒い影が割り込んだ。


「!?」

これには男も驚き対応に遅れる。

空かさず腕の手甲とかぎ爪で防御した。


「今のを止めるか」

竜は、感心したように呟く。

男に不意打ちを決めたのは竜だった。

相手をしていた相手を一時戦線離脱させ、駆けつけたのだ。

鍔迫り合いに入るが竜が押し勝ち男を後ろに下がらせた。

「?」

竜はここで違和感を覚えた。


「お前。一体どういうつもりだ」

「・・・・」

「だんまりですか」

竜は追及しようと間合いを詰める。

しかし男は何も語ることなく再び闇の中へ消えていった。

そして、竜が戦っていた相手もいつの間にか消えていた。


護衛の仕事としての初戦は互いの痛み分けの形に終わったのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ