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夜の一時

本当に久し振りの投稿です。

読んで下さっている方々には、待たせてしまってすいませんでした。

これから先も不定期に投稿していきますので、これからも楽しんでいただけたら嬉しいです。


ペンドラという商人を加えた竜達は街での準備をして街を出た。

「へぇ。じゃあ。アーシャちゃんは、リンに負けて、その強さに惚れたからここにいるんだ」

「といっても人柄も判断してだけどね」

「じゃ、じゃあさぁ。俺は、俺!」

「怪しさ満点。信用できない」

「即答はないよ!せめて思案する間か、動作くらいしてよ!」

意味のないところで抗議して、落胆するペンドラ。


竜から見てペンドラの印象は、好印象(一応)。

明るく皆と接し、自分に対してもフレンドリー。

裏表のない。それがペンドラに似合う竜の思い浮かべた言葉だった。

だけど、思う。裏表がない。それが事実かどうか。


「ペンドラさん。質問するのはいいですけど、本人のいないところで話してくださいよ」

「じゃあ。アーシャちゃん。休憩の時に木の陰でこっそりと、「やっぱ。道中で話してください」

「オーケー!了解!だから、首筋の刃を収めてぇー!!」


なぜか、違う意味で怪しいと思えるようになってきた。


道中。気配を配っていたがいかんせん、追ってくるという感じはしない。

師匠に頼んで広範囲まで見てもらったが距離がかなり離れたところにいて一定を保っているらしい。

それを考えると相手は、普通じゃない。人間にはできない仕業だ。スキルや召喚された勇者達のチートスキルであってもだ。


『竜よ。どうする』

「警戒はします。多分。相手は来ます。必ず」

これは、僕の勘だが、来る。


「皆。敵は一定の距離を保って追跡している。油断はしないようにね」

僕は皆にそう言い聞かせた。

皆は、さっきまでの雑談が嘘であったかのように真剣な面持ちになって、僕の言葉に頷いた。


夜。道中の途中でキャンプを張ることになった。

現在は、アーシャ。レティシアとチヅル。そしてペンドラが寝ていた。

竜は焚火の番と見張り役をしていた。

いつでも聖涙を抜けるように腰にはさしてある。そして、竜乃心が宿る小太刀も。

「寝ないで大丈夫ですか?日陰さん」

そんな自分に語り掛けてくる相手に

「大丈夫です。気にしないでください」

優しく答える。

そこには、火の光に照らされた仁美の姿があった。


「あの時は驚きました」

「驚いたって?」

「アーシャさんがペンドラさんにナンパされていた時、すごい剣幕でしたよ」

「そんなに!?結構抑えてたんだけどな」

自分でも驚きだ。気づかれていないと思っていたから尚更だ。


「普通の人なら見破られませんよ。でも、私達には解りましたよ」

「みんなって」

「レティシアさんも、チヅルさんも、アーシャさんは喜んでいました。少しモヤッとしましたけど、私は、」


何故、モヤっと?


「僕も驚いているよ。自分でも、どうしてあんな行動起こすなんて」

「それだけ私達の存在が日陰さんにとって大切な存在になっているのですよ」


仁美の言葉に驚いたが、心の中で納得する自分がいた。

そうか。僕にとって彼女達は大切な存在であると思っているのだろう。

つまり、ペンドラさんに対して、『俺の女に手を出すな』そんな行動をしていたのだ。

それが、無意識とは、


「僕は、変わったのかな?」

「はい。いい方向に」

竜の言葉に仁美は微笑む。


仁美自身も嬉しかった。

自分達の存在が彼にとって大切な存在であることに

彼にもその自覚が芽生えたことに。

これから先の道中、そしてその先でも自分達がいられる様に頑張っていこう。


「でも、このひと時を邪魔する無粋な輩がいるみたいだ」

彼は、火のついた薪を一本手にし、

漆黒の暗闇の中に投擲した。

薪は真ん中で真っ二つとなり地面に落ちた。

そして、薪が落ちたのと同時に二つの影が降り立った。


「依頼主が言っていた追ってですね。一応聞きます。目的はなんですか?」

竜は、鯉口を手に掛けて問いかける。

しかし、返答は竜達に襲い掛かるという

動きによる返答であった。





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