チヅル戦
1ヶ月ぶりの投稿になると思います。
読んでくださっている方には、申し訳ございません。
久しぶりの投稿ですが、文章は短めです。すいません。
しかし、楽しんでいただけたら嬉しいです。
チヅルは刀身を地面に平行して構え
「!」
「っ!?」
咄嗟に竜は聖涙を使って彼女の攻撃を剃らす。
しかし、完璧に剃らすことはできず、右頬をかすることになってしまった。
(やっぱり自分鋭い一撃だ!)
彼女の主な攻撃は突きだ。
その鋭さは自分達の仲でも随一。竜乃心ですら初めてそれを見た時には感嘆して認めた程だ。
自分の師が認める突き。
しかも、殺す気がある突き。一切の躊躇なし。
改めて糸長の洗脳の強力さを見せつけられた感じだ。
だけど
(絶対に助ける!)
竜は強く闘志と決心を燃え上がらせる。
「う、く!」
彼女の突きを聖涙で捌いていく。
操られたとはいえ実力は本物。竜にとっては苦しい相手だ。
(決定的な一撃を入れないと)
竜は彼女の実力を鑑みて、長期戦は不味いと考えた。
「一気に決める!」
刃を反し、峰打ちを狙う。
「は!」
狙うは胴。当たれば峰打ちとはいえ人体に損傷は与える。
これが終わったら仁美さんに治させてもらってください。
チヅルの突きをギリギリのところで姿勢を低くした状態で前進む。
右肩にチヅルの突きがかする。
しかしかすったかいもあり、チヅルの懐へと入れた。
竜の横凪ぎが決まる。
しかし。
「何!?」
チヅルは操られたとはいえ剣術の達人。本能的に竜の攻撃を察し、後ろに跳んで距離をとったのだ。
「く、」
その行動に苦しむ竜。
空かさずチヅルは地を蹴り竜との距離を詰める。
再び、チヅルの突きを竜がずらして防御をする流れに戻った。
いくらやってもらちがあかない!
「さあ!さあ!どうするんですか!ヒロインを操られた主人公!日陰竜!あなたがどんな強力な武器を手にしようが。最強のスキルを持っていたとしても。何もできない!弱点を突かれた者は弱者となる!私は、この世界で知った!どんな強力な人間であろうと弱点、弱みを握ればこっちのもの!そう!弱点を掴めば、誰もが弱者なのです!今のあなたのように!ケケケ!」
「黙れ!」
どこからか聞こえてくる声に対して竜は叫ぶ。
しかし非常にもチヅルの一撃が彼を襲っていく。
活路が見出だせない!
歯痒い思いを噛み締める。
再び距離を取り、互いに隙を伺う状態になる。
(どうする!これ以上の戦いは今後に響く。チヅルさんを助けるには彼女を倒すしかない!)
意を決する。
一呼吸。
それだけで竜の精神は落ち着き、
場は静寂に包まれた。
(集中しろ。心を強く持って、彼女の動きを見極めろ)
正面に構えをとった。
静寂は破れるもの。
その静寂を破ったのはチヅルだった。
先手必勝。その言葉が似合う突進だ。
竜との距離が少しずつ詰められてゆく
竜は聖涙を正面に構えたまま動かない。
チヅルは相手が無防備だと見て、突きの体勢から繰り出した。
金属音がその場で鳴る。その後に空中を何かが空気を鳴らして飛んでいき、地面にザクッという音を出して刺さった。
地面に刺さったのは、竜の刀 聖涙だった。
持ち主の竜は・・・
その竜はチヅルの体と密着した状態で動かなくなっていた。




