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束の間の休日 チヅルとのデート

竜とチヅルのデート回を書いて見ました。

上手くデートが書けていたらいいなと思います。


楽しんでいただけたら嬉しいです。

「はぁー!やっと一息つけれるね」

街に到着して早々宿を取った。アーシャはたまっていたらしい野宿によるストレス発散のつもりなのか部屋に入った直後にベッドへとダイブしていった。


「アーシャさん。はしたないですよ」

「まあ。彼女らしいからいいじゃないか」

「リン様!あまいです!淑女たるものどんな時にも礼儀正しくあるべきです!」

レティシアが、女性としての礼儀とは何かと説いていく。

それは、アーシャに対してだ。

そんな二人の光景を竜達は苦笑を浮かべて見ている。

レティシアは帝国で教え込まれた礼儀作法を竜達(主に女性陣)に説く癖がある。

それは、帝国の姫としての彼女の部分と言える。だが、この時は、礼儀としてなっていない時に対して起こるので、言い返そうにも正論であるために反論ができない。

未だかつて彼女の説教を止めれた者はいない。


「アーシャさん!あなたの行動は、誰が見ているのかわからないのですよ。今は、私達だけでしたが、知らない人が見ていた場合その人にあなたの印象を変に認識してしまうんですよ。それに、あなたの行動一つで将来の夫であるリン様の周囲が感じる印象にも影響を及ぼすのですよ。それにですよガミガミ・・・」


レティシアの説教を受けるアーシャが涙目で竜に助けを求めた。

竜はそれに対して諦めろ、という意を込めて、両手を前で合わせた。


「フィ~。つ、疲れたようぅ~」

説教が終ったアーシャは甘えるようにベッドに座る竜の膝の上に乗った。

その様子に残りの女性陣の目が鋭くなったが、さっきの説教があったために今回はアーシャに譲ることにした。

対してアーシャは愛しの男の膝の上なのか嬉しそうに横になっている。

竜も竜で役得と感じていたためにそのままにした。


「どうしますか?これから」

「そうですね。街の散策なんかしようと思っています」

チヅルの質問に今後の予定について話した。

「リン」

「は、はい」

「私はあなたの妻の1人になる人です。そんな他人行儀の言い方は辞めてくださいませんか」

「はあ、すいません。何分初対面でまだ敬語が抜き切れていないものでして」

竜は家の教えの影響なのか、女性に対して本当に礼儀正しい喋りを徹底するようにしている。

仁美達が自分達を呼び捨て、さん付けで呼ばせるのに心が通じ合ってもかなりの時間を要したのは言うまでもなかった。


「じゃあさ。親睦を深めるために竜とチヅルで街をデートしてくれば」

アーシャの一言に驚きの表情を見せる一同。

「あれ。皆どうしたの固まって」

「いえ。一番口にしなさそうな人が提案したものでしたから」

「仁美。それどういう意味かな」

「私もそう思いました」

「レティシアまで!」

「私も意外でした」

ここに来てチヅルが珍しい驚きの表情を浮かべ言う。

チヅルにまで意外と言われたアーシャはボロクソになって竜に抱き着いてきた。

「竜は違うよね!違うって!言って!」

「お、落ち着いて!アーシャ」

流石に自分も意外だったとは言えない竜は彼女に流されたまま自分に胸に顔を埋める彼女の頭を優しく撫でるのだった。


「じゃあ。どこに行きましょうか」

「旅の備品を買うついでに散策はどうですか」


結局アーシャの提案は受け入れられ、竜とチヅルは親睦を深めるためにデートをすることになったのである。


「では手始めに〝あれ〟をいただきませんか?」

チヅルが手始めにと指指す先には香ばしい煙を立たせる屋台があった。

「この街には牛の肉を焼いて、米に挟んで更に焼いた郷土料理があるんです」

「へえ」

旅を続けてきたが、こういう郷土料理を屋台で販売しているのは珍しい。


「じゃあ。あれからいきましょう」

「はい!」

二人は屋台に行き、二人分購入し、郷土の味を堪能したのであった。


「しかし。意外でした」

「何がですか?」

「一国のお姫様がああいった料理を知っていたことに」

「私はよく己の鍛練のために城を抜け出してこういう街に来て討伐といった実戦経験をしていたんですよ」

フットワークの軽くて、行動派な女性だ。

行動力はアーシャに勝るとも劣らない。


「で、最も遠くまで来たのがこの街だったのです」

「しかし。詳しいですね。この街のことを。それに顔馴染みのようでしたが」

さっきの屋台でチヅルと屋台のオヤジが気さくに会話をしていたことを思い出し、聞いてみた。

「よく来ていたんですよ」

そう答えたチヅルに。

(まさか。この料理を求めて来ていたんじゃないんだろうか)

竜はそんな疑問を浮かべたのだった。


「ヒカゲ様はどう思いましたか。私の一面を見て」

その声はどこか弱い。

「お、お姫様らしくないと思ったでしょう」

なるほど。

「いえ、むしろチヅル様の一面が知れて良かったです」

「本当ですか」

「はい。それに今日の目的は親睦を深めること。目的は達成されたも当然ですよ」

そう。彼女の新しい一面が見れて、知れたんだ。

「ですから気にせず僕にあなたを見せてくれませんか。ゆっくりと少しずつ」

告白染みた竜の言葉にチヅルはこのデートで初めて見せる最高の笑顔を浮かべ、「はい!」と答えた。


二人のデートはその後も笑顔の絶えない素晴らしいものであったと言っておこう。



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