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剣姫の一目惚れ

加筆をしました。

改めて読んで楽しんでいただけると嬉しいです。

一目惚れ。

彼女は言った。だが、僕は彼女と会ったのは今日。

これまで彼女と会った記憶はにない。

「えっと。チヅル様」

「チヅルです」

「えっと」

「チヅルです」

念押しされる。

「え〜と」

「チ・ヅ・ルです」

「わかりました。チヅル。」

チヅルと呼ばれて頬を染める彼女。

その姿は色気が微かにありドキッとしてしまう。

竜の背後では


「押しが強いですね」

「危ないかもしれないわね」

「こっちの立場を固めた方が」

三人の少女が会議をしている。

板挟みで居心地が悪い。

つ、辛い。よくわからないけど、辛い!


「一目惚れと、言いました。私は、チヅルと会ったのは今日が初めてなのですが」

「確かに、お会いしたのは今日が初めてです。ですが、私はリン様とお会いしました。遠いところからですが」

「遠い、ところ?」

彼女の言葉の意味がわからない。


「リン様がこの旅館の女将様を助けた時です」

「ああ!」

竜は思わず叫んでいた。

あの時か。あの時、竜は女将さんを襲う男達を撃退していた時に自分を見ていた気配を察していた。危害を加えようとする気配ではなかったために竜はそれをスルーしていた。

まさかこんな娘が見ていたなんて。

「私は、あの時。御忍びで城下町を散策していました。それで悲鳴を聞きつけて来て見ればリン様がいたのです」

「あの時のリン様の動き、誠に素晴らしかったです。荒々しくもあれば、滑らかな動きでもある。そして、それを扱うあなた様」

その表情はとても幸せそうで、まさに、恋する乙女、その言葉に尽きる。


「と、言うわけなんだ。まさか、妹からいきなり、好きな人ができました。と言われた時は驚いたよ」

ヤススケはまた苦笑混じりに呟く。

その様子からよっぽどだったことを教える。


「ですが、チヅルはよくてもご両親の方は・・」

竜がご両親と呟いた瞬間。ヤススケの頬がひきつったのを竜は見逃さなかった。

「えっと。まさか・・・」

聞いていいのか。わからないが、竜は聞いてしまった。

「実は、妹が、君のことを話したら」

2つに別れたらしい。

母親が賛成。

父親が反対。

そして父親が言ったらしい。

私を倒してからそんなことは言いなさい。と


「まさか、」

「そう。現在、我が父親は、寝込んでいるよ。頭に包帯を巻いて」


どうやら、今回の女の子は、いや、恋する乙女は、逞しいようだ。


竜はつくづく思ったのだった。


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