時代劇のような展開
歴史の保存といった話の部分は自分なり考えて書いてしまったものなのでこれから修正していくつもりでいます。
おかしなところがあればご指摘をよろしくお願いします。
それでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
江戸時代の街並みをゆっくりと見渡しながら歩く竜達。
瓦屋根の木造建築が並ぶ。
「すごいですね」
「うん。まさに日本!って言いたいくらいだね」
「あの。ヒトミ様達の元々住んでいた国はこんな感じだったのでしょうか?」
唯一、こっちの世界の住人であるレティシアがそんな質問を口にしてきた。
「いえ。レティシア様。僕達から見てこの街並みはもう百年くらいも前の街並みです」
「そ、そんな昔の事をどうしてご存知なんですか」
「私達の住んでいた時代はかなりの技術の進歩によってかつての時代の遺跡やら資料などで当時の様子や建物を再現させることができるんです」
仁美が竜の言葉を補足する。
そんな話にレティシアは目を見開いて驚いた。
「す、すごい技術ですね」
「それに、当時から残っていた建物があって、それが街ごと残っていたりして保存されている所だってあるんだ」
アーシャも補足する。
「素晴らしいですね。こちらでは、歴史的に残すものは、絵画や彫刻、儀式とかに使う遺跡ぐらいですね。あとは全部壊してしまいます」
竜達の話に感動した手前、自分達の世界の考えや所業に残念そうに呟く。
「レティシア様、そんな事を言っていますが、こっちでも時代の中で消えっていった歴史的な物はたくさんあります。僕達の時代ではそれを再現した物ですよ。そして、この世界でも建物に歴史的価値を見出していこうとする考えはきっと現われます」
竜の言葉にレティシアはようやく笑顔を見せてくれた。
「さあ。気を取り直して宿を探すわよ」
アーシャが先頭に立って歩いていく。
竜達もそれについていこうとした。
「離してください!!」
女性の悲鳴が街中で響き渡った。
「おら!逃げようとすんじゃねぇ!」
「大人しくしやがれ!」
人相の悪い男達が女性を取り押さえようと動く。
「あいつら・・・」
それに気づいたアーシャが動こうとした。
「え、竜?」
「まかせて」
手で制止させ、
「あ!ちょっと、竜!」
アーシャの制止を無視して歩んでいく。
「女性相手に暴力はよくありませんですよ」
「うるせぇ!がきはすっこんで、いででででででえぇぇぇぇ!!!!」
男が竜を払おうとした腕を竜は掴むと男の手首を捻りあげた。
「このくそがき!」
もう一人の男が竜に襲い掛かる。
竜は手首を捻っていた男を襲い掛かる男の方へと突き飛ばした。
その結果男達は正面衝突した。
「くそ!」
「やりやがったな!」
「そうか。なら、体で解らせてやろうか」
刀に手をかける。
その動作を見た男達の表情がだんだんと青くなっていく。
「お、覚えてやがれぇーーー!!」
「ひっひひひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?!?」
そして男達は悲鳴を上げながらこの場から立ち去っていった。
「本当に定番のような展開」
竜はポツリとそんな呟きをした。
「竜さん。大丈夫ですか。そちらの方も」
仁美達が二人に駆け寄る。
レティシアと仁美が女性の具合を確かめる。
「大丈夫です。けがは大したことにはなっていません」
そう言って治癒魔法を女性に掛けて治療する。
「本当にありがとうございます!」
女性は頭を下げ、礼を述べる。
「いえいえ。大したことはしていません」
やんわりと答える竜達。
「しかし、何かお礼をさせていただけないでしょうか」
「それでは、この国に来たのが初めてなもので、宿がどこにあるのか分からないんです。どこかいい宿があれば教えていただけないでしょうか?」
竜の言葉に
「それでは、私達が営んでいる宿がありますがいかがでしょうか?」
女性はそう答えたのだった。
「あの動きは、あの者をどう思う」
「はい。なかなかの腕前かと」
「そうか。しかし、」
「今は無理です。しかし、彼らはまだ、この国にいます。焦らず、時を待ちましょう」
竜達から少し離れた建物の角から竜達の様子を覗き込む者達がいた。
しかし、すぐにその場からは立ち去ったのだった。
竜達を見ていた者達。それが竜達にどのように関わっていくのかは、まだ誰も知らないのであった。
2/2。にこの作品の外伝を投稿しました。
そちらも楽しんでいただけたら嬉しいです。




