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少女の気持ち 仁美編

ヒロインの気持ちを書いて見ました。

短めで、上手く書けているか不安ですが、楽しんでいただけたら嬉しいです。


次から本編に戻ります。

楽しみにしていて下さい。

次の日の朝。

「う・・・・んぅ・・」

私は窓から入ってくる朝日の光によって目を覚ました。


「おはようございます。神無月さん」

そんな私の視界に先に起きていたと思われる彼が笑顔で迎えてくれた。

「おはようございます。日陰さん」

そして私は彼に挨拶を返す。

「よく寝れましたか?」

彼はそうそう聞いてくる。

「はい。よく寝れました。それよりも日陰さん」

いつも思っていたことを口にしてみました。

「うん?何ですか?」

「いつも、いつも思っていましたが、いい加減に私達に敬語は止めて下さいませんか」

自分の言葉に彼は、苦笑を浮かべ

「と言われましても、これが、定着していますので、難しいですね。それに、まだ抵抗がありまして」

こう言うのです。

相変わらずです。

自分も人の事は言えないが彼の場合は、どこか一線を引いているのです。

自分の師であり、彼の先祖である竜之心が「彼は自分達の事をそれ以上の関係になることに戸惑いと、後ろめたさがある」と言っていた。

しかし、引き過ぎだと思うのは自分の思い過ぎでしょうか。

私、レティシアさん、アーシャさん。

私達三人共、彼の事が好きだ。

今の関係をそれ以上にしたいと言う気持ちはある。

しかし、今の自分達は追われる身。しかも狙いは自分達。

そんな自分達を守ってくれている彼。

自分達よりも劣っているのに必死になって戦ってくれる彼。

自分達のために他人を斬る彼。

自分達のために命を奪うことを厭わない覚悟を持つ彼。


彼に対する大きな感謝の気持ちと、自分達のために血と罪を背負ってくれる彼への罪悪感が自分の心の中で渦巻く。


自分は彼に何をしてあげられるのだろうか。


「この里を今日、発ちます。二人が目を覚ましたら、準備をしましょう」

「はい。そうですね。ですが、それまで、日陰さんは休んでいて下さい」

「僕なら大丈夫ですよ」

「昨夜、よく寝れなかったのでしょう。無理はいけませんよ」

目の下にくまができていた。

昨夜、自分達のために見張ってくれていたのだろう。

「少しは、私を私達を頼って下さい」

少しだけだが、ムカッとした。

私は、やる時は、やるのだと訴えたくなった。


「それでは、すいませんが、少し休ませていただきます」

彼はそう言って横になり、目を閉じた。

数秒後には、スウ、スウと寝息をたて始めた。

よっぽど疲れていたのだろう。


私は、そんな寝息をたてている彼の寝顔を拝みながら周囲を警戒し始めるのだった。


日陰さん。私は、あなたのために自分の出来る限りのことをしますから。


自分の中の気持ちを改めて固めた。


それから暫くして、レティシアさんとアーシャさんが目を覚ました。

そして、最後は彼だった。


疲れていたんですね。いつもありがとうございます。

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