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異世界でも

主人公以外の名前が一向に出てきませんがこれから出していく予定です。


ご意見ご感想お待ちしています。


7/27。付け足しとちょっとの修正をしました。

楽しんでいただけたら嬉しいです。

9/11。付け足しをしました。

異世界召喚をした国。

名称 ダート帝国。

この大陸の中で小国ではあるものの強い武力を持つ国の一つであると記載されている。

特徴は、一声で言えばやはり、武力といえる。

他の国々と違い軍備を強化しようと日々躍起になっている。侵略がしたいのだ、とでも言うかのように。

その他の国々は、帝国と違ってそれぞれで同盟や協定を結び平和を保っている。いわば他国と協力しあっているのだ。

帝国とは大きな違いであると言える。

そのために帝国の評判はあまりよくはない。


「なるほど。……はぁ」

頭の中で要点だけをまとめた事と現在のこの国の国際的な立ち位置を〝推測〟する。

何とも言えないため息を竜は吐いた。

元に置いてあった場所の本棚へ先程まで読んでいた本を戻す。

読んだ本の内容は、このダート帝国の成り立ちと歴史だ。

しかし、内容のほとんどが帝国の特色と素晴らしさが多く載っているだけで歴史については詳しく載っていなかった。


自分達の国を贔屓していると言ってもいい程だ。

「世の中を知るのは難しいな」

本を読んだ竜の感想がそれだった。

竜としては他の国についても知りたかったがあまり置いてなかったために諦めるしかなかった。

竜達クラスメイトがこの帝国に勇者として召喚されて二週間が過ぎていた。

竜達はその間に様々なことを学んだ。

例えば、今いるこの世界について。


ここは異世界。総称はフィーリア。

僕達の世界でいうファンタジーだ。

ドラゴン、ゴブリン、エルフ、魔法、ダンジョン、まさに、夢のような世界だ。

クラスメイト達は、最初は召喚されて混乱していた。

当たり前の事態だ。

そして、全員が何より衝撃だったのは、


二度と帰れない。


という残酷な事実だった。


冷静に物事を見ようとしていた竜もさすがにこの事実には動揺した。

勝手に召喚されておきながら、帰れないのだから。

自分勝手もいいところであり動揺するのは当たり前だ。

しかし、慣れというのは、恐ろしいものである。

竜はそのことをしみじみと最近になり思いはじめた。今では、まったくと言っていいほどかつてのそんな事は気にせず訓練に励んでいるのだから。

竜も慣れた影響のためか現実を受け入れた。そして、この世界に骨を埋める覚悟がついた。

それに、もしこの場に両親がいれば


「弛んでいるぞ!竜!母さんと一緒に稽古だぁ!?」


と漫画顔負けの地獄の稽古をつけてきそうだ。そっちの方が動揺どころか恐怖してしまうだろう。

そんなこともあって竜自身は覚悟を決めた。

だが、覚悟していても


竜の立場が変わらなかった。


調べものを終えて訓練所の方へと歩き出す。

訓練所にはクラスメイトのほとんど集合していた。

竜がくると何人かがじろじろと見てくる。その目は人を見下す時の目だ。


(またか)

竜は再びため息を吐きたい気持ちを押し込んだ。そんな事をすれば何をされるのか理解していたからだ。絶対にろくなことはない。

そうしている間に訓練は始まった。

訓練といっても一対一での戦いや魔法の練習が基本。

しかしある所では


「オラッ!さっさと、立てぇ、日陰ぇ!」

「そうだ!そうだ!」

「マジ、コイツ、弱っ!」

一人に対してよってたかってリンチする者達がいた。

その一人は、日陰 竜。元いた世界でもいじめを受けていた少年だ。

「う、……く…」

「おいおい。こんなんでへばるなよ。これでも俺達は勇者なんだぜ」

「そうだぜ。俺達は勇者なんだ」

「あまり、無様な姿をさらすなよ」

「たっく。ダッセーな」

主犯の人達は倒れている日陰に言いたい事を言う。


(何で、こいつらは、こんな事を)


こっちに来てもクラスメイトは、竜をいじめた。いや、さらにその行為が増したといった方が正しい。

こっちの世界に召喚されて来たクラスメイト達は、小説で言うチートと言う存在になっていた。それにはいじめの主犯達も含まれていた。

しかし、そんな中で例外が一人いた。

竜だ。

竜は、この世界では、そこそこであったが冒険者のランクDにも劣る力しか持っていなかった。他のクラスメイト達と比べれば、雑魚以外の何者でもなかった。いや、この世界最弱と言っても問題じゃなかった。


そのため、竜は、それが発覚してから孤立した。

クラスメイト達からは蔑む目で見られ、城の者達からも扱いは酷いものだった。


いじめの主犯達からの仕打ちを受け切った竜は、支給されていた木刀を杖にして立ち上がる。


(本当に良かった。家がああいう〝家〟で…)


自分の家の事情に竜は今、心の底から感謝していた。

(本当に真面目に〝受けておいて〟)

実際、竜はあまり怪我を負ってはいなかった。

ただ、痛みは感じてはいた。

しかし、いじめを受け続けてはいたが。

そんな中で騎士団の団長がやってきて集合令をかけてきた。

そのおかげで竜のいじめは終了した。

そして、竜を含めたクラスメイト全員が揃うと団長は言った。


「明日から実戦経験を積むためにモンスターの討伐に向かう」

それはこの世界に召喚されて二回目の衝撃だった。


僕の明日は、どうなる?


竜は自分の明日は、どっちだ、何度も考えてしまうのだった。

そして、不安が積もるばかりであった。

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