異世界召喚
思いつきの作品です。
不定期更新ですが楽しんでいただけたら嬉しいです。
また、他の作品もありますのでそちらの方も楽しんでいただけると嬉しいです。
10/12。付けたしをしました。
異世界召喚ーー。
それは、今では、誰もが知っているライトノベル小説のネタの一つだ。
いや、Web小説のネタとした方がわかりやすいのではないだろうか。
異世界の国が国のため、もしくは世界の危機を回避するために召喚を行い。召喚された者に「国を救ってほしい」と懇願する。そして、召喚された者またはその者達は、チートな能力に目覚め国を救う。そして、その間に様々な人達と出会い、その中で何人かの女性と結ばれる。いわゆるハーレムエンドという流れだ。
小説だとそんな流れだ。
小説ではだ。
しかし、現実は、まったくと言っていい程に違う。
そこには、空想とは違う人の欲望等が渦巻いている。
様々な思想、思考が入り交じり、召喚された者達は、その世界での出来事に巻き込まれてゆく。
召喚された者達は勇者などではない。いわば被害者と言っていいだろう。
しかし、その中には被害者を越えた〝犠牲者〟という存在がいる。
これは、異世界召喚された地球の普通の学校、普通のクラスの中の生徒一人が元の世界でも異世界でもひどい目にあっていて。
それらを乗り越えて一筋の願いを叶える。
そんな物語だ。
「僕は、この剣術で弱気者達を救う。そして、大切な人達を守るために振るう!」
少年は、その異世界で不条理な現実を知り、そして、大切な存在を知り、そして守るための刃を手にした。
そして一つの願いのために動いた。
日陰 竜。
見た目は、普通。しかし、名前の読みと顔が中性的な顔立ちをしているために少女と間違われる場合が多い少年でもある。体は、少し筋肉がついているがやはり細い部類に属するだろう。
もし。彼が特別という点を挙げるのであれば、家が古流剣術の道場を開いていることぐらいだろう。
そんな彼は、学校ではいじめの対象だ。クラスでは、有名な話でもある。
そして今日もいつも通り。
「ほら!さっさと、起きろ!弱陰!」
いつものように学校でいじめを受けていた。
弱陰。
彼らが名付けた日陰のあだ名であり悪口だ。
弱い日陰。略して弱陰。そのまんまだ。
竜ですら呆れてしまった。自分の悪口に対してだ。
単純かつ、センスが問われる。自身の悪口だというのに。
そんな考えが頭に浮かべている中、腹を蹴られその場に崩れる日陰 竜。
「ぐ・・は・っ・・」
起き上がろうとするが、相手達は待ってはくれない。
次に脇腹に蹴りを入れようとする。
それを日陰は、腕を蹴りが脇腹に当たる寸前に悟られることがないように出して防いだ。家で指南し、鍛えてきた賜物であろう。
腕に痛みが走った。
(本当、に、きつい…)
日陰自身、こんな暴力に比べれば家でやっている日頃の稽古の方がきついと思っている。しかし、肉体は大丈夫であっても精神は別である。稽古で肉体、精神を鍛えていても参るものは参るものだ。日陰はまさに精神が疲れてきていた。
クラスの皆の目の前でいじめを受ける。さらに誰も助けてくれない。
自分達が自分を庇えば、次の標的は自分になる。そうなることを恐れているのだ。
そんな事が続き、後少しでホームルームの時間になろうとしたその時。
教室全体が光り出した。
「なな、なんだよ!これ!?」
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
あちこちから困惑と悲鳴が教室内に響く。
しかし、彼らがこの光に抵抗する術はない。
そうこうしている間に光りが彼らの視界を埋めつくしていった。
そして・・・・。教室からは一人たりともいなかった。
静寂な教室がそこにはあった。
そして彼らは、地球から消えた。
彼らの意識が戻り、周囲を見回す。そこは中世を思わせる建物の中だった。
目の前には中世の貴族が着ていたような豪華な服装をした人達が立っていた。
「ようこそおいでくださいました。勇者様方」
こうして僕達は、召喚された。
そして、僕の新たな人生の始まりでもあった。