第五話 杖の効果
こちらの話は現在ミスだらけなので修正中です、誠に申し訳ない。
次の日、俺はさっそく街の広場へと向かった。
すると、すでにそこにはフィーユがいた。
俺はすぐに声をかけた。
「ずいぶんと早いね。待った?」
「いや、いまきたとこ。」
そんな付き合いたてのカップルのような会話を済ませ、さっそく本題へと入った。
「じゃあ、さっそくで悪いけど杖を作ってもらってもいいかな?」
「いいよ。私の家に早くいこ。ここからすぐ近くだから。」
5分ほど歩いただろうか。見るからに鍛冶屋ですといわんばかりの店が見えてきた。
俺がここに来るのは初めてなので工房の入口ではなく、正面入口から入ることにした。
「こんにちは。今日はどうしますか。」
威勢のいい声とともに店主らしき男がでてきた。
するとフィーユが、
「お父さん、工房をつかってもいい?」
と言った。
どうやらこの男がフィーユの父親らしい。
「それは別に構わんが、それよりもその男の子はまさか・・・」
「うん、そのまさかだよ。紹介するね。こちらはアルス君です。」
まあこれからも顔を合わせることがあるかもしれないのでちゃんと挨拶することにした。
「ご紹介にあずかりました、僕はディセントラ家の次男、アルストロメリアです。フィーユさんとは仲良くさせていただいております。これからもお付き合いのほどよろしくお願いします。」
「そんな大層な挨拶をせずもっと楽にしていただいていいですよ。私、ディセントラ領主専属鍛冶師のフェールです。こちらこそよろしくお願いします。」
堅苦しい挨拶が終わったところで、フィーユが話を切り出した。
「お父さん。アルス君は、魔法が使えるけど杖を持っていないから私が杖を作ってもいいかな?」
「まあそれはいいが、ちゃんとアルストロメリア様に相応しい杖を作るためにも私が杖を作るのを監督しよう。」
そして、工房へと向かった。
「素材は何を使うのか見せてみなさい。」
「ごめん、アルス君。だしてもらってもいい?」
「うん。いいよ。」
そういって俺はチェストを出して開くと殺戮怪樹の狂枝を取り出した。
それをフェールへと手渡した。
「こ、これはキラートレントの素材じゃないですか。アルストロメリア様がご自分で倒したので?」
「いえ、危ないところを助けてくれた人がいて、その人がこの素材をくれたんです。」
「そうなんですか。じゃあフィーユ、作ろうか。」
「うん。お父さん。」
杖などの武器作成には何ステップか手順がある。
まず、木材なら長さなどを調節して、魔法石を埋めたりすることによって作れる。ゲームの方でもあの造りこみには苦労した。バグがあるだとか、重いだとか、クレームがよく来たものだ...話を戻すが、
武器の作成は素材のレア度と鍛冶師の熟練度によってランクが決まる。
フェールがディセントラ家の専属鍛冶師だからフィーユも少しは熟練度があるはず。
フィーユは父・フェールから教えてもらいながら杖を作っていた。
「アルス君。できたよ。」
そうこうしているうちに杖が完成した。
杖を見てみるとそれはワンドだった
「このワンドのランクは・・・Cランクだね。銘は妖樹の杖。そのままだね。」
この世界の武器はランク付けがされる。
ランクは下からE、D、C、B、A、S、EXでコモン、アンコモン、レア、スペシャル、ユニーク、レジェンド、ディバインと呼ばれる。
今回、フィーユが作ってくれたのはCランクなのでレアウェポンとなる。
「ありがとう。大切にするよ。」
俺がそういうと、フェールは、
「満足していただければ幸いです。うちは専属鍛冶師なのでいつでも来ていただいて構いません。これからもよろしくお願いします。」
「じゃあ、アルス君。効果を確かめに行こうか。」
「うん。行こう。」
そういうと俺はフィーユと共にいつもの森へと向かった。
「じゃあ、あそこのはぐれリザードマンに風系魔法を当ててみて?」
フィーユがそういうので俺は風撃と念じて威力と効果範囲を指定して攻撃した。
すると込めたはずの魔力が小さくて済んでいるのにリザードマンを倒すことができた。
フィーユは嬉しそうに言った。
「今、使った魔力が小さくて驚いているでしょ?それは杖の魔力軽減機能が使われたんだよ。そして風系魔法はこの杖と相性のいい魔法なんだよ。」
「そうなんだ。杖を使うと魔力が小さくて済むんだ。便利だね。杖と相性を合わせるためにこれからは風系魔法をメインでつかっていくよ。」
「そうだね。これからはこの杖と一緒に頑張ってね。あと魔法石を埋めることもできるからもし手に入ったら持ってきてね。」
「うん。手に入ったらすぐに持っていくよ。」
「絶対だよ?」
「あぁ。それじゃ戻ろうか。」
「うん!」
そして、俺達は工房に戻った、するとフェールが難しい顔でこう言ってきた。
「アルス様、キラートレントと遭遇したという事はそれなりにトレントを狩りましたよね?その素材どうしてますか?」
「えーっと、全部異空間にいれてますよ。」
俺は冷静に答える。
「その様子だと異空間のリスクを知らないようですね、そもそも空間系魔法はすべて空間の生成と維持に魔力を消費してですね...異空間は特に厄介で、物を入れれば入れるほど消費魔力が増えていくので普通無闇に使わずチェストに入れるものなんですよ。」
へーゲームではそんな設定無かったから気づかなかった。
「そうだったんですか。」
「そうか!つまりお父さんは余ったトレントの素材でアルス君にチェストを作ってあげるつもりなのね!」
今まで黙っていたフィーユがパッとした笑顔でそう言う。さらにフィーユはこう続ける...
「お父さん、アルス君のチェスとも私が作りたい。」
「ふむ...」
難しい顔でフェールが考え込む。
「フェールさん、僕はフィーユに作ってもらいたいです。」
俺はとりあえず当たり障り無い事を言っておく。
「そうですか、ではフィーユ準備しなさい。」
「アルス君、トレントの素材を出して。」
「あぁ、召喚、異空間」
俺は魔法を唱え手早く中から素材を出していく、フィーユはそれを受け取ると手早くウィンドウを操作し用意していく。
そして、数分後いちれんの工程を終えたフィーユが満面の笑みを浮かべている。そしてフェールは唖然としている。
「どうしたんですか?」
俺はフェールにそう聞くするとフェールが無言でウィンドウを見せてきた、そこにはこう書いてあった。
アイテム名:底無き小箱
ランク :S
なっ...俺は絶句した、フェールも絶句している。フィーユだけがぴょんぴょん跳ね回っている。
「すごいでしょ、アルス君レジェンドアイテムだよ!」
「う...うん。」
俺は苦笑を浮かべながらそう言ういくらなんでも運良すぎるだろ!
そんなこんなで帰宅の時間になったので、俺はフィーユから例の箱を受け取った、例の箱の完成によりフィーユの鍛冶スキルはかなり上がりフェールもかなり満足そうで良かったと思う考えてみればこんな和気藹々と人と話したのは何年ぶりだろうか、俺はそんなことを考えながら工房を後にした。
俺は帰りながら呟いた。
「トレント狩りやキラートレント戦によってレベルアップしてるから明日はステ振りでもしようかな」
こうして俺の今日の1日は幕を閉じたのだった。