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精霊   作者: ケン
ファースト 目覚めの炎
8/50

第7精霊

あっしはごく普通の家庭に生まれました。

普通に生まれ、普通に成長し入園、入学それらを普通にしてきました。

でも、あの日。あの日に起きたことがあっしから普通という言葉を奪い去った。



その日、あっしはまだ小学生で学校が終わって家に帰ってる途中でした。

いきなり、体が物凄い力で吹き飛ばされたんす。

体中が痛くて動けなくて、泣くことすらできなかったっす。

それでも、家にいる両親に会いたくて痛い体をひきずって家まで歩いて行きました。

でも、家についた時には既に跡も形も綺麗に吹き飛ばされてました。

何も分からなかった、親が死んでるっていうことも今の状況も。

その後、あっしはホームレスになりました。

家もなく、その日その日を生きていくので精一杯。

まだ小学生だったあっしには何を信じ、何を頼ればいいのか分からなかった。

親も兄弟も頼れるあてもない、そんななかあっしは人の物を

盗んでどうにかして生きながらえてきました。



そして、あっしはここに助けられました。

ここの人たちはあっしを本当の娘のように扱ってくれました。

小学生だったあっしに勉強を教えてくれ料理、裁縫、女性として

将来必要になるやもしれない事は全部教えてくれた。

特に優さんには女性の事を話してくれました。

初めての生理の事も、胸が膨らんでいくことも。

まるで母親のようでした。

でも、それは本物の母親ではなく所詮は偽物、

時には揉めたりしましたけど今こうして生きていられるのは

優さん達のお陰なんす。





「だからあっしは恩を返すためにここで技術者として働いてるんす。

これが誰にも話したことのない過去」

「……涼子も両親を亡くしたんだ」

「ええ、ですからここが家みたいなもんで優さんは母親みたいな存在っす」

「……涼子は泣いた?」

「え?」

涼子は友春の質問の意味が分からず思わず変な声を出してしまった。

「両親が死んでから一度でも泣いた?」

「あっしがすか?泣くわけないじゃないですか~」

「……俺は泣いたな」

「……」

「毎日泣いた。泣いて泣いて泣きまくってそれで今まで過ごしてきた。

でも、もしあの時泣いてなかったらたぶん俺はここにいなかったと思う。

涼子は笑ってるけど心から笑ってないように見えるな」

「泣きたいっすよ!!でも、泣いてたらいつ

あいつらが襲ってくるか分からない!!これ以上

あっしみたいな人を出したくないんす!!」

「泣いちゃいなよ」

友春は突然起き上がったかと思うと優しく涼子を抱きしめて

耳元で呟き始めた。



「昔は俺らみたいな奴がいなかったから…でも今は違う。

俺がいる。あいつらが襲ってきたら俺が叩き倒してやる。

だから、涼子は泣いて良いよ。俺が許す」

「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

友春にそう言われた涼子は今まで我慢してきた物が一気に押し寄せて

声をあげて泣いた。

プライドとかそんなものを全部捨てて友春の胸で今まで我慢してきた

悲しみを大粒の涙とともに体から出していった。



「すみません、みっともないとこを見せちゃって」

「良いよ、別に。気にしない」

「あ、あっしが気にするんすよ!!」

涼子は恥ずかしいのか顔を少し赤くして友春とは別の方向を向いた。

「ん~よく分からん。ま、良いや。そろそろ帰るわ」

「え?もう帰るんすか?」

涼子はまだ一緒にいたいのか思わず友春を止めてしまったが

すぐに自分がした事に気付いたのか顔を真っ赤にして取り消しを頼んだ。

「な、ななな無しっす!!今の無しっす!帰っちゃって結構っす!!」

「はは!ひどいな~期待したのに」

「ふぇ?……な、なななななな何言ってんすか!?」

「はははははは!!!冗談冗談、顔がトマトみたいに真っ赤だよ!」

「う、うるさいっす!!!」

「はは!!じゃあな!!」

友春は楽しいのか大笑いしながら部屋から出ていった。

「……ド、ドキドキが止まんねえっす…顔も赤いし」

涼子は顔をペタペタ触りながら火照っている事に気づいて

慌てて部屋から出ていった。



「あ~面白かった」

「世話をかけたな、友」

「優さん」

友春が廊下を歩いていると曲がり角から優が出てきた。

「聞いてたんですか?」

「まあ、通りがかりにな。あの子は本当に笑いも泣きもしなかった。

何か欲しいものを与えても嬉しそうにはしていたがどこか心の底から

笑っている様には見えなかった。でも、さっきの彼女を見て安心した。

君になら涼子を任せられる」

「何言ってんすか~俺はただ膝枕してもらって相談に乗っただけですよ」

「そうか……もう帰るのか?」

「ええ、そろそろ彩加も帰ってきますしね」

「分かった。ちなみに今日は宇宙だぞ」

「へ~そりゃ見たいですけどまた今度。彩加がもう帰ってくるので」

「ふ、シスコンもここまでくれば若干引くぞ」

「シスコンじゃない。少し心配性なだけです」

そう言い友春は転移装置で地上にまで転移された。

ちなみに宇宙なのに艦内が無重力じゃないのは重力発生装置なるもので

地球と同じ重力を作り出しているとかなんとか。


こんばんわ~更新するのは三日ぶりかな?

まあ、ネタがなかったので涼ちんの過去を書いてみました。

それよりも、明日にエロゲーのdracu-riot!が発売なんですが

めちゃくちゃ欲しい!!!!あ~早く30日になんねえかな!!

それで虎の穴で注文して翌日に送られてくるのに!!

てことで感想待ってま~す。

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