第6精霊
「zzzzzzzzz」
友春は先日の疲れからか普段なら起きる時間になっても
起きずに熟睡していた。
すると友春の部屋に下着姿の彩加が入ってきた。
彩加は友春の顔を覗き込み何回か息を吹きかけてみたりするが
まったく起きる気配がないのを確認すると満面の笑みを浮かべた。
「失礼しま~す」
彩加は友春を起こさないように布団を少し捲り空いている空間に
自分の体をねじ込ませ友春に抱きついた。
「は~暖かい。お兄ちゃんの体は暖かいな~」
彩加は彼の温もりに顔をだらしなく歪ますと匂いまで嗅ぎ出した。
「ん~いい匂い。お兄ちゃんの匂いは何度嗅いでも飽きないな~」
さらに彩加は足を友春に絡ませようとすると何かに足が触れた。
「ん?なんだろ」
気になった彩加は布団の中を覗き込むとそこには男の子の
ある部分が起立してパンツを上げている光景が見えた。
「こ、これって確か……あ、朝勃ちって奴だよね」
彼女は恥ずかしいのか顔を赤らめて興味本位で彼の
寝間着に手を入れてみた。
「す、凄い…硬くてなんだか暖かい」
「何をしてんだお前は」
「ひゃ!」
「うくぅ!」
彩加は急に聞こえてきた友春の声に驚きその拍子に
彼のあれを思いっきり握ってしまった。
下着越しならまだしも直にである。
「ど、どうしたの?お兄ちゃん」
「べ、別に何でもない」
握られた瞬間、一瞬だけ快感が全身を駆け巡ったのは彼だけの秘密。
「で、なんでお前はここにいるんだ?」
「え、えっと…駄目?」
「だ、駄目…じゃない」
{そ、そんな目で見るな!!か、可愛すぎる!!}
彩加は涙目+上目づかいで友春を見つめると彼は否定をしない事を
知っていたのである意味チート技でもあった。
「じゃあ、ずっとこうしてるもん!」
「まあ、良いけどさ!!」
「きゃ!」
彩加がほっとした瞬間に友春は自分の方へさらに近づけ
ギュっと抱きしめた。
二人の顔の距離はキスができるほど近かった。
「ふふ」
「どうかしたのか?彩加」
「ううん、幸せだな~って」
それから二時間ほど二人は抱き合ってベッドの上でゴロゴロしていた。
ようやく二人が動き出したのは一日の半分が終わった時間だった。
彩加は部活動があるらしく友春の作った弁当を持って学校へといった。
ちなみに何の部活動かまでは聞いていない。
「暇だな~……寝よ」
『ちょーーッと待てぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』
友春が再びベッドに行こうとした瞬間、机の上に置いておいた
メモリから大きな叫び声が聞こえてきた。
『おいおいおい!!!妹とイチャイチャしてると思ったら
また、寝るってか!?馬鹿言うな!!特訓しろ特訓!!』
「え~嫌だ。めんどい、暑い、眠い、動きたくない」
『駄目だ、こいつ完全にニートになってやがる』
するとメモリの横に置いてあった携帯から彩加の歌い声が聞こえてきた。
『お、お前。携帯の着メロすら妹なのか?』
「そうだけど…常識だろ?」
さも当然のように言う友春にファーブニルはこれからの
彼の人生に一抹の不安を覚えた。
「んん!!」
友春は一度咳払いして電話に出た。
『あ、友ちんすか?』
「お掛けになった番号は現在使われておりません」
『あれ~?ミスっちまったすか』
そう言い向こうは電話を切った。
「ふ~寝よう」
『馬鹿かぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
ファーブニルが叫ぶと同時にもう一度電話が鳴り響いた。
「お掛けになった」
『もう良いっすよ、友ちん。バレバレっすから!!』
「分かってるならかけてくるな」
『まあまあ、そう言わずに~艦長がお呼びっすよ。すぐに来いだってさ』
「え~」
『ちなみに拒否したら怖いことが起きますよ』
「どんな?」
『後ろに艦長がいるとか』
「まっさか~俺は行かないぞ~」
そう言った瞬間肩に異様に冷たい手が置かれた。
「……や、やっぱ行こうかな~俺暇だし」
『そうっすか!?ならそう言っとくっす!!拾う地点は後で送るっす!』
それを最後に電話は切れ、異様に冷たかった手の感触も肩から消えていた。
友春は恐る恐る後ろを振り返るが誰もいなかった、だが確かに
肩にあった異様に冷たい感触はあった。
彼は全身を震わせ冷や汗をだらだら出して急いでメモリを持って
送られてきた地点にダッシュで向かった。
友春が送られてきた地点にたどり着くと白衣を着た優と涼ちんがいた。
「やあやあ、よく来てくれたね」
「お久~っす!友ちん!」
「お、おう。で、用って何なんですか?」
「ふむ、君には強くなってもらわなければならない」
「はあ」
「ということでだ、うちの戦闘馬鹿どもと生身で戦ってもらう」
すると優たちに転移装置からの光が照射され艦に転位させられた。
転移させられた場所は艦の中にある道場室の前だった。
中を覗いてみるとそこでは筋肉ムキムキな男性達が戦いあっているのだが
どう見ても喧嘩にしか見えない戦い方でやりあっていた。
「あ、あの、この方たちは?」
「さっきも言っただろう。三度の飯より闘うことが好きな
戦闘馬鹿どもだ。主に警護担当だがね」
「艦長、この方が」
すると部屋から一人の男性が出てきた。
「ああ、そうだ。徹底的にやってくれたまえ」
「分かりました!!!」
「え、ちょ!!」
友春はムキムキな男性達に捕まえられ部屋に中へと連行された。
「優さん!?涼ちん!?笑ってないで助けてよー!!!」
優と涼ちんは笑顔で手を振って友春を見送った。
友春が解放されたのは実に3時間ほど経ってからだった。
胴着を着ているのだがそこから汗がぽたぽたと床に滴り落ちており
友春の顔はまるで何もかもに絶望した者ような表情をしていた。
「はい、お疲れさまっす!あっちにシャワールームがあるので」
そう言われた友春は無言で頷きふらふらとしたおぼつかない足取りで
シャワールームへと向かっていった。
「し、死ぬかと思った」
「お疲れさまっす、はい」
「ありがと」
シャワーを浴び終わった友春は休憩室にあるベッドで
横になっていると涼ちんがひんやりと冷たい水を持って来てくれた。
「ふぅ~、生き返る」
「言いすぎっすよ~」
「いやいや、言いすぎじゃねえよ」
それから他愛もない事を話していたりして時間を潰していたが
急に涼ちんが思いついたかのように言いだした。
「友ちん、枕なくていいんすか?」
「ああ、僕は別に良いよ。なんなら膝枕でも
してくれるの?まあ、冗談」
「良いっすよ」
「……マジ?」
「マジっす!はい、どうぞ!」
涼ちんは椅子から立ち上がってベッドに座りこむと膝に
友春の頭を置いた。
「どうっすか?あっしの膝枕は」
「まあ、その、良いです」
「ふふ、そうっすか」
「………涼ちんは何でここにいるの」
友春は膝枕をされながら気になったことを彼女に質問した。
涼ちんほど若い人間は彩加と友春ぐらいしかいない、さらに二人は
精霊が憑いているという特殊なので涼ちんが在籍している
理由が分からなかった。
「……聞きたいっすか?」
「あ、いや別に嫌なら」
「嫌って訳じゃないんすけど……友ちんになら良い」
「……じゃあ、聞かせて」
それから涼ちんのここに在籍している理由が話され始めた。
駄目だ、全くネタが思いつかん。
まあ、頑張っていきますのでよろしくお願いします。
後、感想なんかくれたら嬉しいです。それでは!!!!




