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精霊   作者: ケン
ファースト 目覚めの炎
5/50

第4精霊

その頃、彩加は精霊二体との戦闘で劣勢の状況だった。

レヴィアタンという精霊が己に宿っていても戦うのは己、己が

弱ければレヴィアタンがどれだけ強くても宝の持ち腐れになってしまう。

「きゃ!」

彩加は青色の精霊の攻撃をジャベリンで防ぐが先程とは違い

かなり体力が削がれているので完全には防げず余波で飛ばされてしまった。

「痛たたたた」

「弱い弱い弱い!!レヴィアタンの力はこんなものか!!」

巨大な弓をもった精霊は狂気に顔を歪めて笑いながら

矢を何発も彩加に向けて飛ばしてきた。

「舐めないで!!!」

彩加はジャベリンから水の龍を生成して相手に飛ばすが

剣を持った精霊と弓の精霊の同時攻撃で破壊されてしまった。



「暇つぶしにはなったがそれ以上ではないな。そろそろおねむだ」

「ちぇ!こんなもんか」

突然、弓に莫大な力が溜められていき弓を引き絞ると

矢の先端に見えるほどのエネルギーが蓄えられていき

そのエネルギーが矢の全体を包み込み一本の巨大なエネルギーの矢に変わった。

「終わりだよ」

引き絞っていた指を離すと地面を抉りながら矢が彩加に放たれた。

{お兄ちゃん!!}

彩加は脳裏に友春を思い浮かべた。

何か困ったことがあればどんな時でもどんな場所でも

すぐに来てくれて問題を解決してくれた。

その想いは兄妹の範疇をはるかに超え愛へと変わっていた。



「何?」

しかし、その弓は放たれたのは確かだが彩加にはと届かず

炎によって燃やしつくされた後だけが残っていた。

「誰だ!!!」

弓をもった精霊は自身の最大の攻撃を防がれた事にイラついているのか

大声を上げながら辺りを探していると空中から何本もの火球が二人めがけて

飛ばされてきた。

「こんなもの!!」

二人は己の獲物を使ってその火球を防ぐと二人の目の前に

一人の男性が立っていた。

「誰だ貴様は!!」

「妹を助けに来た兄貴だ」

「お、お兄ちゃん」

「遅くなってごめんな彩加。俺も戦う

お前だけに辛い目には合わせない」

友春はそっと彩加を抱きしめると彩加は安心したのか

目から大粒の涙をぽろぽろと溢れ出して泣き始めた。

「ちょっと待っててくれ」

「うん」

そう言い友春は彩加から離れると二人の向き合った。

「まあ、よくもここまでしてくれたな」

「誰だと聞いてるんだよ!!!」

弓をもった精霊は連続で矢を放つがその矢は当たることはなく

全て炎によって燃やしつくされてしまった。

「ただの人間が炎だと!?」

「違う、奴にはファーブニルが憑いている」

「へ~じゃあ、殺さないとな!!!」

「俺はやられねえ。お前たちを倒す、行くぜファーブニル」

『よっしゃ!!久しぶりの戦いだ!!!』

友春はメモリを手首に触れさせると赤色に輝きだし

体内にファーブニルが送られた瞬間友春を炎が包みこみ、辺り一帯に

炎陣が現れそこから炎が噴出され炎の海と化した。



「どわっち!熱ちちち!」

「ひゃっはー!!俺の炎は最初から最後まで

テンションフォルテッシもだぜ!!」

炎が晴れるとそこには髪色が紅色に変わり赤色の甲冑を

着た友春が姿を現した。

「さあ、炎のパーティータイムだ!!」

友春は地面に拳を打ちつけると地面から火柱が連続で立ち上り

弓をもった精霊に向かって進みだした。

「はぁ!舐めるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

先程の巨大な矢を今度は連続で放つが炎に弓が接触瞬間に

一瞬にして灰と化した。

「な、何ぃ!?」

そのまま火柱は進んでいき弓をもった精霊に直撃するかと思われたが

剣を持った精霊が斬撃を飛ばして火柱を切断した。

「ふん、流石はファーブニルだ。楽しませてくれよ?」

「上等だ!!楽しすぎてテンションフルスロットルだぜ!!」

友春は全身から炎を吹き出しその噴射力でロケットさながらの移動方法を

使って精霊と正面から衝突した。

「わっしょーーーーい!!!」

「はははははははは!!!!楽しい!!確かに楽しいぞ!!」

「おらおらおら!!!!」

「ふはははははははははは!!!!」

友春が連続で炎の拳をぶつけるが相手も剣を連続で振るい

辺りには炎と斬撃が飛び散り鉄を打つ音が響いた。



「あ、あんな暑苦しいところはごめんだ、あたしは逃げ」

「させないわ」

「あ、足が凍ってやがる!!!」

精霊が飛び立とうとするが足がいつのまにか固まっており

動けず焦っている所に彩加がジャベリンを持ってやってきた。

「レヴィアタン!!何故人間の肩を持つ!!人間は滅ぶべき存在だ!!」

「……あなたには説得しても無駄ね。さようなら」

彩加はジャベリンを地面に突き刺すと先程放った水の龍の液体が

集まっていき巨大な竜が再構成されたが先程と違うのは水ではなく

氷の龍という点だった。

「あぁぁぁぁぁぁ!!!!」

精霊が断末魔をあげた頃には氷の龍が直撃し全身凍りづけになっていた。

「ふん」

彩加はデコピンを氷にすると氷がガラガラと音をたてて砕け散った。



「よっと!」

二人は一旦距離を離した。

「楽しかったよ。また会おう」

「あ、待ちやがれ!!!」

友春が炎をジェット噴射させてロケットのように近づいていくが

精霊の方が早く空間に穴をあけてその中に入り消失(ロスト)した。

「な、何だあれ!?」

『あれは精霊なら誰でも使える空間術だ。あれを使われたら

もうどこに行ったのかは分からん』

「そっか……戻すか」

友春はメモリにファーブニルを戻すと彩加のもとへと走っていった。

「彩加!!」

「あ、お兄ちゃん」

「あいつは?」

「……死んだよ」

「え?」

一瞬、彩加ではない彩加が現れた感じが一瞬だけしたがすぐに

その感じは消えいつもの彩加に戻っていた。

「ううん、なんでもない。帰ろ、お兄ちゃん」

「あ、あぁ」

そう言い二人は仲好く帰っていった。

如何でしたか?感想お待ちしております。それでは!!!

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