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精霊   作者: ケン
真のファイナル ユウ
48/50

第47精霊

友春たちの攻撃により、大地は大きく揺れ、いたる所にひびなどが走っており

場所によってはすでに陥没している個所もあった。

「ハァ……どうだ?」

友春は加奈たちがいる場所へと炎を吹かして合流し、

砂埃が舞っている場所をジッと眺めていた。

あれほどの攻撃をうかていながら無傷なはずがない―――――傷の大きさは小さいだろうが

それでも赤色の血を流しているに違いない―――――この場にいる全員がそう思っていた。

「――――まったく。君たちは地球を壊す気なのか?」

爆煙からの声に友春たちはいつでも攻撃ができるように構えるといきなり、

爆煙の中から炎が渦となって砂埃をすべて、上空へと持っていきユウの姿が現れた。

「そ、そんな……ほぼ無傷だなんて」

彩加は目の前のユウの状態に絶望に近い感情を抱いていた。

なぜなら、ユウの体には目立った外傷は一切なく先ほど、肩から流れていた

血もすでに止血されており、傷の完全に癒えているようだった。

「先ほどの攻撃はバリアを張って護ったさ。流石にあれほどの攻撃を

直撃して無傷でいられる気はないからね」

ユウはそう言いながら指先を友春たちの方へと向けた。

「ちっ!」

友春は忌々しそうに舌打ちをしながらも腕を振るい、炎の壁を作り出した瞬間。

ユウの指先が一瞬光ったかと思うと炎の壁の奥にいた全員が凄まじい衝撃によって

後ろに大きく吹き飛ばされてしまった。

「な、何が起きたざんすか!?」

ハモンは驚きながらもどうにかして体制を整え、ユウの方を向くと

彼女の周りにバチバチッという音が鳴っているのが聞こえた。




「おや、雷を扱う精霊でいながら先ほどの私の攻撃が分からなかったのか?」

「……さっき、あなたは指先から雷の槍を一瞬で何本も放ったんでしょ?」

加奈の解答にユウは半笑いを浮かべながら拍手を送った。

「お見事。ハルピュイアを宿す者よ」

「そりゃ、どうも」

加奈は苦笑いを浮かべて赤色の刀を振るい、ユウに向かって電撃で生み出した龍を

五体ほどぶつけるがユウが振るった腕だけによって全て一瞬にして消滅させられた。

「電撃とは言い難いものだな。まるで水のようだ」

「じゃあこれはどうかしら!?」

彩加はそう叫びながらどこかからか大量の海水を持ってきて

十体に上る数の龍を生み出した。

「ハモン! 加奈さん! この龍に電気を!」

「オッケー!」

「わかったざんす!」

ハモンと加奈は考えるよりも先に彩加の指示に従い彼女が生み出した十体ほどの

水の龍すべてに電撃を加えると水の周りがバチバチと音を発し始めた。

「雷で表面をコーティングした水の龍! 喰らえばバチッとするわよ!」

「ついでですわ」

「これもざんす!」

「じゃあ、あたしもだ!」

さらにそこからサクヤの大量の桜の花びらが雷でコーティングされた水の龍すべてを

覆い尽くし、その直後に膨大な量の砂鉄、そしてエルンストの触れれば消滅する

闇の何かをコーティングさせた。

「触れれば感電だけではなく二重に斬られて、ビショビショになり最後に消滅か……面白い」

「行っけぇぇぇ!」

彩加はジャベリンを振るい、ユウに向けてさまざまなもので

コーティングされた十体の水の龍をユウにぶつけた。

「ぐううぅぅぅぅぅぅ!」

ユウは向かってきた一体を自らの拳を叩きつけることで粉砕したがそれにより、

手首から先が一瞬にして感電し、二重に切り裂かれて塵も残さずに消滅した。

「ちっ!」

ユウは忌々しそうに舌打ちをしながらも次々とやってくる

龍に対して攻撃を加えて消滅させていく。





「これであなたの右腕は使い物にはならなくなったわね」

彩加たちの目の前には右腕の肩から先をなくしたユウがたっていた。

先ほどの十体ほどの龍を消滅させている最中に右方向から来た龍に対して

攻撃を加えようとしたのだが手首から先がなかったために一瞬、攻撃が出る

速度が遅くなりそのまま、右腕を持っていかれた。

「…………フフ……フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

突然の笑い声に彩加たちは驚きのあまり、声を出せなくなっていた。

「使い物にならない!? それはこれを見てから言うことだ! ハァ!」

ユウがそう叫んだ直後、存在していないユウの肩から炎が噴出され、

その炎は徐々に形を変えていく。

その形は人間にはなくてはならない物の形をしていた。

彩加たち人間が最もよく知っているものだと言っておこう。

「ほ、炎で腕を無理やり作ったの!?」

彩加は驚きながら、ユウにそう言った。

「……なるほど、俺もやってみよう。うおぉぉぉぉ!」

友春が感心したようにそう呟くと切断された腕の肩から膨大な炎を噴射して

友春はユウと同じことを行い、失った腕を作り上げた。

「うん……指を全て動く」

「ほぅ。私がやったことを一度、見ただけでやってのけるのか……君は末恐ろしいな。

一時的とはいえ二体の精霊をその身に宿した」

ユウは本当に驚いている様子で精霊の姿を取り戻してから常に浮かべていた

余裕の表情を崩して、友春の方を見ていた。

「行くぜ。ユウ」

友春が背中から炎を噴射してユウに近づこうとした瞬間!




―――――ドオオォォォォ!

「うおおぉぉ!?」

突然、友春の目の前の地面を青い光が切り裂いた。

「腕を取り戻したのは良いけど調子に乗るのはダメだよ」

上からの声に、全員が顔を上げるとそこには青色の髪をし何かを背負った少年―――

元精霊の王であるエックスが浮いていた。

そしてその後ろにはトレースもいた。

「エックス様!」

サクヤはエックスの登場に頬を赤く染めながら恍惚な表情を浮かべて喜んだ。

「これはお土産だよ」

そう言いながらエックスが地面に落としたのはすでに死体となった六柱の残りの精霊だった。

「遅いんじゃないのか?」

「悪いね。なかなか手間取っちゃってね」

エックスは地面に降り立ち、友春の横に立った。

「今からあれをやろう」

「…………ああ」

そう言ってエックスと友春は彩加たちがいる後方へと下がった。

「何をする気だい?」

「とても面白いことだよ。見ておきなよ、人間の末路を……行くよ」

そう言ってエックスは手から青白い光を放出しながら友春の肩に手を置いた。

「……分かったざんす」

「あいあい」

「わかりましたわ」

それに続き、ハモン、エルンスト、サクヤ、トレースが自らの力を友春へと流していく。

「くっ! うぅぅ!」

友春は苦しそうな声を出しながらも必死に耐えていた。

「…………必ず、生きて帰ってきて」

友春を愛してやまない二人がそう呟き、自らの力であるレヴィアタン、ハルピュイアの力が

封印されているメモリを友春に突き刺した瞬間、友春から凄まじい閃光が辺りに広がった。

おはようございます。どんどん更新していきますよ!

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