第43精霊
「話って何かしら? 友春君」
友春は屋上にいた加奈をわざわざ、病院の外にある木の下に呼んだ。
「……加奈さん。俺はユウを倒しに行きます」
その決断を聞いて加奈は一瞬、悲しそうな表情を浮かべるが無理やり笑みに変えて
友春に近づき、彼の手をとった。
「そ、そう…………」
手を取ったのは良いが何を話せばいいのか全く分からなくなり、加奈は硬直してしまった。
すると、友春は加奈の手を引いて彼女を優しく抱きしめた。
「と、友春君?」
「……さっき、彩加にも言ったんですが……俺、さっきまで彩加たちが幸せに
なるなら命を犠牲にしてもいい……そう思っていたんです……でも、よくよく
考えたら俺、まだ加奈さんをデートに誘ってないんですよね」
「へ?」
加奈も彩加と同じような表情を浮かべて困惑した。
「いや、だって加奈さんは俺をデートに誘ってくれたんですけど俺は
まだデートに誘ってなかったな~って思って……だから、俺はまだ死ねません」
そう言うと友春は抱きしめていた彼女を離し、彼女を見つめた。
ジッと見つめられた加奈は顔を真っ赤にしながらも、友春の眼から
視線を外すことはしなかった。
「必ず……必ず、ユウを倒します……そして、またあなたの前に俺は姿を現わします。
その時はまた……俺とデートしてくれますか?」
それを聞いた瞬間、加奈は今まで胸の中にしまっていた悲しさが一気に
洪水のように心という入れ物から溢れ出てきて、涙として体外に排出され始めた。
「バカっ……我慢してたのに……貴方を失いたくないっていう気持ちを我慢してたのに!
貴方のせいで我慢できなくなっちゃったじゃない!」
加奈は眼から大粒の涙を流し、体を震わせながら友春に抱きついた。
「……友春君」
「はい」
「…………好きです。私はあの時、あなたに救われた時から貴方の事が好きです」
加奈は今まで友春に抱いていた想いを告白し、彼の頬にキスをひとつ落とした。
「返事は……デートのときでいいですか?」
「はい……待ってます」
そう言って加奈は友春に身をゆだねた。
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