第18精霊
ギュガガガガガガ!!!!ギゴギャガヤギャギャギャギャ!!!!
涼子の部屋の中からはこの世の音とは思えないような音が鳴り響いていた。
扉には『入室厳禁!!!用があるなら5日後に!!!』と書かれている紙が貼られていた。
そんな紙が貼られてから5日後。
「で、出来た。あ、あっしはあっしの頭脳のあまりの出来の良さに打ち震えてるっす!!!」
そう言った直後、涼子はプツンと糸が切れたようにベッドに落ちた。
「ふぁぁ~。眠い」
「お兄ちゃん、いつもいつも思うけど髪の毛直そうよ」
「めんどくさいの」
「しかし、身だしなみは大切ざますよ。うんうん大切ざます」
友春と彩加、そしてハモンは優に呼ばれて自分のメモリをもって
今日は深海に停泊している母艦に来ていた。
「やあ、よく来てくれたね。入りたまえ」
優に迎えられて入った部屋は結構な広さの部屋だった。
「ここって特訓場ですか?」
「うむ、もともとは隊員用だったんだが増設することになってね。
隊員用は別の所に新たに作りここは君たち精霊の力を持つ者専用だ。
まあ実質君たち専用だがね」
「でもここで何を」
「これをっすよ!!」
「うげぇ!!」
友春が質問した直後いきなり涼子が友春に後ろから抱きついてきた。
完全に不意打ちだった友春は前のめりになりこけてしまった。
「涼子!?」
「うっす!おはようっす!!友ちんのお陰で出来たっすよ!!」
ひと先ず友春は涼子に退いてもらいキツイ眼差しを送ってくる
彩加を宥めて説明を聞いた。
「これは先日の失敗をもとに考案したものっす!!友ちん達が
メモリを挿入するごとに辺りには甚大な被害が出てたっす!
でも、そうしないと精霊とは戦えない。そこであっしは
こんなものを開発したっす!!名づけて精霊武器っす!!」
涼子は運んできた机に刀と銃をそれぞれ数本ずつ置いた。
カラーリングは灰色で特に色はなかった。
あるとすればそれぞれの持ち手の所にメモリの挿入口があった。
「まさかここにメモリを挿入するざんすか?」
「そうっす!!そうすれば辺りに甚大な被害を
出さずに精霊と戦闘が出来るっす!百聞は一見にしかず。友ちん
メモリをさして銃を撃ってみるっす!」
「お、おう」
友春は云われるがままに挿入口にメモリを挿入し引き金を引くと
バン!!という銃声とともに炎の弾が放たれた。
「おぉ!!すっげぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「銃は実弾しようではないっすから無限に使えるっす!!」
「これはなんだ!?」
友春は目をキラキラさせながら刀にメモリを挿入すると刀の
刀身に炎が纏った。
「おぉぉぉぉぉぉ!!!カッコいい!!!」
「……お兄ちゃん。完全に特撮に似せてる」
すると一人の研究員が鍛錬場に入ってきた。
優はその研究員から報告を受けると友春たちにも報告し始めた。
「早速だがそれを使う機会が来たぞ。精霊の反応だ」
3人はゆうに連れられて司令室に来ていた。
「今回の精霊はどうやら桜を使うらしい」
「………はぁ?」
「まあ見てくれ」
優が近くの研究員に指示すると目の前の大きなスクリーンには
桜の花びらが大量に舞っている映像が映し出された。
そこには桃色の髪に同じく桃色の着物に身を包んだ女性の姿があった。
「ん?別に何もしてないんじゃ」
「よく見てくれ。彼女の足もとに超解の隊員の死体がある」
よく足元を見るとバラバラに切断された数人の姿があった。
「……サクヤ」
「え?ハモン今何て?」
「サクヤざんす。あいつの名前はサクヤ、桜を使う精霊でその桜は1枚1枚の
花びらが刀の様に物体を斬るざんす。うんうん、斬るざんす」
「サクヤ…か。他には」
「そして彼女はあの方の側近」
「あの方?誰なのそれ?」
彩加がそう質問するとハモンは重い口を開いてこういった。
「すべての精霊を束ねている存在、そして最強の精霊であるエックスざんす」
「……エックス」
「よし、彩加と友春はサクヤの追跡を、ハモンは私と来てくれ」
「了解ざんす」
そう言う事で彩加と友春はサクヤの捜索、及び撃破に向けて外に出かけ
ハモンはエックスの事について話すべく涼子についていった。
「~♪」
一人の女性の周りには美しい桜の花びらが舞っていた。
普通に見ていれば綺麗だと思うのだろうが足元にあるものを見ると
真逆の感情を抱かせる。足もとには何かでバラバラにされた超解の
隊員の姿があった。
その体は精霊の攻撃にも耐えうる高度を持つ装備がその装備ごと
腕や足が切断されていた。
「ふふふ、サクラは綺麗。桜はそこにあるだけでどんなものでも美しく見せてくれる」
女性はにこやかに笑いながら桜の花びらとなりどこかへと消えた。
こんばんわ~。ん~評価がもらえないということはやはり
まだまだということなのですね!!!!!!これから精進していくっす!!!