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精霊   作者: ケン
サード サクヤ姫
18/50

第17精霊

夏の暑いお昼、一人の少女がキョロキョロと挙動不審気味に辺りを見回していた。

それが道端で、屋根の下だとか路のど真ん中でならばまだ誰かを探しているんだなと

通りすがりの人は考えるだろう。

だが、しかし狭い路地で帽子を深くかぶりグラサンをかけている人がしていれば話は別である。

「………あいつは一体何をしてるんだか」

待ち合わせ場所に来た友春は一目でそれが誰なのかが分かってしまった。

「涼子」

「にゃはぁ!?にゃ、にゃぜ分かったんすか!!!!」

「……うん、まあひと先ずこの場を離れようか。いや、その前にその帽子…

は良いや、グラサンは取ろうね。うん」

友春がグラサンを涼子から取ると自分にかけてしまった。

「へ~。結構太陽の光をさえぎってくれんだな~」

「うぅ~眩しいっす」

「ま、そのうち慣れるさ。じゃ、行こうか」

こうして涼子と友春のデートが始まった。



「ところで友ちん。どこに行くんすか?」

「へ?適当にブラブラと歩くんだけど」

それを聞いた涼子はかなりショックを受けた。

{あ、あっしをデートに誘ったわけじゃないんすね…は~

……って何デートとか言ってんすか!!!これは…そうっすよ!!!散歩っす!!!}

涼子はそう自分に言い聞かせて友春の方を向いたのだが…

「友ち……」

「あの、今暇ですか?だったら私たちとどっかいきません?」

「え、えっと」

逆ナンされていた。

それを見た涼子はどこかからかムカムカとした感情が溢れ出して来た。

「ほら、さっさと行くっすよ!!!」

「え、ちょ!おい!!」

涼子は友春を無理やり引っ張っていった。

一方、逆ナンをしていた方はというと。

「優さん、ミッションクリアです」

『ん、引き続き頼む』

ちゃっかり涼子のお出かけを全面的にバックアップしていた。



「いらっしゃいませ~」

2人は昼ごはんがまだということもありファミレスに入った。

「あら、友春くんじゃない」

「やっほ~雪原」

2人は案内されたテーブル席に座り注文をどれにするか考えていた。

「んじゃ、俺はデラックストロピカルフレッシュパフェで」

「ん、そちらの彼女さんは」

「か、彼女じゃないっす!!!え、えっとあっしはイチゴパフェ」

「あ、あとコーラも」

「ん、了解。コーラは向こうで自分でいれてきてね」

雪原は注文を受けると厨房の方に向かっていった。

友春はコーラを入れに行こうと向かうがそこにまたまた雪原が立っていた。

「また職務放棄か?」

「良いの、今の時間帯というよりずっと暇だしね」

「よく潰れねえよな」

「まあね、ここは店長の趣味みたいな場所だし。それに忙しい時は

とっても忙しいのよ」

「ふ~ん」

友春はジョロジョロとコップにコーラーを注いでいると雪原が質問をしてきた。

「ところであの子は?あんたがいつも連れてくる女の子では見かけない子だけど」

「御幣を生むような言い方をするな。あいつは俺の職場の先輩だよ」

「ふ~ん。あんたって本当に女の子には困らないわよね」

「ん?女の子に困る?どゆこと?」

「分からないなら良いわよ。ほら待ってるわよ」

「お、おう」

友春はふてくされ気味の涼子のもとに向かっていった。

「覚えててくれてないのかな~」

そんな雪原の呟きは本人以外、誰も気づくことはなかった。



昼食を食べ終わった2人はまたブラブラと歩き続けているうちに夕方になっていた。

「ふ~結構な距離歩いたっすね」

「まあな。お、公園行こうぜ」

友春と涼子は誰もいない小さな公園に入っていきブランコに乗った。

その公園は結構古いのか遊具の数もそんなに多くはなく所々錆びがあった。

「なあ、優さんに聞いたんだけど最近失敗ばっかしてるんだって?」

「……ええ」

友春がその話をし始めると先程までの楽しそうな表情が嘘のように暗いものになった。

「ふ~ん。俺にはさそんな難しい事は分かんないんだけどさ、そんな気負うなよ」

「そう言われても…あっしが相手してるのは精霊っす。ひとつ間違えれば

凄まじいほどの被害が発生するっす」

「ん~そうなんだけどさ、そんなにずっと気負ってたら

いつかめちゃくちゃでっかい失敗をするぞ?」

「………」

それ以降、涼子は黙ってしまった。

「ま、お前なりに行きなよ。とう!!!」

友春は漕いでいるブランコから勢いよく飛び出して空中を飛んで地面に着地した。

「俺は精霊を倒す。お前は研究して俺たちを助けてくれ、な?」

「っ!!!!」

友春の笑顔を見た涼子は心臓が大きく跳ね上がった。

ずっと心につっかえていたものがすっと落ちたような感じで今自分は

満たされているような幸福感を感じていた。

「ふふ、そうっすね。あっしは友ちんを援護するっす。そのメモリを

使わずに戦えるように………使わずに?」

涼子は自分に言ったことに疑問を感じた。

今まで、メモリに封印しているファーブニルやレヴィアタンをひとたび開放すれば

辺りに甚大な被害が出ていた。

さらにそこから精霊との戦闘が始まればその被害は倍以上になる。

そしてもう一つ、涼子の頭の中には先日の失敗が頭に思い浮かんだ。

「そう言えば…PCにメモリをさしたらファーブニルがそのなかに……あ!そうか!!!」

「????」

「そうか!!!そうっすよ!!友ちん!!!ありがとうっす!!」

涼子は友春にお礼を言うとすぐさま思いついたことをまとめるために

母艦に戻っていった。

こんばんわ~如何でしたか?

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