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精霊   作者: ケン
サード サクヤ姫
16/50

第15精霊

夏休みも終わり一か月ほど経った本日、友春が在籍する学校では

ある物が発表されるということもあり生徒のほとんどが浮ついていた。

言い例えるならばバレンタインの日の男子の浮ついた感じとでも言っておこう。

その変わった様子に友春は疑問の念を感じていた。

「なあ、優」

「なんすか?」

「なんで皆こんなにまるでバレンタインの日の様に浮ついてるんだ?

なんかやけに皆顔がにやけてたけど」

「……あぁ!今日はあの日っすよ!!」

「あの日?」

「ほら!ランキングの発表っすよ!!」

「あ~…あれね」

友春の学校では二ヶ月に一回ランキングというものが掲示板に張り出される。

そのランキングの内容は多種多様で例をあげるならばきりがないが

一つ上げるとイケメンランキングなどである。

これは教師やPTAも公認の物でもある。

認めている理由は競争心が生まれるからとからしい。

「ちなみにあっしは前回のランキングに載ったっすよ」

「えっと確か美人ランキング5位だっけ?」

友春がそう言うと優はほんのり頬を赤くして俯いた。

「そ、そうっす」

「ランキングね~…あんまし興味無いな~」

「そう言えば友ちんは前回も載ってなかったすよね」

「まあな、そろそろチャイムも鳴るし俺は戻るわ」

「はいっす!!」

友春は優と分かれて教室に戻るとやはりクラスメイトも浮ついていた。


「あ、友春!!」

「桜か、何か用か?」

「何か用かってあんたね!!今日は何の日か知ってるの!?」

「知ってるよ。ランキング発表の日だろ?」

「そうよ!!なら何であんたはそうやって呑気に

寝ようとしてんのよ!!見に行くわよ!!!」

「お、おい!!」

そう言うや否や桜は友春の手を掴んで無理やり引っ張っていきもうすぐ掲示される

ランキングの掲示板まで連れていかれた。

2人が張り出される場所についたころには既にかなりの人数の生徒が集まっていた。

普段はがらんとしている殺風景な場所で知られている広場も二カ月に一回は

このように多くの生徒で埋め尽くされる。

「ちっ!!一足遅かったか!!」

「女の子が舌打ちなんかするなよ」

「ふん!女だってね!!舌打ちくらいするわよ!!」

「何そんなに怒ってんだよ」

「別に怒ってなんかないわよ!!馬鹿!!」

桜は友春にそう言うと自分の友人たちが集まっている場所に歩いて行った。

一人残された友春はさっさと帰って宿題を終わらせようとするが運悪く

ランキング表が張り出されたことにより多くの生徒達がこぞって我さきに

見ようと一か所になだれ込んだため友春は帰れに帰れなくなってしまい

なんやかんやしているといつの間にか先頭まで押しだされていた。

「は~。早く宿題終わらせたいのに……ん?」

「………」

友春がふと眼線を横に向けると長い黒髪をゴムで縛っている女子がこちらを見ていた。

しかし、その女子生徒はすぐさまどこかへと去っていった。

「あの人は………誰だ?」



その友春を見ていた張本人である女子生徒は生徒会室に入っていった。

そして中に入るとカーテンやドアの鍵をすべて閉めて椅子に座り

備え付けられているテレビを使いある映像を見始めた。

その映像はこれまで友春が精霊と闘ってきた映像だった。

「彼がファーブニルに憑かれた少年か~…まさかこの学校にいたなんてね」

女子は映像を止めると机から一枚の書類を取り出した。

そこには友春の顔写真と生年月日からこれまでの経緯が事細かく書かれていた。

「ん~どうしよっかな~…この情報を超解に送ったら面白そうなことになるけど

面倒なことにもなりそうね……どう思うハルピュイア」

女性は胸ポケットから緑色のメモリを取り出しそれに話しかけると

そのメモリから声が聞こえてきた。

『確かに面白くはなるだろうがお前にも迷惑は来るな』

「それだけは勘弁してほしいのよね~あたしめんどくさいこと嫌いだし」

『そう言っていつも貴様は通販などで済ましているな。たまには

自分で料理くらい作ればどうだ?将来貰い手がいないぞ』

「ん~?残念だけどあたしは引く手数多なの。男の方から近寄ってくるわよ」

『その自信はどこから来るんだか』

メモリから聞こえてくる声はとても呆れたような声をしていた。




そして放課後、友春が帰ろうとすると日向に呼び止められた。

「なあ、友春。またお前載ってなかったな」

「……その、『お前ランキング外なんだってな!!ざまあみやがれ!!』

みたいな目で俺を見るのはやめてくれないか?」

「ふはははははは!!!聞いて驚くな!!」

「まだ何も言ってないのに」

「俺様はな!!イケメンランキングに90位に!!そして

情報屋ランキングでは堂々の一位なんだぞ!!」

「情報屋何かお前しかいないだろ」

「けっ!ランキング外のお前に言われたかねえやい!!」

「友ちんも載ってたっすよ~」

横から先に終わったのかカバンを持った優が話に割り込んできた。

「俺が?何に」

「確か女子に人気ランキング5位っすよ」

それを聞いたとたんに辺りの男子生徒の目線が一気にきつくなり日向は

涙目になってガックリと肩を落とした。

「けっ!!これだからイケメンは嫌いなんだ!!この野郎ーーーー!!!!」

そう叫びながら日向は教室を出ていき廊下を全力疾走で走っていった。

「帰っるすよ友ちん」

「あいあいさ」



「少しいいかしら?」

2人が下駄箱に向かって歩いていると後ろから誰かに呼び止められた。

「ん?はい、何でしょうか」

「いえ、少し貴方とお話をしたいなと思いまして」

「は、は~」

「ダメっすよ友ちん。さっさと帰るっす!!」

「ちょ!優!?」

優はその女子生徒の姿を見るや否や友春の手を掴み無理やり引っ張って玄関を

出ていき走って帰っていった。

「……あら、残念。振られちゃった」

『当たり前だ。あの組織にいる奴に見られたんだ。振られるものも振られる』

「そうよね~……暇だな~」

『そんな暇なお前にグッドニュースだ。精霊が出たぞ』

ハルピュイアがそう言うと女子生徒は今まで優しそうな雰囲気から

黒いオーラを放ち始め気味悪い笑みを浮かべた。

「ふふふふ、留学終わりだけどこっちの精霊でも満足できるかしらね~」

そう言い女子生徒は人気の少ないところまで行くとメモリを手首にさし

力を送り込むと女子の体を緑色の輝きが包みこみどこかへと飛んでいった。

うえぇぇぇぇん!!!誰か感想をくださーーーい!!!

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