クラスメートを助けるために大聖堂に乗り込みました
私はレックスに化け物って周りに思われていると聞いて、やけになっていた。
もう良いのよ、良いのよ!
他の奴がどう思おうと、もうどうでも良いわ!
私は私なりに皆のために必死にやっているのに、その結果が周りに化け物だなんて思われているなんて……
そうよ。天才の考えは、凡人には判らないのよ!
そう、そうに違いないわ!
私はそう思うことにした。
そうだ、いろいろ改革した信長も、周りになかなか理解されなかった。だから魔王扱いされたのだ。そうだ、そうに違いない!
私は初めて、信長の孤独がわかった。
「なに言っているか、わからないけど、単に、リディのは思い立ったら考えなしに突撃しているだけでしょ」
後でブツブツ不平をベティに言っていたら、ズバっと言い返されてしまった。
「何よ、それは?」
私が訳わからずに聞き返すと
「向こう見ずというか、後先考えていないというか」
「えっ、それって私は何も考えていないって言っているの?」
むっとして反論したら
「事実じゃない。私も助けてもらった分際で何も言えないけれど、私の所に来る時もちゃんと計画練って遠征してきたの?」
「少しは考えたわよ」
私はベティに反論した。
「何を考えたの? あんたの事だから、自分一人で突入して、破壊するだけして、後は逃げれば良いって思っていたんでしょ」
「ちゃんと考えているじゃない!」
私が言うと、
「それを考えていないって言うのよ。普通は敵の戦力がどれくらいで、そのためにはどれだけの戦力が必要か考えてそれを揃えて、なおかつ想定以上の敵がいたらどうするか、シミュレーションしてから戦うのよ! あんたのは全部行き当たりばったりじゃない!」
「ふんっ、私の第六感が大丈夫だって言ったから大丈夫よ」
「それ、あなたが今まであなたより強い相手と当たったことがないからそう言えるのよ。何も考えていないと、強い相手と当たった時が死ぬ時になってしまうわよ」
その時にベティに言われたのだ。
でも、後で言われても、何の助けにもならないんだけど……
そう、私はこの時、あんなことになるなんて思ってもいなかったのだ。
王都は私が学園時代の3年間住んでいたところだから、ある程度は判っている。
クラスメートや剣術部の面々と休みの時はよく出歩いていたのだ。
当然大聖堂の位置も判っていた。
王都へはモスリムから本当にひとっ飛びだった。上空から見ても多くの建物が密集しだして、すぐに判った。前の目標の王宮は完全に消滅していて遠くから見ても判らなかったけれど、大聖堂は建物自体が大きく高い塔があるのですぐに判った。
ランドン・カーショー教皇とは数度会った事がある。王宮であったなんかの式典だったが。
「あなたが、インスブルクの王女殿下ですか」
と、どこの馬の骨だみたいな感じで私を見下してくれたのを覚えている。
なんかとてもいけ好かない男だった。
その男が今もポーラを拷問しているかと思うと私は許せなかった。
ぐんぐん大聖堂が大きくなってきた。
「おい、竜だぞ」
「竜王国が攻めてきたんだ」
「おい、誰か乗っているぞ」
「あれは金髪の山姥だ。金髪の山姥が攻めてきたぞ」
街は大混乱に陥った。
私は私を金髪の山姥と呼んだ男をやっつけてやりたかったが、
「リディ、大聖堂だぞ」
後ろからレックスに注意されて諦めた。
「ドラちゃん! 大聖堂のステンドクラスから突っ込むわよ」
逃げ惑う人々の上を一気に大聖堂に向かう。
ドラちゃんは勢いそのままに一気に大聖堂の巨大なステンドグラスに突っ込んでくれた。
ガシャーーーーン
巨大なステンドグラスは一瞬で砕け散って、私はホールに突入したのだ。
ダンッ
そのついでにドラちゃんはそこにあった巨大な聖女像を引っかけていたのだ。
バシンッ
ドシンッ
そして、地面に倒してその上に着陸してくれた。
聖女像はドラちゃんの体重を受けてあっさりと粉々になっていた。
「おおおお、何という罰当たりな化け物だ。聖女様の像を壊すとは」
司祭が呟いてくれた。
「何ですって!」
この司祭は私のことを化け物呼ばわりしたわよ。さっきの男も山姥呼ばわりしてくれたし、レックス等の件もあったから、私は完全に気が立っていた。
「ギャッ」
私は飛び降りついでにその男を蹴倒していた。
不可抗力だ……
男は泡吹いて気絶していた。
「リディ、さすがにやり過ぎじゃないか」
レックスが注意してきたが、仕方がないじゃない。私の虫の居所が悪かったのだ。
「竜姫様はトカゲの親玉呼ばわりした司祭を怒りのあまり足蹴にされたのだった」
「レナード、それよりもポーラの場所は」
私はくだらないことを言っていたレナードに聞いていた。
「その男に聞けばよろしかったものを」
ブツブツレナードが言うが、気絶させてしまったから聞けないわよ!
私がじろりとレナードを睨むと、
「この真下ですな」
やっとレナードが教えてくれた。
「ドラちゃん」
ドカーーン!
私の言葉にドラちゃんが頭突きをしてくれた。
地面に大きな穴が開いた。
穴から覗くと、そこには天井から吊り下げられた血だらけのポーラがいたので、私は慌てて飛び降りたのだ。
そして、ポーラの鎖を切り落とすと、ポーラを抱きかかえたのだ。
「ポーラ! 大丈夫?」
私が叫ぶと
「リディ様」
ポーラがかすかに目を開けてくれたのだ。
私は少しほっとした。
でも、体中傷だらけだ。
ポーラをこんなにまでした奴を私は許さないと思ったのだ。
私の中に怒りがふつふつとわいてきた。
「やっと来たか、竜娘よ」
そんな時に後ろから男の声が聞こえた。
振り返るとそこには嫌らしい笑みを浮かべた教皇とそれを取り囲む黒ずくめの男達がいた。
私は怒りを向けるターゲットを確認したのだ。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
続きは今夜です。
怒りのリディ対教皇の罠はどうなるのか?
お楽しみに!
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