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新生竜王国が誕生し初代国王に就任しました

 そして、ついに私の戴冠式の日になった。


 私は必死に王になるのは嫌だと抵抗したのだ。

「リディ、諦めるしかないって。大丈夫、俺たちがフォローするから」

 でも、レックス等にまで言われてしまった。皆が必死に頷いてくれるその様に私は頷くしかなかった。そんな状況になるまで、マトライに持って行かれたのだ。


 マトライは私より二枚も三枚も上で、私に何の断りもなく、この始まりの地モスリムに私の戴冠式のために出てくるようにと各地の領主達に大量の招待状を送ってくれたのだ。それも古竜王国の地域以外のシュタイン王国の領主にもだ。シュタイン王国に喧嘩を売っているとしか思えなかった。


 私の戴冠式の招待状を持って各地の領主や騎士達が次々に集まってきてしまったのだ。さすがにシュタイン本国の連中は少なかったが、古竜王国に領地を接していた領主はちらほらときていた。

 その上、シュタイン王国を除く周辺諸国からも私の国王就任のお祝いが次々に届きだしたのだ。

 なんと、女帝の治める帝国からも黒いコブレットが祝いの品として届いた。果てはシュタイン南方のドミバン族からも婿の立候補とともにお祝いが届いていた。レックス達がこのような蛮族を私の婿になんて迎えられるかと憤っていたけれど、それ以前に私は王になんかなりたくなかった……


 各領主達が連れてきた騎士や兵士の数は10万を越える大軍になっていたんだけど。


 そんな数の人達が集まってくれて、今更出来ないなんて言えないでは無いか!

私は完全にマトライ達に嵌められたのだ。絶対にこのことはレックス達も知っていたはずなのに!

私はむかついたけれど、もうどうしようも無かった。


 私はむくれながらも、用意された立派な国王用の衣装に着替えて、モスリムの北の平原で、大きくなったドラちゃんの前に立っていた。

「竜神様の化身たる姫様がいつまでむくれていらっしゃるのですか?」

私の横に立ったレナードが言ってくれたんだけど、


「判っているわよ」

私はレナードに言い放った。今日は後ろにレックスはいない。先に会場にハワードらといるはずだ。

背中が少しさみしいと思いながら私はドラちゃんに跨がった。

もう後ろを見ている暇も無いのだ。私は諦めた。


「姫様、姫様は我らがお守りします」

エイブが言ってくれた。

「判ったわ。じゃあ皆、行くわよ」

私はゆっくりとドラちゃんを舞い上がらせた。

他の飛竜も空に浮かび上がる。


そして、上空で編隊を組むと、一路始まりの地に向かったのだ。


「竜だ」

「竜姫様だ」

私を見かけた町の人が叫んでくれた。


私は皆の見守る中、古の言い伝え通り、ドラちゃんに乗って飛竜騎士団の護衛の元、北からモスリムの街の外れの始まりの地に飛んできた。


「竜姫様だ」

「竜姫様がいらっしゃったぞ」

「「「「ウォーーーー」」」」」

 それを集まった騎士や兵士、領主達の大歓声によって迎えられた。


 その大歓声の中、私は古竜王国発祥の地のに降り立ったのだ。

 そこは川の水辺だった。

 その河原に私はドラちゃんを着陸させたのだ。私の後ろには第一飛行隊の飛竜達が着陸し、残りの飛竜達は対岸の河原に着陸する。


 ついに今から始まるのだ。私の竜王としての第一歩が。

 皆の見守る中、私は大地に跪いた。

 そして、地面に口づけしたのだ。


「皆の者、今、竜神様の化身たる竜姫改め竜王リディアーヌ様が始まりの地に口づけされた」

 マトライが大きな声で宣言してくれた。


「これより、新生竜王国の誕生を皆の者に告げるとともに、リデイアーヌ様が初代国王陛下になられる戴冠式を執り行う。大魔術師レナード、これに」


 マトライの声とともに、レナードがいきなり私の前に転移して現れた。

「「「「おおおお」」」」

「人が現れたぞ」

「レナード様だ」

 皆騒いだ。


「皆の者静粛に」

 レナードが手を上げて皆に注意した。

 全員がレナードを見守る。


「竜神の化身リディアーヌよ! 汝、その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、民を愛し、民を敬い、民を慰め、民を助け、その命ある限り、真心を尽くす ことを誓いますか?」

 レナードが言ってくれたけれど、これって結婚式の誓いの言葉では無かったっけと心の中で思わないでも無かったが……


「誓います」

 私はレナードの前に頭を垂れたのだ。


「竜神様。新たな竜王の頭に王冠を与え給え」

 レナードの声とともに私の頭に金の王冠が現れて、私の頭に填ると金色に盛大に輝いたのだった。


「「「「おおおおおおお」」」」

 皆一斉に驚いていた。


「初代国王陛下リディアーヌ様万歳!」

 ここでもハワードが大声で叫んでくれた。


「「「「リディアーヌ様万歳!」」」」


「リデイアーヌ様万歳!」

「「「「リディアーヌ様万歳!」」」」

「リデイアーヌ様万歳!」

「「「「リディアーヌ様万歳!」」」」

 皆が両手を挙げて万歳三唱してくれた。


 ドン

 飛竜隊が次々に空に飛び立ち、空に次々にレナードの魔術の花火が打ち上げられた。

 ドン ドン

 次々に魔術の花火の大輪が開く。


 ここに新生竜王国が誕生して、初代国王に私が就任した瞬間だった。



竜王リディアーヌがついに誕生しました。

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


自国から独立されたシュタイン王国の反応は?

続きは今夜です

お楽しみに

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しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


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このお話の前の話

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/

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