言いつけを守らなかった護衛騎士の為に竜に乗って助けに向かいました
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その時、私は男達に囲まれていた。
普通は物語のヒロインなら、見目麗しい男達に口説かれている場面だと思うのに……
見目麗しい男はレックスくらいで、後は老人二人と厳つい男が一人だ。
まあ確かに口説かれてはいるんだけど……なんか違う!
「姫様。今回のような悲劇が起こらないためにも、是非とも、姫様が新生竜王国の王におなりください」
「さようでございます。我が飛竜部隊は全てを姫様に捧げます」
「まあ、姫様も無能ですが、他の無能の王に比べれば100倍はましです」
何故かこのギンガルメにいるインスブルクの宰相と飛竜騎士団長、それに守り役のレナードが好きなことを言ってくれた?
私の胸の中でドラちゃんがあくびをしてくれた。
「レナード卿、あなたはせっかく脳筋のエイブまでもが良いことを言って、姫様の気持ちを高めようとしている時に、何故貶めるようなことを言うのですか?」
「脳筋?!」
エイブがショックを受けているけれど、私はもっと貶められているような気がする。
「何を言うか。100倍もましだと褒めているのだぞ」
「その前の無能ってなんなのですか!」
「貴様に比べれば姫様は統治能力は無いわ」
「それは私に比べれば無いとは思いますが、姫様は我々が上げてきた案を取捨選択してご判断賜れば良いのです」
「盲判を押せと」
「そうは申しておりません」
「マトライ。その方、姫様は繰り返して言わねば判らないのだから、そこは聞き流せ」
なんか二人して私をとことん馬鹿にしているとしか思えなくなってきた。
「リディアーヌ。私はあなただけを見てきました。是非ともこの新生竜王国の国王におなりください」
そこに何故かレックスが跪いて言いだしたんだけど……このタイミングでその言葉っておかしくない?
「レックスさん、あなた、姫様に結婚を申し込んでいるのではないのですから、真面目にしてください」
案の定、マトライに注意されていた。
「何を言うのです。マトライ卿。私はリディとは結婚したいと思っているのです」
「それは二人きりの時にされれば宜しかろう」
「尤も姫様には全く相手にされておりませんな」
私はレックスの最後の言葉がドアをどんどん叩く音でよく聞こえなかった。
どのみち、レックスもレナードと一緒で私が考えなしだとかなんとか言っているのに違いないのだ。
そう思いつつ、
「誰かが呼んでいるんじゃないの?」
どんどん叩かれる扉を見て私は四人に言った。
「なんたることだ。大事な話をするから誰も邪魔するなと申したのに」
レナードが文句を言いつつ手を軽く振って扉を開けると、
「えっ」
ドアを思いっきり叩いていたアーチが叩く物がなくなって飛び込んで来た。そのまま地面に激突していた。
「痛っ!」
「何事じゃ! 余程のことが起こった時以外は、大切な話をしているのだから邪魔するなと申したはずだが」
「別にどうでもいい話よ。アーチどうしたの?」
「大変だ、リディ! ハワードの従妹がモスリムの教会に攫われて、魔女裁判とか言う物にかけられるらしい」
「何ですって!」
私は驚いた。魔女裁判なんて前世でもあった、教会に都合の悪い意見を言ったガリレオがかけられそうになった裁判で、現代科学の進歩を遅らせた代物だ。教会は今度は言うことを聞かない私の知り合いを捕まえて拷問を始めたらしい。
「慌てたハワードがチャーリーと一緒に飛び出した」
「何ですって! 私はあなたが飛び出した時にも注意したわよね。勝手に動くなって! 何故、行かせたのよ?」
「それは注意したけれど、ハワードは聞かなくて、すぐに知らせようとしたら扉が全然開かなくて、20分くらい経ってしまったぞ」
「レナード!」
私はこの扉に魔術をかけたレナードを睨み付けた。
「姫様、私のことよりも急がないと。奴らは単独で乗り込んだみたいですぞ」
「判っているわよ」
私は平然と言うレナードを睨み付けると駆け出した。
「姫様! こちらのお話は……」
マトライが後ろから、何か言っているがそれどころでは無い。私が無視して止まらないでいると、
「ではこちらで適当にしておきますな」
何かマトライが言っていたが、私はよく聞いていなかったのだ。
私はそれを後で死ぬほど後悔するのだが、この時はそれどころでは無かった。
私はドラちゃんを抱えて扉を抜けると、会議室の前の廊下から開いていた窓を越えてテラスに飛び出た。
「ドラちゃん!」
ドラちゃんは次の瞬間、大きくなってくれた。
私はその後ろに飛び乗った。
そうしたら、その私の後ろにレックスが飛び乗ってきたんだけど……
「ちょっとレックス、どういう事よ。あなた他の飛竜に乗せてもらいなさいよ」
「良いじゃ無いか。ハワードの命がかかっているんだ。俺も行く」
「じゃあ離れてよ」
私のお腹に手を回しているレックスに私がむっとして言うと、
「無理だろ。落ちて死ぬ」
まあ、レックスの言うのも当然なんだけど……
「ほう、姫様は時間が無いのに、痴話げんかですか?」
「誰が痴話喧嘩なのよ!」
横に飛んできたレナードに文句を言いつつ、むかついた私はドラちゃんに合図したのだ。
ダン!
「ギャッ」
ドラちゃんが急加速してくれて、落ちそうになったレックスが慌てて私にしがみついてくれた。
なんか後ろが生暖かくて、あれなんだけど、最近慣れていたのか違和感は無い。と言うか背中が守られている安心感があった。尤もその本人は半分くらい失神しかけていたけれど……
私はドラちゃんを一気に加速して、一路モスリムに向かったのだった。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
えっ、ここで終わりって………………
飛び出したリディは果たして間に合うか?
続きは今夜です。








