小国国王視点 息子のためにいろいろとやろうとしたら刺されてしまいました
私はリディに入牢を命じてしまった。
リディは全く納得していなかった。
そして、それは飛竜騎士団長も宰相もレックスもだ。
というか、何故、ボルツアーノの王太子がリディの配下の騎士になっているんだ?
こいつは子供の頃、リディに剣術でコテンパンにされて、それ以来死にもの狂いで剣術に取り組んだと聞いていた。そして、何故かリディの留学時期と合わせて、シュタインにいたのだ。昔の件がトラウマになっているのならますますここにいるのはおかしかった。という身分を偽ってリディについてくること自体がおかしかった。リディ以外の全員にばれているみたいだし、こいつの目的もリディか?
まあ、ボルツアーノ王国の王太子を筆頭に、ノール辺境伯の嫡男、第二騎士団長の息子、それと我が国の次代飛竜部隊のエース、娘は既に配下に大国でも騎士団長を務められる人物を多数侍らせているのだ。婚姻相手には困らないだろう。というか、既にインスブルクの小国一国くらいは十二分に支配する実力があるのだ。
その上、国民の多くの支持もある。
リディが長女だったら私もリディに任せたと思う。しかし、生まれた時から嫡男には国王教育を施していたのだ。リディには一将軍の教育しか施していなかった。
ここで、また、跡継ぎを代えると国が乱れる。
国の秩序を保つために私はあえて、心を鬼にしてそういうしかなかったのだ。
でも、娘の俺を見たその瞳は失望していた。
自らの娘に失望されるなど、辛いことは無かった。
しかし、いったん王太子をビリーにした限りこうするしか私には手段は無かったのだ。
俺は心を鬼にして娘の入牢を指示したのだった。
国民の反応は最悪だった。
新聞には故国の英雄を牢に入れる愚王とでかでかと書かれ、『ギンガルメに誠意を示した国王、勇敢に戦った姫にも誠意を示せ』とか『三流国に売られた我が竜姫様は涙に明け暮れる』
と大衆紙にでかでかと書かれていた。
兵士達も不満たらたらみたいだった。
砦の指揮官に昇格を打診したら、「このたびの戦いで勝てたのは全て姫様がいらっしゃったからです。その姫様が牢に入れられた状態で報償などもらえるはずもありません。私の賞を返還しますから姫様を牢から出してください」
と拒否される始末だった。
砦の兵士達の反感はいざ知らず、近衛の中にも私に反発するものは多くいると思われた。
そんな中だ。リディの友人がシュタインの王妃に捕まったとの報告が複数の筋からもたらされた。
こんなことを聞いたら、リディが暴発するのは確実だった。
私は王妃と相談して、リディには黙っていることにしたのだ。
でも、情報を私が止めたところでリディに伝わらないはずは無かったのだ。
リディは私の制止など無視して出奔したのだった。
もう、止める手段は無かった。
リディはあっという間にシュタインの王宮を破壊し尽くして、その友人を救っていた。
そして、元古竜国のあったあたりに、あっという間に一大勢力を築き上げたのだ。
もう私には止めるすべは無かった。
シュタインの竜姫の名前は全世界に広がり、このまま行けば古竜王国は復活するのは確実だろう。
その竜姫を追放した私の名前がインスブルク王国史に愚王と記されるのも確実だろう。
後はいかにうまく、ビリーに引き継ぎをし、この国を安定させるかだ。
リディも自らの兄に対して攻め込むことは無かろう。
私は宰相を呼んだのだ。
「これはこれは陛下。いかようなご用ですかな」
マトライは不機嫌さを隠さずに話し出した。
「マトライ。ここまでその方にはとても世話になった。今回のリディ追放の件で私が責任を取って国王をビリーに譲ろうと思う」
「陛下。今この厳しい時の舵取りをビリー様にお任せになるのですか」
マトライが呆れて言ってくれた。
「リディ追放の責任は全て私にある。私が責任をとれば国民の怒りも少しは収まるであろう」
「うーんどうでしょうな。コーデリア様はいろいろとギンガルメの陛下と画策していらっしゃるみたいです。軍部の反発が急激に強まっております。陛下が身を引かれたところでどうなるものとも思えませんが」
宰相は首を振ってくれた。
「私なら、コーデリア様をギンガルメに更迭いたします。元々けんか両成敗ならばコーデリア様も入牢させるべきでした。救国の英雄の姫様だけを入牢させたのは片手落ちの感は否めませんぞ。もし、兵士達の不満を和らげて、ビリー様に後を継がせるおつもりならばそうなさった方が良いと思われますが」
「まあ、そう言うな、マトライ。あの嫁も自分なりに必死にやっているのだ。そこは大目に見てやる必要があろう。マトライ、お主が後をフォローしてくれたら、なんとかこの国をまとめて、リディともうまくやれよう」
私は後のことをマトライに頼もうと思ったのだ。
この宰相さえ、いてくれたらインスブルクもなんとかなるはずだ。
「頼むぞ、マトライ」
私は後は宰相に託した
「陛下。それはビリー様とコーデリア様にお話しください。ギンガルメ王国がいろいろ画策しているそうです。それがどう動くかです」
そう言うとマトライは出ていった。
私は息子夫妻を呼び出した。
まだ、このときは私がちゃんと話せば判ってくれると思っていたのだ。
「貴様等、何やつだ」
「ギャ!」
近衛が騒ぐ中、騎士達が部屋の中に流れ込んできた。
「何やつだ?」
私は驚いて誰何すると
「我らはビリー様とコーデリア様にお味方するものです」
「お二人を排除しようとなさる国王陛下の好きにはさせませんぞ」
騎士達が叫んでいたが、あまり見たことのない騎士だった。
「貴様等、ギンガルメの手のものか」
私は驚いて叫んでいた。まさか、ギンガルメがこのような強硬手段に出るとは思ってもいなかったのだ。
「我らは王太子殿下の許可も得ている」
「ええい、うるさい。ギンガルメの奴らに自由にはさせん。出会え、出会うのじゃ」
私は叫んでいた。
「ごめん」
しかし、その時だ。騎士の一人が私に斬りかかってきた。
ガキン!
その騎士の剣を私は受けていた。
しかし、後ろからもう一人の騎士が斬りかかってきたのだ。
「ぐゥォッ」
私は避けようとして、後ろから来た騎士に剣で突き刺されたのだ。
そんな、ばかな。
私は血まみれになって意識を失っていた。
ここまで読んで頂いて有難うございます
リディの父は刺されてしまいました
さて、リディはどうする?
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