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とある男爵夫人の独り言 竜帝様のお使いに助けていただました

 私はホーキンスに張り倒されて襲われた時に、

「竜帝様! お助けください!」

 ととっさに心の中で我らの守り神の竜帝様にお祈りしていたのだ。


 そうしたら、私が諦めかけた時に、バキバキという音ともに馬車の屋根がこじ開けられて、金髪の竜帝様と見まがいそうなきれいな少女が現れて、ホーキンスを蹴り飛ばしてくれたのだ。

 魔物に襲われた住民を助けた竜帝様もこんな感じだったのだと思う。

 更には、この少女は後ろに見るも恐ろしい竜を連れていたのだ。竜帝様と同じだ。

 私はその竜様をみて不敬というか神に対する冒涜というか気絶してしまったのだ。



 この地には昔から祠に竜帝様が奉られていた。

 聖女信仰のこのシュタイン王国の教会とは相容れないのだが……昔からの事ととお目こぼしされていたのだ。もっとも最近は教会の締め付けも厳しくなって、各地の祠が壊されていると聞いていた。

 そして、何故か祠が壊されたところには魔物の出現率が高くなっているというのだ。

 祠を壊した祟りだとか一部で言われていて、祠を壊そうとする教会とこの地方では対立が起こりつつあった。


 昔、魔物が跋扈していて人間がとても住みにくかったこの地に、竜の子孫の金髪の竜帝様が金の竜を連れて降臨された。竜帝様はたちまち、魔物を征伐されてこの地に竜王国を建国されたのだ。その竜王国は100年前まで続いていた。100年前の竜王様は愚王と呼ばれたどうしようもない王様で、聖女率いるシュタイン王国軍によって滅ぼされて併合されてしまった。

 しかし、この地を人の住めるようにしてくれた初代国王である竜帝様への信仰は、未だにこの地に強く残っていた。異国の聖女崇拝よりもこの地に即して根付いていたのだ。


 そして、我が男爵家が、国王ら中央貴族の陰謀によって反逆罪の汚名を着せられて、処罰されようとする時に、竜帝の子孫であらせられる金髪の竜姫様が竜帝様の連れていたと同じ金色の竜を引き連れて降臨されたのだ。


 もう竜帝様のお導きとしか言えなかった。


 私は反逆罪の汚名をかけられて娘が捕まったと聞いた時から諦めていた。領地は中央貴族のホーキンスに占拠された。竜王国がシュタイン王国に占領された時に、竜王国の多くの領主の首が斬られ、代わりにシュタイン王国から多くの領主が送り込まれてきた。今で言うところの中央貴族だ。この竜王国の跡地の三分の二は中央貴族によって占められてたのだ。我が領地もこのままではそうなるのは確実だった。

 そして、私たちを反逆罪で捕まえに来たのが、かつて私に執着していた中央貴族のホーキンスだということから、私もただではすまないと諦めようとしていた。


 でも、そこに竜姫様が降臨して頂いた。


 竜姫様は、なんと100年前に我が地を征服し、その後支配してきた強大なシュタイン王国10万の軍勢を打ち破られたのだとか。さらにはシュタインの国王に捕まった我が娘を救い出して頂けたのだ。


 私は竜姫様に従おうと思った。というか、もう国王に反逆罪のえん罪を着せられた我々はそれ以外の道が残っていなかった。


 夫に後で聞いたところでは、竜姫様は我が領地を占拠していたホーキンス軍をあっという間に制圧されたとのことだった。

 さすが竜姫様だ。



 そして、制圧の終わった後、領地で私は娘に会わせて頂いた。


「ベティ!」

「お母様!」

 私は娘を抱きしめたのだ。


「大丈夫だったの、ベティ?」

 私が聞くと

「王妃様に鞭打たれて」

「何ですって! あの女、私の可愛いベティを鞭打ったんですって!」

 私は娘が王妃に鞭打たれたと聞いた瞬間、切れていた。

 公爵家出身のキャメロンと私は王立学園では同じAクラスで、キャメロン等は私たち地方貴族を馬鹿にしていた。私は当時子爵令嬢で、公爵令嬢とは地位は天地雲泥の差があったのだ。

 もっとも、顔と頭はキャメロンには勝てたと思っていた。

 王太子もキャメロンよりも私と話したがったし、子爵令嬢で貴族加点の少ないのに、Aクラスだった私は勉強でははるか上だったのだ。


 そのキャメロンが、私のかわいいベティに手を挙げたなんて、絶対に許さない。私は心に決めたのだ。


 まあ、そのキャメロンは竜姫様が張り倒して頂けたそうだけど。

「リディが張り倒したから、おそらく三ヶ月は表に顔を出せないんじゃないかな」

 と娘は言ってくれたが、そんなことでは私の怒りは収まらなかった。

 私は学園時代の私の友人や私に声をかけてきた男達に、竜姫様の友人だと言うだけで王家から反逆罪の汚名を着せられて、キャメロンから娘が鞭打ちされて殺されかけたこと。その時の様子が鬼婆のようだったこと。王の命を受けたホーキンスが嫌らしい笑みを浮かべて私に襲いかかってきたこと。それを竜姫様が颯爽と助けて頂いたことを誇張してせっせと書いて送り始めたのだ。

 絶対に我が家に汚名を着せたシュタイン王家は許さない。

 私は心に誓ったのだった。

ここまで読んで頂いて有り難うございます

母の怒り恐ろし。

続きは今夜の予定です。

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