変態に襲われてい親友の母を助け出しました
「リディ、リディ」
翌朝私はレックスに揺り動かされて起こされたのだ。
「うーーーー」
私は首を振ってもう一度寝ようとして、はっとして目を覚ました。
そこには見目麗しいレックスの顔があった。
普通の女の子だったら真っ赤になって寝顔を見られてしまったと恥ずかしがるところかもしれない。でも、私は一応小さいとは言えインスブルク王国の王女だったし、基本は護衛や侍女に囲まれて生活していたので、寝顔を見られるのにもなれているので平気だった。
というか寝起きが悪い時は「うるさい」って叫んで起こしに来たものを寝ぼけて叩きそうになって、
「姫様を起こすのも命がけです」
とノーラに言われていたんだった。
まあ、レックスとかは剣術部の遠征訓練で平気で野宿とかしていたから、寝顔を見られるのも慣れていたので色気も何もあったものじゃなかったけれど……
「どうしたの?」
私が目をこすりながら聞くと、
「ベティが目覚めて、ベティの両親が反逆罪で捕まるとか言い出したんだ」
「えっ、ベティの両親が反逆したの?」
「何でそうなる?」
レックスに呆れられて、
「違うの。国王にリディを呼べって言われて拒否したら両親を反逆罪で引っ立てるって言われて」
レックスの後ろで寝ていたベティの言葉を聞いて私は自分のせいだと初めて知った。
「ごめん、ベティ」
「ううん、リディは悪くないわ」
「でも、私のせいでベティがこんな目に遭ってあなたの両親まで酷い目にあわせさせてしまって」
「あなたのせいじゃないわよ。でも、ごめん、リディ、なんとか両親も助けてくれない?」
謝る私にベティが頼んできた。
「判った。ご両親は今どちらにいらっしゃるの?」
「それは判らないの。領地にいたはずだから、捕縛隊が向かったはずなんだけど。でも、酷い事されていないと良いんだけど」
ベティは焦った声で言ってくれた。
「レックス、どう思う?」
「判らないが、とりあえず、ベティの領地に行くしかないんじゃないか? 行けば判るだろう」
「判ったわ」
レックスが答えてくれたので私は頷いた。
「リディ、私も行く」
ベティが起き上がろうとした。
「ベティ、あなたじゃ無理よ」
私が首を振った。元気なレックスでも気を失うくらいなのだ。訓練していないベティがドラちゃんの後ろに乗れるわけはなかった。
「でも……」
「大丈夫よ。絶対になんとかするから」
なおも着いてきたそうなベティを押しとどめて私はベティの両親を絶対に助けると請け負ったのだ。
「アーチ、ジム、後は頼んだわよ」
私はアーチと新たに私の子分になった山賊のジムに後を頼んで洞窟を飛び出したのだ。
ドラちゃんにレックスを乗せる。
「リディアーヌ様、私は?」
ハワードが言うが、今はそれどころではない。
「ハワードはチャーリーに乗せてもらって」
チャーリーの飛竜が一番大きいのだ。
「しかし、姫様、ハワードを乗せるとスピードが落ちます」
「良いわ。あなたたちは後からゆっくりと来なさい」
「えっ、リディアーヌ様!」
「姫様、それは酷い!」
「ドラちゃん、ゴー!」
待てをされた犬のようなハワードと文句を言うチャーリーをおいて、私はドラちゃんに合図を送ったのだ。
「ギャオーーーーー」
ドラちゃんは咆哮してくれると、一気に飛び出してくれた。
「ぐっ」
凄まじいGにレックスが私に必死にしがみついてきた。
が、今はそれに文句を言っている暇はない。
「レックス、ベティのお父さん達はどうなっていると思う」
「おそらく、王都、から、の、距離、を、考える、と、捕縛隊、が、着いた、くらい、じゃ、ないか」
レックスが息も絶え絶えに報告してくれた。
「ドラちゃん、変な隊列見つけたら教えてね」
私はドラちゃんにお願いしたのだ。
標高は3000メートルくらい。ドラちゃんは超高速で飛んでくれた。
下に見える、町並みや川、畑が次々に変わっていく。
「ギャオオオオ」
ドラちゃんが何か見つけたみたいだ。
急激に高度を下げてくれた。
騎馬隊に囲まれた、立派な馬車と黒塗りの護送馬車のようなものが見えた。
こちらに向かってくる。
あれっぽい。
「ドラちゃんあの馬車の上につけて」
「ギャオーーーーー」
ドラちゃんが咆哮してくれた。
「レックスは後ろの護送馬車を頼むわ」
私は支持するとドラちゃんを馬車に近づけた。
ドラちゃんを並行して飛ばせる。
先にレックスが飛び降りる。
地上の騎士達が慌てるのが見えた。
馬たちがドラちゃんを見て怯えているのか見える。
「ギャー、竜だ竜が出たぞ」
御者が必死に馬車を走らせようとするが、
私は馬車の上に飛び乗ったのだ。
御者が剣を抜いてきたので、一瞬で蹴り飛ばしていた。
そのまま強化魔術で馬車の天井をめくり上げていた。
中では女の人の上に太った変態親父が覆い被さっているところだった。
「き、貴様、これからって所を邪魔しおってからに」
起き上がって私を見上げた変態親父が叫んでくれた。女の人は衣服が裂けて肌が見えていた。後ろ手に縛られた女の人を男が襲っていたようだ。
その目が必死に助けてと叫んでいた。
縛った女を襲うような卑劣な男は許さん!
私は完全にぷっつん切れていた。
「喰らえ、変態!」
私は変態親父の膨らんだ股間を思いっきり蹴飛ばしてやったのだ。
何かぐにゃりとして怖気が走ったが、無視だ。
「ギャッーーーーー」
男は悲鳴を上げて馬車から吹っ飛んでいった。
男が生きているかどうかは定かではないが、二度と女の人を襲えなくなったのは確実だろう。
男のくずを退治して私はスカッとした。
「大丈夫ですか? あなたはベティのお母様?」
私が慌てて胸元を押さえている女の人に聞いた。
「はい。助けて頂いて有り難うございます。そう言われるあなた様は……キャー」
その女の人は私の後ろから顔を出したドラちゃんに驚いて気絶してしまったんだけど……
ドラちゃんは可愛いのに、何でだろう?
この後ドラちゃんが咆哮威嚇してくれて、私たちは騎士達を制圧したのだった。
ここまで読んで頂いて有り難うございます。
変態伯爵を退治したリディでした。
私のスカッとする電子書籍は10センチ下を見てください。
『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』
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お正月の読書にどうぞ
よろしくお願いします








