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私のインパクトが強すぎたのか敵が引いて攻めてこなくなりました。どうすれば攻めてきてくれるか考えていると眠れなくなりました

「敵10万を前にしても脅えることなく、我らが竜姫様は我らのためにたった一人でシュタインの大軍の前に立たれたのだ。

『直ちに立ち去れ、さもなくば刃を向けん』と。

しかるに愚かにもシュタインはこれを一顧だにせずに拒否した。

竜姫様が逆らった将軍を一刀の元処断すると、敵10万は慌てふためいて壊乱し潰走したのだ。我がインスブルク軍に竜姫様がいらっしゃる限り、シュタインの軍がたとえ何百万押し寄せても負けることはないだろう」

新聞を読まなくていいのに、アーチが読んでくれた。


「こっちはもっと凄いですよ。『金髪の山姥、咆哮してシュタイン王国軍を一蹴』って、山姥って咆哮するんですね」

ザカリーがそこまで言って私と目が合った。


「ヒィィィィ、何でも無いです」

怒りの私を見て、慌てて私の前からいなくなった。


「凄いな。リディ、どの新聞も全てリディのこと一色だぞ」

「まあ、姫様。新聞を読んで王妃様がどうお考えになられるか楽しみですな」

「レナード、要らないことを思い出させないでよ。お母様が読んでいないことを期待するわ」

私が頭を振って言うと、

「それはもう遅いんじゃないですか」

報告に行ったチャーリーが首を振って帰ってきた。

「えっ、お母様、新聞なんて読んでいたの?」

私は驚いた。いつもは新聞なんて読まないのに……

「はい。それを読んで姫様が勝手に一人で飛び出したのを知って、たいそうお怒りになっておられました。姫様を連れ戻しに来ようとされる王妃様を宰相様が懸命になだめておられましたよ」

それを聞いて私は頭を抱えた。


「お母様は日頃は低俗な新聞なんて読む物ではありませんっておっしゃっているに……何で読むかな」

「まあ、娘の活躍を知りたかったのではないですか? 姫様はろくな報告を送ってませんし……『我が軍が砦の前で交戦しようと出陣したら、我が軍を見た瞬間、戦なれない敵は逃げ帰りました』という報告は何ですかな」

レナードが嫌みを言ってくれた。


「全然事実と違うじゃないか! 敵の司令官の罵詈雑言に怒り狂うハワードを抑えていたら、勝手に指揮官が飛び出していったんだろう!」

レックスが少しむっとして言ってくれた。


「仕方がないじゃない。あいつ、むかつくことを言うんだから」

私が言い訳すると、

「どこの国に指揮官自ら一人で敵の中に飛び込む奴がいるんだよ。普通はあり得ないよ」

むっとしてレックスが言い出した。

私は少ししゅんとする。少しだけ反省しているのだ。


「まあ、我らの姫様だからな。仕方がないですよ」

チャーリーが私の援護してくれた。

「チャーリー!」

私がチャーリーの援護に感謝のまなざしを向けると、

「そういう事を言っているんじゃ無いだろう」

むっとしてレックスは私たちを見た。

「姫様は猪突猛進型なんだから、それに俺たちが合わさないと」

さすが持つ者は優秀な部下だと私は思ったが、次のレックスの言葉に固まってしまった。


「それはわかるけれど、今回の作戦の肝は敵を砦に引きつけて徹底的に叩くって事だったじゃないか。でも、あれ以来敵は動かなくなったんだぞ。どうするんだよ」

そう、レックスの言うとおり、敵は20キロも離れた国境の町の郊外に陣取ってそこから動かなくなったのだ。

本来は砦の攻防戦で砦の壁までたどりつかせて、そこで叩きに叩くというのが基本線だった。

だから敵の小手先の挑発には乗らずにこちらから挑発して、攻撃させるのが作戦だった。壁にとりつくまでの途中の攻撃もできる限り抑える方針だったのだ。それを敵を挑発するどころか逆に私がその挑発に乗ってしまった。


「私には挑発に乗るなと言われながら、一人で突撃されるのは酷いです」

ブツブツハワードが言っているがその通りだ。


そのお陰で敵は私を恐れたのかあれ以来動かないのだ。

私は侵攻するのはお兄様から禁止されているからこうなると攻撃できない。

今は八方塞がりの状態になってしまったのだ。


「まあ、敵は戦意喪失して帰ってくれたらそれで言うことはありませんが」

ジェフが言ってくれたが、それは無いだろう。


このまま敵が動かないと私が困る。

こちらは500の兵を動員しただけだからたいしたことはないと言えばないが、二千の予備役を動員しているというのもある。それにシュタインとの国境を閉鎖しているのだ。まあ、他の国境は空いているが、国民に迷惑をかけているのは事実だ。今まで私が婚約していたのもあり、シュタインとの交易は結構あったのだ。商人達のお兄様への突き上げもあるだろう。また、兄嫁が暗躍するかもしれない。それを思うと私はうんざりした。


一方のシュタインだが、10万の大軍を動員しているから経費は結構かかっていると思うが、あっちは大国だ。たいしたことはないのだろう。


「うーん」

私はほとほと困ってしまった。

「まあ、姫様。ここはじっくり待ちましょう。敵もいつまでも10万の軍勢を寝かせておく訳にはいかないでしょう」

レナードが笑ってくれたが、私はいつまでも待つのは嫌だ。


「こうなったら、私が闇に紛れて奇襲して、殲滅するわ」

「ちょっとリディ、この砦から出て戦ったら、王太子妃付の侍女にされるんだろ。それは不味いんじゃないのか」

レックスが指摘してくれるが、

「また、ハワードが暴走したと言うことで」

「酷い、姫様、俺様をだしにして自分だけ良い事をするんですか?」

ハワードが言ってくれたんだけど、良いことって何よ? 殲滅するだけなのに!

結局その案は皆に却下されてしまったんだけど……

でも、それがだめならどうするのよ!

また、兄嫁がいろいろと余計な事をして、暗躍始めたらどうしよう?

私はその日はこれからのことをいろいろ考えて中々眠れなかったのだ。


最初にやりすぎてしまったリディ。

シュタイン軍は下がって攻めてこなくなりました。

さて、どうする?

次の手をお楽しみに


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