あまりにも敵軍が来るのが遅かったので、やってきた敵将の挑発に乗って突出して敵軍を潰走させました
この物語を書き出した時、このシーンを書きたいと思いました。
ここからベストシーンです。
ご期待ください
「姫様! やっと敵がやってきました!」
偵察に出ていたザカリーが飛竜の上から叫んで教えてくれた。
「やっときてくれたの!」
私はいい加減に待つのに飽きてしまって、砦の上でふて寝していたのだ。
私は立ち上がった。
「ようし。皆、やるわよ」
私は叫んでいた。
レッドスロープ峠の戦いはこうして幕を開けたのだ。
砦の壁は赤い石で出来ており、その上から何重にもレナードが強化魔術をかけてくれていた。
だから単純な攻撃魔術はほとんど跳ね返すはずだった。
3重の堀と柵を乗り越えてその上、この壁を乗り越えないといけないのだ。
ここまで来るだけで大変だと思う。
最初からまともにやるとここまでこれないかもしれないと思って最初は城壁を登った所で叩く作戦だった。
でも、それから先方がこの砦の前に来るまで3日もかかってしまったのだ。
本当に遅い。
私は敵軍の行軍の遅さに本当に切れていた。
だから、あんな馬鹿なことをしたのだ。
後でお母様にやったことかバレてとても怒られてしまったんだけど……
「姫様。全員配置につきました」
前面の壁は100メートルあった。5メートルおきに弓兵が物陰に隠れて射る用意をしていた。
その時、敵の軍勢の中から一人の偉そうな男が出てきた。
「私はシュタイン王国のバウディ伯爵だ。今回はインスブルク征伐軍の前衛を任されている。偉大なクラーク国王陛下は貴様ら弱小国に情けをかけられた。王太子暗殺未遂犯、リデイアーヌを引き渡し、賠償金として10万枚の金貨を渡せば今回の侵攻はやめておいてやろうというのだ。ありがたく国王陛下の軍隊の前に降伏せよ」
「何をふざけたことを言っている。バウディとやら、シュタインには貴様のような無能な男しかいないのか」
私はバウディに怒っていた。ここまでゆっくりと行軍して私を待たせてくれた恨み辛みが溜まっていたのだ。
「なんだと、貴様、そのような戯言をよく言えたな。そう言う戯言を言う前にまず名を名乗れ」
「無能に名乗る名などない」
私は言ってやったのだ。この台詞もどこかで聞いた台詞だ。
私はこの台詞が新聞にでかでかと書かれるなんて思ってもいなかった。
「な、なんだと! 貴様、暗殺未遂犯のリディアーヌだな」
「おのれ、あやつ、リディアーヌ様の御名を二度までも呼び捨ててくれおって」
私の横でハワードがきれていた。ほっておいたらハワードは確実に飛び出して斬って捨てていたと思う。でも、今回は我慢するように言い聞かせていたのだ。
「ふんっ、貴様らの軍はおままごとの軍か? たかだかここまで来るのに何日かかっているのだ。軍というものは発すれば風の如く素早く動くものだ。そんな子供でも知っている事が出来ないとは、指揮官が余程無能なのだな。もう一度幼年学校からやり直したらどうだ」
「おのれ、そこまで俺を愚弄するとは、そのような守られた所に居ずに、ここまで出てこい。まあ、貴様のような女狐は男をたぶらかすことは出来ても剣でやり合うこととなんて出来まい。淫乱王女とは貴様のことを言うのだ」
バウティは大口を開けて笑ってくれたのだ。
「おのれ。あのデブ、リディアーヌ様に度重なる暴言。もう許さん」
「待てよ、ハワード」
「そうだ。抑えろ」
怒り狂ったハワードを止めるためにレックス等が押さえ込もうとした時だ。
「おのれ、もう許さん」
「えっ」
「姫様、お待ちを」
「リディ、待て」
「行くぞ!」
私はそう言うと皆の止めようとするのを無視して、男めがけて飛び降りたのだ。
皆は唖然としていた。
普通は大将自ら飛び出すなんてあり得ない。
それも砦の守将自ら敵中に飛び込むなんてあり得なかった。
皆の唖然としてみている中で、私は空中で取りあえず持っていた名もない剣を引っこ抜いた。
「ギャー」
そして、生意気なことを言ったバウディを叩き斬ったのだった。
バウディはそのまま後ろに吹っ飛んでいった。
何十人もの兵士達を巻き込んで。
「なんだ。言うほどもないのだな。次は誰がやられたい」
私はにこりと笑ってやったのだ。
不適な笑みを浮かべて剣を上段に構える王女殿下は地上に降り立った竜神様の化身だったと後で新聞にでかでか書かれたのだ。
「ヒィィィィ」
周りの兵士達が、悲鳴を上げて、少し下がってくれた。
「ギャッ!」
そして、その横に唖然と立っていた兵も遅れて飛んで来たハワードに叩き斬られて吹っ飛んでいた。
「「「えっ?」」」
周りの兵士達の顔が驚愕に歪んだ。
「リディアーヌ様、一人で飛び降りられるなんて酷いですぞ」
「ごめん、あまりにも無礼なこと言われたからついやっちゃったかな」
私は愛想笑いをした。
「さて、ではやりますか」
「そうね」
私たちが剣に力を入れて時だ。
「「うわーーーー」」
城門が開いて砦の守備兵が突出してきたのだ。
私が指揮官を叩き斬って腰が砕けそうになっていた敵兵はとどまれる訳もなかった。
「ギャーーーー」
「出た!」
「金髪の山姥が出たぞ」
一瞬で壊乱して皆悲鳴を上げて潰走をはじめてしまったのだった。
「ちょっと待ちなさいよ」
唖然とする私たちを残して……
金髪の山姥って誰の事よ!
私は一人で振り上げた剣を下ろすところも無く切れていたのだ……
ここまで読んで頂いてありがとうございます
我慢できなかったリディでした。
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