表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/116

私を助けてくれた巨竜は私のペットでした。そのまま一緒に飛んで来た飛龍と故国に帰りました

 窓をぶち破ってきた巨大な竜は金色に輝いていてとてもきれいだった。

 その竜は何故かとても懐かしい思いを私に抱かせてくれた。

 竜は私に剣を向けて唖然として固まっている男達を見ると赤い目を光らせてそのまま剣を持った男達をはじき飛ばしてくれた。


 ダシーン


 男達は私の部屋の壁を突き破って、隣のリビングまで弾き飛ばされていた。


「ギャオーーーー」

 怒り狂った金色の竜は私のすぐ横で咆哮してくれたのだ。

 館全体が揺れて、穴の開いた私の部屋の壁の残りが崩れ落ちた。


 何故か隣の部屋で大口を開けて寝ていたハワードが慌てて飛び起きたのと、壊れた侍女部屋からアーチとレックスが飛び出てくるのが同時だった。


「リディ、大丈夫か?」

 レックス達は剣を抜いて竜相手に構える



 でも、金色の巨大竜はそれを無視して私を見ると、

「クゥーーーー」

 と懐かしそうに鳴いてくれたのだ。

「えっ? あなた、ドラちゃん?」

 私は驚いた。


 昔、山で拾った子竜を連れて帰ってお父様に叱られたのだ。

 でも、見捨てるわけにはいかずに、そのまま育てた。

 こちらに来る時にさすがに置いてきたんだけど、ここまで大きくなっていたなんて思ってもいなかった。

「クゥー」

 そう鳴くとドラちゃんは私に顔をすり寄せてきたのだ。

「ドラちゃん」

 私はその大きなドラちゃんの顔を抱きしめたのだった。

「クゥクゥ」

 ドラちゃんは私に顔をスリスリしてくれた。


「うそ!」

「信じられない。巨大竜を手懐けている」

「さすがリディアーヌ様。巨大竜までもリディアーヌ様に頭を下げるとは」

 アーチは驚愕し、レックスは呆れ、ハワードは感心していた。



 そこへ壁の扉が開いて抜剣した騎士達がなだれ込んできた。

「リディアーヌ、貴様を王太子暗殺未遂、並びに騎兵第八師団第一大隊殲滅容疑で捕縛……」

 先頭を切って飛び込んできたモウラス伯爵はそこで初めてドラちゃんを抱きしめている私を見たみたいだった。

 驚いて開いた口が戻らなくなるほど驚愕していた。


「ええい。リディアーヌ、貴様は魔物を使う魔女だったのか」

 我に返ったモウラス伯爵が叫んでくれた。


「貴様、伯爵風情がインスブルクの王女殿下であらせられるリディアーヌ様を呼び捨てにするな」

 ハワードが一喝した。


「何を言うのだ。その女は婚約破棄されたのを逆恨みして王太子殿下に瀕死の重傷を負わせた極悪人だぞ」

 私はモウラスによって極悪人にさせられてしまったのだけど……あれは絶対にエイベルが悪いのだ。婚約者がいるにもかかわらずアラベラと仲良くなって、挙げ句の果てに下手な罪をねつ造して私を断罪しようとしたんだから。私に引っ叩かれても文句は言えないはずだ。それに私はあれでも手加減して張り倒したんだから、本気出していた死んでいたって!

私はさすがにむっとした。


「何をふざけたことを言っている。リディアーヌ様は前国王陛下の度重なる招聘で、やむを得ずこの地シュタイン王国にいらして頂いたのだぞ。それを単なる王太子であるにすぎないエイベル風情が、身の程知らずにも偉大なるリディアーヌ様に罪をねつ造し婚約破棄をしたのだ。本来ならばそれだけでエイベルは処刑されるべきだ。本来、糾弾されるべきは失礼な事をしでかしたエイベルであろう」

「何を言う。偉大なシュタイン王国のエイベル王太子殿下になんということを言うのだ。リディアーヌなど、魔物の竜が跋扈するインスブルクなどと言う小国の王の娘に過ぎんだろうが」

「貴様。言わしておけばリディアーヌ様に対して度重なる狼藉。もう許さん。不敬罪で処断する」

そう叫ぶや、ハワードは剣を抜いて、モウラス伯爵の元に一瞬で駆け寄ったのだ。

そして、一撃でモウラス伯爵を叩き斬っていた。

「ギャッ」

モウラス伯爵は抵抗する暇もなく吹っ飛んでいた。

「き、貴様、良くもお館様を」

残りの兵士達がハワードに飛びかかろうとした時だ。


ビキビキビキ

という大音響とともに館が大きく揺れて、崩れ落ちたのだ。

さすがの館もドラちゃんの重さに耐えられなかったらしい。


ドシーーーーン


凄まじい音で大きな館が崩壊した。

私はドラちゃんに抱きついて無事だったけれど、他の皆は崩壊に巻き込まれていた。


そして、館がなくなると今度は騎士達の多くが私達を取り囲んでいるのが判った。


「ギャオーーーーー」

ドラちゃんが咆哮した。

騎士達が弓で攻撃してきた時だ。


「姫様!」

私は大空から私を呼ぶ声を聞いた。

見上げると人を乗せた飛竜の群れがこちらに急降下しているところだった。


そして、私を攻撃している騎士達の間に爆発が起こる。

「ご無事でしたか」

「チャーリー!」

それは飛竜騎士団の第一騎士隊長のチャーリーだった。

周りの騎士達の間に次々に爆発が起こって騎士達は大混乱に陥った。

飛竜から魔導爆弾を落としたのだ。


「今のうちに逃げましょう」

チャーリーが言ってくれた。


「仕方ないわ。逃げるわよ」

私が叫ぶと

「おい、俺達はどうしたらよい」

レックスが聞いてきた。

「足でもいいから捕まりなさいよ」

「えっそんな」

慌てて、レックスらがドラちゃんの足に捕まるのを確認すると、

「ドラちゃん。飛んで」

私が言うと

「ギャオーーーー」

ドラちゃんが咆哮してゆっくりと飛び上がったのだ。

巻き上げた風で地上の兵士達を弾き飛ばす。


そのまま悠々と金色の巨大竜は空に飛び上がる。

飛竜達が直ちに私達の周りに配置についてくれた。

そのまま私達は編隊を組んでインスブルク王国に向かったのだ。


ここまで読んで頂いてありがとうございました。

リディの逃亡劇はここまでです。

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


次からはシュタイン王国の逆襲です。

大国シュタイン王国の牙がリディに向かいます。

リディの運命やいかに

今夜更新予定です


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

私の次の作品はこちら

『もふもふ子犬の恩返し・獣人王子は子犬になっても愛しの王女を助けたい』https://ncode.syosetu.com/n9267kb/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】

https://www.cmoa.jp/title/1101429725/

■【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ