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罠に嵌められて兵士達に斬りつけられようとした時に、窓ガラスを突き破って巨大な竜が部屋の中に顔を出しました

金髪の山姥と鬼が残りの兵を撫斬りにして皆殺しにしたと噂される事になるなんて、その時は思いもしていなかったのだ。


「「「ウォーーーー」」」

ハワードとアーチが雄叫びを上げるのに合わせて、私も雄叫びを上げて剣を振り回して逃げ惑う兵士達を追いかけ回した。

たまに逃げ遅れた兵士を馬で跳ね飛ばしていたかもしれない。

その叫ぶ私の顔が怖かったのだろうか?

金髪の山姥って何よ!

そんなこと言われるくらいだったら兵士達を皆殺しにすれば良かったと後悔したのは後の祭りだった。


指揮官を失った兵士達は蜘蛛の子を散らすように逃げ去ったのだった。


私達はそのままインスブルク王国に向かった。


途中の敵の数が少なくなったなとは気付いたのだ。

そんな噂が流れていたなんて思ってもいなかった。


私たちは何回か敵を蹴散らして、脇道で休憩していた。

さすがの私も少し疲れた。

というよりも馬が結構疲れていた。

この馬は王都で借りた馬だから、普通の馬なのだ。

インスブルク王国に置いていた私の馬ならばこんな事ではへこたれなかったのだけど、さすがに町の馬は限界みたいだった。


どこかでじっくりと休みたいと思った時だ。


目の前にいきなり男が現れたのだ。

私はほとんど気配を感じなかった。

暗部だ。

私が抜き打ちで叩っ斬ろうかと思った時だ。

男がいきなり跪いた。

「リディアーヌ様。私はこの近くのモウラス伯爵家に仕える者です」

モウラス伯爵家って言えばアラベラの取り巻きだったベリンダの家だ。私に碌な事をしなかったベリンダの実家に呼ばれても碌な事はないだろう。

「そのモウラス伯爵家に仕える者がリディ様に何の用だ」

剣を構えてレックスが私の前に出てくれた。

レックスもとても警戒していた。

「はっ、リディアーヌ様の窮状を鑑みて我が主が館で休息願いたいと申しております」

「そう言って、俺達を館におびき寄せて捕まえる気なんだろう」

剣を抜いてハワードが言い切った。

「滅相もございません。我が主はインスブルクの王室とも取引がございまして、リディアーヌ様に館にてしばしの御休息を賜ればと申しております」

その男は私に丁寧に接してくれたが、

「どうするリディ? どう考えても怪しいと思うが」

レックスが首を振ってくれた。

確かに怪しい。でも、私達の馬が限界なのも事実だ。私は腹をくくったのだ。


「判りました。その申し出ありがたく受けしましょう」

「えっ、良いのか? リディ!」

「宜しいのですか?」

「絶対に何かの罠だと思うぞ!」

男達3人は反対してきた。


「折角申し出てくれているのだから、私は信じるわ」

私は男に鷹揚に頷いた。

「ありがとうございます。それではこちらです」

男は騎士達が行き来しない裏道を知っていた。私達はその男について伯爵の館に向かったのだ。

途中で罠があればすぐに斬りつける位置にハワードがいて、その後にアーチと私が、最後のしんがりにレックスがついてくれた。


私達は1時間もせずに伯爵の館に着いた。


「ようこそいらっしゃいました。リディアーヌ様」

期待に反してモウラス伯爵は私を歓迎してくれた。

兵士達は門番としているだけで、後は兵士達の姿は見えなかった。


「モウラス伯爵。私をかくまっても良いのですか?」

私が聞くと

「リディアーヌ様の故国のインスブルク王家とは昔から取引があります。長くは匿えませんが、一晩の宿くらいはご提供させていただきます」

そう言って案内されたのは結構大きい客間だった。

私の部屋は広い寝室があって、そこに侍女の部屋が2つあった。

もう一人分は他の部屋だった。


食事の用意もあると言うのを断って、私達は少しの間、寝ることにしたのだ。


「どう思う?」

私が聞くと

「どう考えてもおかしいだろう」

アーチが言ってくれた。

「俺も怪しいと思う。ベリンダはアラベラの取り巻きだったからな。もし、インスブルクと大きい取引があるのならば、あそこまでアラベラにべったりして、リディに変なことはしなかっただろう。俺達が寝入った隙をついて、兵士達に襲わせる手はずじゃないか?」

レックスがもっともなことを言ってくれた。

「俺もそう思います」

ハワードも頷いた。

「取りあえず、誰か一人が起きていて、残りは寝れば良いんじゃないか。何かあれば起こすということで」

アーチが言ったので、私達は交代で寝ることにしたのだ。


最初はハワードが見張り役を引き受けてくれた。


私はベッドに入ると疲れていたのか、即座に寝てしまったのだ。

それが間違いだった。



私は気配を感じて、目を覚ました。


丁度剣を持って騎士達が入ってくるところだった。


ハワードはどうしたんだろう?


男達は剣を構えて私に近寄ってきた。


私は布団の中で剣を構えた。


男達が剣を振り下ろそうとした時だ。


「ギャオーーーーー」

ダンっ

パリン

大音響とともに、窓ガラスがぶち割られて巨大な竜が顔を出したのだ。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

この竜は敵か味方か

続きは明朝です。

お楽しみに


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
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このお話の前の話

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/

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